Winkey nano touch+BT
Winten ALBT-077BK(Winkey nano touch+ BT)
輸入元 株式会社オールエー(Made in China)
諸元
キー配列 日本語/72key(Win/Contextなし)/タッチパッド
メカニズム メンブレン/ゴム椀
I/F BlueTooth v2.0+EDR
備考
Junk Point お値段と配置がビミョー
筆者の基本的なキーボードの嗜好はフルサイズのフルキーボードである。

仕事で使う上でやはりテンキーは必要だし(外付けは筆者の雑な操作だとがたついて使いづらい)、なるべくならCtrl/Alt以外のショートカット/コンビネーションキーは使いたくない。

しかし今日、メディアをコントロールするリモコンを主目的とした、小型のワイヤレスキーボードが市場を賑わせている(....というほどでもないか、秋葉の一部店舗ではかなり売れているようだが)。

正直かなり人柱的要素が高い製品もあるようだし、そもそも「1本指打ちが苦手」だからこそケータイにもキーボードを要求する筆者から見ると、このジャンルにはあまり食指をそそられなかった。

タッチパッド+6列日本語配列
アルファベット/数字キーが同じ大きさ
しかしそうした製品群の中にも、一見すると「を、これは」と思うようなモノも存在する。

このキーボードは、そんな感じで筆者の目にとまったのである。
もっとも、理詰めで判断したところ半分、1年半ぶりの秋葉巡回で高揚してIYHしてしまったのが半分と言う気もする。

理性的に判断した部分は、このキーボードが、

・キートップのサイズが、かつてのThinkPadのB5ウルトラポータブルシリーズぐらいに見えた
・(マトモに動作しそうな)ポインティングデバイスを持っている
・BlueTooth接続で汎用がききそう

....という点だった。
ThinkPad220と比較
キートップは縦が同じで横幅が広い
実際にこのキーボードを、往年の名機(?)ThinkPad220のそれと比較してみたのが右の画像だ。

アルファベットキーについては縦方向が220とほぼ同じ、横方向が若干広めにみえる。

筆者も含め、ローマ字打ちの方にはわりと良くできているように感じられる。

さすがにここしばらくこのサイズのサブノートを使っていなかったので、このサイズでブラインドタッチをするにはしばらく慣れる時間が必要だったが、両手親指が重なるぐらいの距離に手を配置して叩くと、意外に叩きやすいと感じるようになった。
代償として一部キーが特殊配列
URL入力でよく使うセミコロンの位置がキツイ
ただ、こうしたキーピッチを確保する代償として、「」や¥、:(*)、バックスラッシュといったキーの位置が変わっている。

特に困るのは、「:」とバックスラッシュがおのおの右SHIFT/右Altの位置に割り込み、これらのキーが省略されていることである。

そして左画像には写っていないが、この手のキーボードでないがしろにされがちな「Del」キーが、なんとF6とのコンビになっている。この位置は筆者にとってかなり特殊だ。

多分現在のPCのもっとも繁用される機能は「Web」だろう。そのURLを入力するのにかならず使用するセミコロンが特殊な位置にあるというのはかなりキツイ。

そして、筆者にとってAltはともかく、右側のShiftが省略されているのも使いにくい。

文章中で大文字が出てきた時、ホームポジションより左側の文字だと入力の流れが止まってしまうのである。

このサイズにしては中々悪くない製品だけに、これだけはなんとかならなかったのか....というのが正直なところである。実際もうそれ以外に配置する場所がないので、どうしようもないのかも知れないが。
メーカーサイトのスペック表には
『パンタグラフ』とあったはずだが....
キーのストロークは浅く、まぁ普通のコンパクトキーボードといった感じのタッチである。

以前紹介したモノのように、ガチで打ち込まないと入力されない....ということはほとんどない。

ただ、Web上の様々な店舗で、このキーボードの仕様を見ると「パンタグラフ式」となっているのだが.....左のキートップを外した画像を見る限り、キートップをパンタグラフで支えているようには見えず、普通のゴム椀式構造に見える。

どちらかというと、このコーナーで以前に紹介したMitumi KEK-A9AUよく似ている。
もっともストロークはこちらの方があるので、もう少ししっかりとした打鍵感があるが。

キーのぐらつきはそれほどではないので、キートップがスムーズに滑ってくれる限りでは、なめらかなタッチが維持されるのではないかと思う。
裏返すと左にペアリング/右に電池スロットとスライドSW
放置するとスリープモードにはなるようだ
裏面はシンプルな構造だ。

ハードPowerSWは懐かしいスライド型だ。
基本的にはEverOnで使用するのではないかと思う。放っておいても一応スリープモードには入るようだ。
同じく筆者所有のBTフルキーボードFILCO FKBT108M/NBと比べると、復帰がかなり早くてタイムラグが余り感じられないので、本当に入りっぱなのでは?と疑ってしまいそうだ。

このキーボードのBT通信はV2.0+EDRである。これもFILCOの件のキーボードと同じなのだが、あちらが筆者の職場で壁を隔てて3mほどの通信が効かないのに対し、こちらは平気で動いてしまう。

3m向こうのリモートPCに、デスクのノートからVNC接続して、リモート操作をこのキーボードで....という、なんだかよくわからない操作もやろうと思えば出来る。

うっかりリモートのコンソールであることを忘れて、このキーボードでVNCのローカル/リモート画面切り替えをしようとして「おっとと」ということがあるのは笑えるが。
フラットな鍵盤面
剛性は意外に高いが、この個体は少し歪んでいる
チルトスタンドなどといった気の利いた装備は特になく、デスク面に「ぺたっ」という感じで置くことになる。

それが本体の意外な剛性と相まって、割といい感じの底突き感を発生させている。

ただ残念なことに、筆者の個体は若干筐体が歪んでいるようで、堅い机に乗せて叩くとガタガタ感が結構伝わってくる。ゴム脚はあるのだが、あまり効いてないようだ。

この感触を防ぐには、テーブルにコルクシートを敷く、あるいはもう少し高いゴム脚を履かせて調節する....といったところであろうか。

どちらかというとサイズ的にはリモコンというよりも、可搬性の高い外付けキーボードとして使った方が便利な気がする。両手で持って親指タイプ....というにはちょっとキツイ大きさだ。

筆者は情報端末のノートから2mほど離れた位置で作業することが多い。そこに30cm四方ほどの小さな台があって、そこに発注メモと在庫表のクリップボードを置いて、更にその上にこれまで上記のFILCOのキーボードを乗せて、下に敷いたメモやクリップボードをのぞき見ながらキーボードを叩いて検索....といった、非常に煩わしさを伴う作業をしていた。

だからスペース的に非常にきつく、もう少し小さくて(表面積がフルキーボード比で半分ぐらい)、ポインティングデバイスが付いているワイヤレスキーボードがあったら....と常々思っていた。
このキーボードは、その要求をほぼ満たすスペックと言って良い。

ただ、これは今の時点での多くのBlueToothキーボードに言えることなのだが、キーボードとしての基本性能に比してかなり価格が高い。
筆者はクレバリーにて11,600円で購入した。Amazonだと送料込みで9,800円なのでそちらの方がお得と言えばそうなのだが、ではAmazonで初めてこのキーボードを知ったとして、この値段で飛びついただろうか....ちょっと疑問である。

これが他の言迷Wireless小型鍵盤と同じ価格帯、4,000〜5,000円だったら、結構いい線いくのではないかと残念に思うのだ。

(2010/03/16記)
 

Keyboard Junkyリストへもどる

Junk Junky