ラブライブ!キーボード-南 ことり-
製造元 言迷(BSKBW04WHの有線US版?)
諸元
キー配列 US-115key
メカニズム ゴム椀+メンブレン/一体型キートップ
備考 I/F:USB
Junk Point 下から来るぞ!気をつけろ!

「アイソレーション・キーボードと(コンベンショナルな)通常キーボード、どっちがローコストか?」という問いは、既に意味を成さなくなっているように思う。
というか、元よりコストは原材料と部品点数、そして何より量産化の度合いによって決まるので、そのような議論が発生すること自体意味がなかったのではないかと考えられる。

それと同じように、両者の構造を比較するのも無意味なのかも知れない。
そのことに筆者は長らく気付かずにいた。所有するアイソレーション・キーボードがこれ一点だけで、高価であったために分解を躊躇していたからである。
そして....我が家に何故かやって来た2枚の格安痛板アイソレーション・キーボードも、ここまで解体せずにいたのは二次カノたちが元に戻らなくなってしまうのを不安視したから....ではありませんよ。いやまぢで。

直上から鑑賞すべし
USB-HIDってこんな簡単構造なのか(基板はメンブレン奥に挟んで接触)
メンブレンガイドは左右に各1つずつ

....さて、気を取り直して、本品の中身を見てみよう。
(↑微妙にコピペ感)
裏面から十数カ所のビス止めを外すと、上部筐体/下部筐体/メンブレンスイッチに分かれる。
スイッチは折り返し2層になっていて、キートップ一体型の軸でゴム椀を挟んで直叩きする構造になっている。

恥ずかしながら筆者が「えっ?」と思ったのは、ヴィンテージキーボードで見慣れたコントローラチップが入っていなかったことだ。
外部との接続基板にはLEDが3個とキャパシタが乗っかっているだけの至極簡単な構造になっている。
メンブレンスイッチとの接続も、上下2枚のメンブレンに接点を挟み込むだけである。USB接続のHIDはこんなものなのだろうか。

メンブレンを位置決めするガイドは左右2カ所に凸がある。5576-A01のように独立したキー+ハンマーがメンブレンを固定する構造ではないので、逆に位置決めに苦労するようなことがない。それが正確な位置決めに良いのかどうかは....よく判らないが。

ゴム椀x115個、再組がでらメンドー

一方で、やっかいなのはゴム椀だ。

コストダウンという面で言えば、Keytronic E03601のように一体成形のゴム椀シートにした方が工程数を節減できるので有利に思うのだが...このキーボードは全キー115個に独立したゴム椀が装備されている。
当初分解した際に床にブチまけてしまい、青くなりながら(...ということもないが)探し回る羽目に陥った。

もちろん、RealForceLibertouchのような変荷重機構を取るためにこの方式を採用しているわけではない。はまっているゴム椀はかなりのテキトー感漂う等反発力シリコンゴムである。

ではなぜこのような構造を取っているのか...と考えてみるに、このキーボードが作業コストを考慮する必要がない環境で作られているのではないか。
ゴム椀および組み立て工程にかかる費用(=手作業であれば主に人件費)が極めてローコストならば、こちらの機構を採った方が一体型ゴム椀よりも材料費が安く済むというわけだ。もちろん筆者の推測の域を出ないのだが。

で、製造する側はそれでいいとして、筆者のように分解する側の人間にとってはこのようなちまちまとした、それでいてただひたすら単純な作業はしんどいだけのシロモノになる。

徽軫反りなのは大陸くおりてぃか
はたまたクレーンプライズの宿命か

そんなこんなで、これこれに比べればマシとはいえ、ラブライバーにとってはデザイン以外、それ以外の筆者を含む一般人にとっては全体的に魅力に乏しいと言わざるを得ない鍵盤である。

敢えてその存在価値を見いだすとすれば...「出自不明の言迷デバイス」であり「限定販売(?)品」であるという点だろう。
で、あと7枚でコンプとなる。如何でしょうか?>ここの読者の皆様



ELECOMのOEM...ではないけど
キートップを下げたところ(ぅふ)


(2014/09/23記)

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