70年代後半から80年代にかけてのGr.5カテゴリーは、正に「シルエット・フォーミュラ」と呼ぶにふさわしいモンスターマシンがそろっていた。550馬力のポルシェ935−77Turboしかり、シュニッツァーチューンで700馬力のBMW3.5CSLしかりである。そんな中へ殴り込みをかけたのは、TTE(Team Toyota Europe)のセリカだった。ローデンシュトックのスポンサードを受けた彼らが開発したのは、セリカベースのGr.5マシンだった。
しかしマルチシリンダー・マルチバルブ・ツインターボ当たり前の世界に、直4・2バルブで挑戦するとはいい度胸である。心意気は立派だが、案の定返り討ちにあってアッサリ撤退したらしい。
その実車の精神が、このモデルにも脈々と受け継がれている。
1/28の車体に1/36以下モデル専用ともいえるLS100PG3を搭載して、マトモに走るとでも思ったのだろうか。いや、どういう理由かはわからないが、このマシンはモーターライズ車だったのを無理から発条駆動に仕立て上げられた形跡がある。シャシ裏面をみると、「on←→off」スイッチの穴があるのがなによりの証拠である。だが言っておくが、このような仕様にしたのはあくまでメーカーであって、製作者は無実である。 .というわけで、ランチアストラトスターボRS、カウンタックLP500Sと並んで、SZMCA最低速を誇る一台である。 |