FILCO FKB-109-MM
製造元/発売元 DIATEC corp.
諸元
キー配列 109keys/JIS
メカニズム ALPS SWITCH(Black axis)
備考 I/F:PS/2 x 2(via DIN connector)
Junk Point ゴツイわりにセセコマシイ

筆者がSG県の走召田舎に引きこもり、隙を突いては稀に大須不定期巡回を行なう「非先端電脳生活」に入ってから、およそ15年近くになる。

最早自作PCはごく一部の特殊趣味人が扱うものとなり(....あ、以前からそうか)、一般人のインフォメーションツールはというと、「パソコン」はすでに傍流となってスマホやタブレットがメインストリームであり、筆者がシコシコと書き連ねている「HTML記述のWebサイト」ごときで情報発信する個人はほぼ絶滅し、Blogさえも過去の遺物と化しつつあるようにみえる今日この頃である。

そうした「電脳浦島太郎」たる筆者が取り扱えるのは、ここに挙げるようなニッチなデバイスインプレッションぐらいでしかないのである。まあ、個人の趣味でやってる「自家発電ネタ」ですからいいんですけどね。

そんなこんなの今日この頃なのであるが、では10数年前のトレンドを記憶しているか...というと、これまた微妙なところなのである。

マニュアルはMM/MS共通
「ブルーLED」が誇らしげ(だが、3球キリッ)

本機「FKB-109MM」は、今(2018年8月4日)を遡ること18年前の「AKIBA PC Hotline」2000年6月17日号に、姉妹機であるスケルトンモデルの「MS(英国海軍強襲揚陸艦と同じく、0083ではありません)」とともに紹介されている。
その紹介記事の文頭に
「アキバでは冷却効率がいいということでアルミ製のPCケースが人気だが、その人気にあやかろうというのか、なんとアルミ製のキーボードまで発売された」
とある。
はて、そんなブームがあったのだろうか....と頭をひねってみたが、高級パーツと縁遠い生向委生活を送っていた筆者には「いわれてみればそんな高額商品もあったかな」程度にしか思い出せないのである。なにせ当時逝ったと思われる格安ATXミニタワーを未だに使ってるし。

しかし時の流れというのは、ある意味で有難いもので、当時の高嶺の花に一言「おぢゃんく」という魔法の言葉をつけるだけで、何ということでしょう、お値段が数分の一になってしまいました....となるのである。

上記記事によれば、発売当時の本機/スケルトンモデルのFKB-109MSはそれぞれ1.78/1.98諭吉。
筆者が先刻イ意で落した本機は、4野口。まあそんなもんであろう。基本的にはFKB-109BIGと同じですからね。

(上)ホントにアルミか?なぐらいヘヴィ
(左下)PS/2←→DIN(K/B側)(右下)DINコネクタは両側にある

本機最大のウリであるアルミ製筐体は、その材質からの想像を超えた重量を持っている。
イマドキの薄型アルミ製K/Bなど、横に置いただけで(置くことはないだろうけれど)吹っ飛びそうな存在感だ。
ここまで重いと、本当にアルミ製なのか疑いたくなる。元祖防弾キーボードと比較しても....ってそうか、銃撃してみれば分るか(をぃ)。
ちなみに、ちぇきぃんな筆者は、剥き出しのビスがあるにもかかわらず、本機をバラしていない。従って内部構造は現時点では筆者にはよく分らない(MSの写真が上出記事に載っているので、ご参照されたい[←手抜き])。

当時の先端であった「青色LED」を採用していることを誇示している。そういえば当時、なにがしかのインジケータを青色LEDに換装されていた「タトさん」がおられたように記憶している。今となっては多色イルミネーションがでほとなっているように思うが、その源流がここにある....ということにしておこう。

筐体はティルトのない固定傾斜角となっている。僅かに逆カーブに感じるが、実際にはオーソドックスなカーブドスカルプチャである。筐体が平板で有る為の錯覚かも知れない。
とにかく、筐体自体は「ミシリ」ともいわない剛性と、重量+下部筐体の精度の高さによる、座りの良さをもっている。
一方で、当然といえば当然だが....ALPS黒軸を採用したことにより、打鍵音はかなり目立つ。
音自体の大きさは5576-C01と同等に感じるのだが、残響音はこちらの方が大きく感じる。同じスイッチ機構をもつFKB-109J/BIGと比べても、かなり賑やかなキーボードである。

カーブドScr.だが、上部筐体は平板で感覚が狂う

また、あるいはデザイン優先のか、巨大なサイズの割にはキー部分が寸詰まりな感じがある。

ご覧になればおわかり頂けるかと思うが、Enter周辺が一般のフルキーボードの様にスキマがなく、ぎっちりと詰めた配列になっている。

考えてみると、当時DIATECはApple用の「コンパクトな」フルキーボードを販売していたが、そちらはEnterキーの横に空きスペースが取ってあり、筆者にとっても打ちやすい。

振り返って本機は、Delete/Pup/PdownがEnterの右に回り込む、筆者がミスタイプをしやすい典型的なキー配置となっている。

ALPSスイッチで筐体は高剛性、座りも良いので本来なら筆者にとって好みの一台....となるところだったが、そんなわけで「微妙な一台」ということになってしまっているのである。

Alps黒軸/だが、青だ(キリッ)

本文執筆にあたり検索をしてみると、2008年に書かれたBlog

一生使っていきたい 美しいキーボード

と紹介されていた。

さて、10年後の今日、いかがお使いであろうか。

いや、こちらの管理者さんのアルミ製品への情熱を疑うのではなく、「本機の耐久性」が懸念されるのだ。
ALPSスイッチは現在のCherryMX系メカニカルスイッチに比べ繊細で、またスイッチ自体が故障した際に入手性に問題があると思われるからである。

....などとご託を述べながら、数多のALPSスイッチ採用鍵盤を絶賛放置中の筆者が偉そうなことは言えないのである。

発売当時に購入されたとすると、実働8年。大事に使っておられるのだろう。筆者などはツメの垢を煎じて飲むべきところである。




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...って誰?


(2018/07/02購入、2018/08/04記)

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