IBM 1391401(typeIII) |
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製造元 | Lexmark (for IBM) | ||||||
諸元 |
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Junk Point | すんません、新品です | ||||||
ここをご覧の皆さんはご存知の通り、筆者はThinkPadを入り口としてIBMにかなりのめり込んでいるのだが、意外にも筆者の周囲には「IBMが嫌いだ」という人が多い。 その中には「シンクパットの、あの黒くて四角い筐体がいかにも『仕事しろ』と人を勤労に追いやる米国社会の象徴のように思えてならない」と言う人もいる。 かの人はあのThinkPadが、主に日本で開発されていることを知ったらどんな風に思うのだろうか。 それはさておくとしても、IBMに対して「傲慢な米国籍国際企業」というイメージを持つ人は結構いるのではないかと思う。特に80年代のIBMは現在のMicrosoftか、それ以上の寡占企業であったから、当時からコンピューティングにかかわってきた人にとっては、その企業姿勢は鼻持ちならないものであったに違いない。 しかしながら一方で、信頼を勝ち取るために注ぎ込まれた努力と投資は、やはり並みの企業の比ではなかったこともまた事実である。 現在のコストダウンが極まったコンピューティングの世界ではまず有り得ない、冗長性と表裏一体の堅牢性を備えた製品群、そして僅かな投資(当時の導入「させられる」側の企業の投資に比較すれば、の話だが)でその余慶に預かれる現代の我々は、ある意味で幸福である。 そうした過去の栄光の残照の一部ともいえるのが、この如何にも「メリケン」な巨大キーボードであろう。 裏のラベルを見ると「1994/Thailand」の文字が見える。実に12年前の新品がどういうわけか筆者の手許にやってきたのである。 あるいは個体の問題なのかもしれないが、筐体のはめ込み精度などは、前出の5576-A01などとは比較にならない。だが基盤自体の安定感と、キーを押すというよりはスイッチを叩くような感触と派手な残響音は、やはりタイプライター文化の国が生み出したデバイスであるという感じが強い。 今日のゴム椀式キーボードに慣れたユーザーがこのキーボードを使ったとして「これがメカニカルキーボードだ」としたり顔で語られれば「なるほど、これがそうなのか」と納得してしまうに違いない。それほどにソリッドな打鍵感である。 ちなみに、筆者はスペースバーを叩いたときの「ドコッ」という衝撃音が妙に気に入っている。 |