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短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その457




木下隆雄「先日、管理者さんの知人が『忙しすぎて鬱』とSNSに書き込みをされていました。まあ確かに日の出前から深夜までの勤務で、会社員なら勤務先がブラック確定となるところなので致し方ないのですが」
小椋良二「はぁ、なるほど...しかし管理者さんと同じような立場だと洞穴に向かって叫ぶこともままらなないわけですな」
木下「ど、どうなんでしょう。しかし数時間後に見たら、そのカキコに『私もです。がんばりましょう』『ボクもです。お疲れ様です』といった、同業他者の皆さんからのロバの耳レスが山ほど付いてまして、知人を元気づけているというよりは『自分も言いたかった』という雰囲気があり、これは業界全体の問題ではないかと思ったのです」
小椋「な、なるほど....しかしそれは個々人の心の持ちようということもあるのでは。某商社のカリスマ経営者が『どんなに忙しくなっても、習慣さえ付けておけば読書によって情報を集めることが出来る』と宣っておられましたし」
木下「そういうことです。『読書』『タトえ首てぃタトエクビティ』と置き換えれば、一般人に当てはまる普遍的な習慣となるかと」
小椋「なるほど、タトえそれがバレたら緊急家族会議モノであってもですなねぇ貴方」
木下「そ、それはともかく、先日来の嵐も止んだことですし、我々もこれまでの行き止まり人生習慣にしたがって、春分の日から持ち越した懸案を片付けに参りましょう」
小椋「一方で管理者さんはパートナーさんとリア充あくちびち」
木下「一方我々は...はぁー」
小椋「おいこら」



木下「で、こちらがその懸案
小椋「まだ雪がちらつく3月に豪雪地帯の林道をとっぱしようというのは無理がありましたな」
木下「しかしそのために冬タイヤをここまで交換せずに来たわけです。今回は逃すまじ高倉峠」
小椋「冠山峠はいいのですか」
木下「可能であれば冠山峠→R417→R476→高倉峠→徳山ダムとヘアピンルートを取りたいのですが、流石に時間が足りないのと、おそらく冠山峠はあの頑丈なゲートが鎮座していると思われ」
小椋「管理者さんはワルニャンされてましたが」
木下「で、ですが我々の技術では車ごと谷底ダイヴの危険が有ると思われるので、今回は冠山方面はいけるところまで行って戻り、林道塚線分岐から高倉峠を目指すと致しましょう」
小椋「どのみち何カ所かはとっぱすることになる希ガス」



小椋「...でVICS拾ってるナビは、どうしても我々を林道経由で行かせたくない模様です」
木下「ま、まぁそれもR417/R303横山ダム分岐まで行ったらナビも観念することでしょう」

(....分岐通過)

小椋「相変わらず戻れと仰ってます。これって通行止めを示唆しておるのでは」
木下「社会的な封鎖と物理的なそれは別問題」
小椋「人はそれを....」
木下「と、とにかくいけるとこまで行ってみましょう」
小椋「3行上、同義だったこともありますた」
木下「ここでそれを持ち出すな〜」



木下「で、何の障害もなく林道塚線分岐」
小椋「最初の画像...」
木下「な、なにやら工事は為されて居るようですが、とくに封鎖はされていません。こちらは後で戻るとして、冠山方面の視察に参りましょう。先ほどの山菜採りのおじさんに『峠までは行けるんじゃないですかねぇ』などと吹いた手前」
小椋「それは良いんですけど、以前みたく作業車に阻まれる可能性もあるんじゃないですか」
木下「その時はそこまでで、引き返せばよいかと」
小椋「そうですね、作業のお邪魔をしてもいけませんし」



木下「あ゙」
小椋「さ、転回転回」
木下「路肩に余裕有り」
小椋「を、をい〜....(ガゴッ)」

木下「以前来た時も親切な作業員の皆様、今回も通して頂きありがとうございます」
小椋「さきほど昼食中のところを通過した時の皆様の視線は微妙に違ったような...つかショベルは無人でしたが」
木下「ギリギリ通れるラインを開けて下さっているのでしょう」
小椋「そうですな、では次も」



木下「こ、ここで撤収」
小椋「えーちゃれんぢしないのですかぁ」



小椋「ほれ、ギリギリ通れるラインが」
木下「いや無理だろ、つか脱輪すれば直下100mまで車もろとも側転し放題」
小椋「おちきんなことで」
木下「与太はそのくらいにして、とっとと戻ります」
小椋「ちっ」



木下「で塚線に入りました」
小椋「こちらは崩落よりも、路肩陥没の方が多いようですな。あちらこちらにコンクリートで修復した後が」
木下「崖上と崖下、双方の落差と切り立ち方が冠山林道よりはシビアでは無い感じですな、勾配もそれほどキツくないですし。ただ洗い越しが数カ所あることを考えると、水を通しやすい構造の路盤が凍結し、それによって路肩の陥没が起こっているのではないかと思われるので、あまり端によるとグシャッ...ということもある鴨」
小椋「な、なんか○ヒュンですな」
木下「管理者さんの地元では○ぞがーというそうですが」
小椋「シリませんがな」
木下「座布団没収」



木下「峠が近づいてくると、春まだきという感じが」
小椋「そうですな、標高は1000m弱ですがまだ雪渓が残ってます。樺の林もまだ新芽が出てませんし」
木下「とはいっても清掃職員の皆様のおかげで路面の荒れは少ないもようで、特に問題もなく峠が」



木下「というわけで到着」
小椋「画像右....」
木下「表示が何も無いので、単なる障害物と認定」
小椋「や、やり」
木下「それはともかく、これほど整備された『林道の峠』はあまり見かけませんが」
小椋「何か目的があって整備したんでしょうかね、ばぶるとか泡沫経済とか地価高騰による景気沸騰とか」
木下「嗚呼泡破れて山河在り」
小椋「そ、そきゃ」

木下「さて、福井方はというと岐阜県側より修復がしっかりと為されているようです」
小椋「傷み方が激しいんでしょうね、コンクリートで路肩を補強してる場所がかなりありましたし」
木下「まぁそれだけお金が」
小椋「あるような自治体なんでしょうかね、それにしても民家は一軒もなく、ここまで林道を整備する意味がもう一つハッキリしませんが」
木下「『蓮如聖人の遺跡』への観光誘致とか」
小椋「地味すぐる....」



木下「とはいえ一軒だけ家があり、近くにこのような草むらのヒーローも。早速内部の見聞を」
小椋「そこにどのような意味が」



木下「ほらこの中に、山の神のご神体が。お察しの通りこのヒーローはいわば『祠』」
小椋「え、えと....」



木下「ご覧の通り、お賽銭もお供えしてあります」
小椋「ていうか、単なる脱皮ですけど」
木下「それは全く問題ではありません。生き神様であろうが、空皮であろうが、そこに人々が寄せる思いという中心部分がある限り、信仰は揺らぐことはなく世界共通なのです」
小椋「すみません、さっぱりわかりません」
木下「これがホントの『本質剥離』
小椋「お〜い山田君、座布団全部没収してくれ」
木下「歌丸師匠、お疲れさんでした」

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--おまけ1:崩落寸前の草ヒロ家(?)--




--おまけ2:道場で蕎麦修行(喰らうだけ)--


....その458へ続く(おおよそ目的回避であと60マイル)