IBM 92G7461 Model-M13
IBM 92G7461 Model-M13(TrackPointII)

製造元 IBM
諸元
キー配列 US配列/Enhanced101keys
メカニズム メンブレン/スイッチ一体型バックリングスプリング
TrackPointII
備考 I/F:PS/2(kb/mouse2系統接続)
Junk Point すんません、これも新品です
配列はModel Mと同じ
キー位置は筆者好みです
パッと見、以前にご紹介した1391401にTrackPointIIを取り付けた、と言って良いようなモデルである。

裏のラベルを見ると「Assembled in Mexico/Manufacutured by IBM/By Maxi Switch/1996」とあり、その産地を証明するかのように、写真にちょこっと写っているカールコードはいわゆる「メキシカンケーブル(つまりきしめん)」だ。

それを除けばイ吏 彳走さん曰く「た〜ぼ湯切り」も開いてるし、筐体の形状/サイズもほぼ同じ、キートップのバリがあるところも大らかな北米ならではといったところだろうか。

必然的にキータッチや豪快な動作音も同じである。

どこぞで暴露されたように、筆者はこのモデルと同じくTrackPoint付の106キーボードである5576-C01を職場に持って行って使用しているが、日がな一日散々叩きまくって撤収した後に、接続先のX30のキーボードに触れてみると「こ、これは...」という感覚に襲われる。
当たり前のことだが、同じTrackPoint付のIBM鍵盤でもここまで違うものなのかと感心させられる。

筆者には全くもって理解不能なのだが、萌え世界の住人の皆様の間では「メイドさんは微乳でなければならない」という定説があるそうである。この鍵盤の豊満なストロークと突き立った赤いポッチ、そしてX30のフラットかつ繊細精緻な「平板」を比べて、なんとなくそんな風説を思い出した。
(Edited in 2006/10/08)



(2012/04/23追記)
賞味期限切れのきしめん
...だからといって交換は不可である
あれから幾星霜....というほどではないが、筆者の目蜂M鍵盤祭りから6年余りが経過した。

当時新品同様だったこのType13だが、意外なところに経年劣化が始まっていた。....いや、結構しょっちゅう使ってるから、いつも気にはなっていたのだが。

それはあのぺったんこなメキシカンケーブル、人呼んで「きしめんケーブル」(筆者しか呼んでいないようだが)である。

他頁でも述べたように、この当時のIBM鍵盤のプラスチック部品は、得体の知れぬ堅牢性と耐腐食性を持っていて、製造から16年経った現在でも、まったく日焼けなどというものとは無縁の、新品同様の風合いを保っている。

それに比してこのケーブルは、画像を見ていただくと分かるように、なにやら「乾涸びた生きしめん」の如くそこかしこでヒビ割れが発生し、内部の同軸用シールドワイヤが覗いている。特に筐体から生えている部分、ケーブルストッパーの根元あたりが今にももげそうだ。

同系列の1391401などが採用している極太ちぢれカールコードは、その点まったく問題ない。先日入手した1397681付属のケーブルなどはかなり手荒い扱いを受けた様子だったが、キーボード接続部のRJ-45が少しグラグラする程度で、接続はまったく正常だし、外皮が剥げそうなところは一箇所も見当たらない。
取り敢えず絶縁テープで固める
破断寸前箇所にテンションがかからない様に巻き、ケーブル止めに強引に捻じ込む

これが他のModelMと同じようにRJ-45接続のケーブルであれば、余っている極太カールコードを接続すればいいので問題ないのだが、このような直生えでは、交換ケーブルを探すか、同じケーブルを持つキーボードをもう一台探してきてニコイチするしか方法がない。Unicompで売ってくれればよいのだが....

筆者の最初の修復プランは「ストッパーをケーブルのPS/2端子方向の破断がないところまで移動させて固定する(=破断部分を本体内に格納してしまう)」というものだった。

しかしこのケーブルは妙なところでカッチリと作ってある。ストッパーとコードがどうしても分離できないのだ(当然なのだが)。

それにケーブル全体を調べた感じでは、破断がない所もかなり風化が進んでいて、もしストッパーを移動できたとしても、早晩新しい固定箇所が割れてしまう可能性が高いように思われる。

結局、以前までやっていたようにビニールテープで破断を固定し、さらに根っこからもげないように、ビニールテープをストッパーの外周まで巻き進めて、ストッパーをその外周テープごと筐体の溝に挟み込んで、外側向きのテンションをビニールテープで受け止める....という、かなりローテクなものになった。

筐体との嵌め込み精度が高いストッパーにビニールテープを巻いたため、押し込むのは非常に苦労した...が何とか入った。

さて組みあがって....プチプチとダンボールで作ったキーボード袋に入れようとして、この部分が折り曲げられてしまうことに初めて気が付いた。.....が多少強化されているので、まぁいいか。

今日のUnicompサイトを見る限り、このキーボードに相当する現行モデルは販売されていないようだ。
ということは、TrackPointのボタンなり、ケーブルなりが駄目になると、その時点でなまんだぶ...ということになりかねない。

本体が頑丈だと思って乱暴に扱っていると、あとで泣きを見る目になりそうなのである。そういう意味においては、EnduraProを逝く度胸とおぢぇぢぇと語学力があれば修復可能な5576-C01の方がまだ安心であるといえなくもない。
これが噂の
た〜ぼ湯切りメカ

それはさておき、頑丈な部分である本体の内部を見てみる。

大分使い込んでいるので、いささかホコリが溜っているのは致し方ないが、それでも裏面のプラリベットが半分以上もげていた1397681とは大分違う。鉄板に錆は見当たらないし、裏面の傷みもない。

1397681の湯切りメカは、単に筐体前面下部に排水穴が空いている「のんた〜ぼ」だったが、こちらはキーボード鉄板からウェイストゲート...ぢゃなかった、導水路を通って排水溝に導かれる「た〜ぼ」タイプになっている。

キーのアクチュエータガイドは鉄板と一体成形でかなり突き立っているし、その上にキーが覆い被さるような構造になっているので、よほどの大洪水を起こさない限り、深部基板への浸水の可能性は低いと思われる。

とはいえ、そうしたアクシデントを前提に設計しているという所=タイピングはドリンクを飲りながらが当たり前...と言う所が、いかにもメリケンな文化の産物であると感じる次第である。

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