FILCO FKB-97
製造元/発売元 DIATEC corp.
諸元
キー配列 97keys/JIS
メカニズム ALPS SWITCH(Black axis)
備考 I/F:ADB x 2
Junk Point laid off by S.Jobs
tttttちゃたりたくなくてもちゃああああたってしまう
発売価格8野口?


年季の入ったロゴプレート
同じく年季の入ったSerialシール

筆者の林檎製品に対する鬱屈した感情については以前にも述べた。
そうした事情から「敵を知り己を知らば百戦危うからず」の戦場訓に基づき、嫌々ながら林檎雑誌などを立ち読みしたり、知人のまぢん様などからお下がりをいただける機会があればこれを逃すまいと鼻息を荒くする20世紀末〜21世紀初頭当時の筆者なのであった。
....はずなのだが、昨今そうした熱意が薄れている気がする。
いや、筆者の生活における林檎率が若干上がっているのは上がっているのだが、それに比して技術的な背景を探ろうとする意欲が落ちているように思う。要は.....幻の大地たる頭頂部に何か生えてきたということかッ?!!

ま、それはさておき、筆者が唯一林檎的素養を持つと思われる鍵盤領域だが、これにおいても知識の欠落が著しいように思われる。はて、このFKB-97が発売された当時のiMacはUSBだったか、ADBだったのだろうか.....と(Wikipediaで一発解説)。

そんなわけで、腐った林檎らしくアッサリとジョブズ氏から切り捨てられた、そのADBを採用している本機である(といっても、ADBを外部I/Fとして使用したPowerMacは1998年まで発表さていたとのことだが)。
改めて調べてみたのだが、本機の資料は発売元のDiatecサイトにも残っていない。筆者が見つけられたのは、個人サイトで2000年エントリーの「売ります」記事に「新品で8000円で購入しました」という文言と画像ぐらいである。
一応その画像をみると、パッケージ販売されていたようなので、まるきりのおじゃんくというわけでもないらしい。

筆者がウロウロしていた頃の世紀末の秋葉原、そこに存在した林檎屋の店頭では、高級キーボードとして販売されていた可能性も否定できないのである。...まあ当時のFILCOブランドの扱いを考えれば、決して高い可能性ではない気がするが。

「そこまで要るか」のスタビ
おかげで動作が固い...

形状からすると、切り欠いた左右両上端にADBを持つ一方で、F1-12keyがあるというPowerMacG3/G4世代機に付属のキーボードと似たレイアウトを持つ。
コンパクトなサイズながら、フルキーボードという形状の特徴はこの当時も存在していたようだ。

例によってiMATEで接続すると、かな刻印があるがUS配列キーボードとして認識される。
従って、Changekeyboard.exeを使用して切り替えることになる。一方で、Applekeyboardなどのドライバは不要となる。

スイッチはDELL AT101Wと同じALPS黒軸と思われる。
これは経年劣化なのか判じがたいところなのだが、キートップの引き抜きがやたらと固くて、いつぞやの簡易黒軸のようにもいでしまうのではないかという恐怖が先立つ。
スタビライザーが入った大型キーは、これがやたらとカッチリ填め込まれているので、抜きにくいのは当然である。
特にEnterキーはご覧の通り、縦横に2張りのスタビライザーが入っていて、これが外しにくさを助長している。キーリムーバーで引っ張ると、スタビライザーのフックよりもその土台のプラ部品が先にキートップ裏面から引っこ抜けて非常に心臓に悪い外れ方をする(うっかりするとこの部品が弾けて、どこかへ飛んでいって紛失しそうな)。
品物が到着して直後、とにかく渋いキーが幾つかあったので、まずはゴミなどが挟まっていないかを調べるためにリムーバーを使って外してみたのだが、これは大変に胃に悪い作業であった。

この当時らしく逆L字
ポートはADBx2


尤も、こうして書き進めるうちに次第に動きがよくなってくるのはこの時代のALPSスイッチにはよくあることのように記憶している。チャタリが強いA、T、そして引っかかってうまくストロークしないEnterキーも随分スムーズになってきた....現在でも完全に回復したわけではないのだが。

で、タクタイルなタイプフィールは筆者にとっては悪くないように思われる。....のだが、特に底突き後の残響が長く続く。それはちょうど、古くなったModel-Mのバックリングスプリングが著しい残響音をたてるがごとくである。
筆者が入手した個体は、底部筐体を留めてあるビスが完全に錆びているため、中を覗くのがかなりはばかられる状況である。しかしながら重量感のある筐体にはおそらく鉄板が入っていると思われる。そのフレームの中央部分のキーが特に残響が大きく感じられるので、おそらく設計上なにか問題があったのでは....と思えてくる。

iMateで接続


まあそうした些末なネガティブポイントは置いとくとして、筆者の現在の作業環境に合わない点がひとつ、ある。
「「DEL」キーがBackSpaceである」
ええ、林檎鍵盤共通ですとも。
でも、今筆者が行っているビデヲファイル整理には必須なのだ。
なんか「スクランブル」だの「アメフト部」だの、もう世間的にもヲカルチャ的にもどうでもよいモノがダボハゼのように引っかかってきて辟易しているのですから。
で、この文章書き終えたらさっさとC01に戻すか。(をーい)




(2018/01/03購入、2018/05/04記、2018/07/16脱稿)

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