Ultra-thin Slide-out wireless keyboard with backlight(for iPhone4S)
製造元 言迷(これ)
諸元
キー配列 微妙JIS変態配列/50keys
メカニズム ゴム+メンブレン?/一体型キートップ
備考 I/F:Bluetooth2.0
Junk Point 焼肉屋のガチャピン
昨年第3四半期の国内スマートフォン市場のシェアは、Androidが30%に対し、iPhoneが69%にのぼるという。

林檎の祖国米の国においてすら43%、同じ島国(?)の英国ではこれがほぼ真逆で、中国やドイツに至っては僅か17%だというから、日本でいかにiPhoneが売れているかということになる。

その理由についてはWeb上にさまざまな分析がある。

iPhoneが比較的早い時期から市場を獲得したこと、「実質0円」という詐欺紛い商法が功を奏し林檎の高額感がうすめられたこと、対するAndroid陣営はハイエンドばかり日本市場に投入して、世界的に売れている理由のひとつ「安値感」を出せなかったこと....などが挙げられている。
中には○スキー総合研究所員のように「日本人のICTリテラシーの低さ」を原因とする「自虐分析」も存在する。

以前にもここで述べたように、確かに(○チモンも含めて)なんでもアリなAndroid陣営に比べ、「自社製品内完結」を社是としているとも思えるような「囲い込み」によってユーザーフレンドリーなUIを実現し、それと引き替えにユーザーからカスタマイズの自由を奪っている、いわば「愚民政策」が、あの林檎からは匂い立つのだ。

だがそれはデバイスの操作自体に習熟するための労力を、ドキュメント制作へとより投入できる環境を提供している、つまり「コンテンツ・オリエンテッド」なデバイスであるという側面と表裏一体ともいえるかもしれない(....3人の鬼才技術者によってこの世に林檎が結実して以来言われていることだと思うが)。
おそらく中高校生や30手前のリーマンにとっては、rootを取ってカスタマイズするよりも、インスタントメッセンジャーでのやりとりのしやすさや、Twitter/SNS/BlogなどへUPするコンテンツ作成の容易さの方が重要なのだろう。

キー配列
(裏面)結構劣化しないピーチスキン
(表)ホールドはしっかりしている。親切説明付

筆者に可能な限りでの公正な目で見れば、日本独特の販売施策により、常識的には高価なデバイスであるiPhoneを「もらった」かのような感覚で手にしたユーザーの微妙な顧客(自己)満足度がシェアを押し上げ、その結果いち早くクープマンの目標で言う所の「独占的シェア」に限りなく近づいた林檎がこの世の春を謳歌している...というところなのではないだろうか。

....で、筆者の「公正な目で見ていない部分」がささやく理由が、これだ。

フリック入力への習熟に完全に乗り遅れた筆者が周囲を見回してみると、少数派とはいえキャリア各社から1〜2機種は発売されていた「スライドキーボード」....いや百歩譲って「ハードウェアキーボード」搭載の端末は、国内市場では既に全滅している(海外では14/02にOptimusシリーズに新型が出た模様)。
Galaxyには、このデバイスと同じBTスライドキーボードがサードパーティー(ていうか香港の怪しげな会社)から出ている。ようなのだが....Amazonのレビューを見ると、かなり「アレ」なブツと思われる。

結果として「スマホを(QWERTY)キーボードで操作・入力したい」となると、実質的に複数の信頼できる国内販社からこの手の製品が発売されている「林檎電話」一択となってしまうのだ。....いや、このデバイス自体は信頼を置いて良いやらどうやら....の正体不明な○華ベンダー製なんですけどね。

操作はシンプル
ていうかボンディングし直すことがあるのだろうか..

サンワダイレクトやiBuffaloなど、いくつかの国内ベンダーから出ている類似製品と決定的に違う特徴が、この言迷キーボードにはある。
それは「数字キーが独立している」ことだ。

筆者の知る限り、iPhone4S/5用含めてこのレイアウトになっている林檎電話用スライドキーボードは他に存在しない。このキーボードの後継である5林檎用においてすら...なのだ。

正直なぜ他製品がそのようなことになったのか、筆者には理解できない。Web上での入力で、数字入力は結構頻繁に発生するからだ。
特にアルファベットと数字が混ざっているURLやID/パスワードの入力で、それは大きな操作性の差を生むと感じている(数字キーが独立していないSH-04Aのキーボードを操作するに付け)。

むろん、このサイズで5段化はとても無理なので、限られた4段配列の最下段から「Option/機能/Ctrl」のキーが消滅し、その他の記号キーもFnコンビキーに追いやられている。だが筆者にとってそのようなことは些末時にすらならない。なぜなら筆者はマカー魍ではないのだから。

これより前に逝ったiBuffaloのキーボードにバックライトが付いていない...などの不便な点があったため、改めて買い直したという経緯がある。
先日の転職騒ぎの際に箱と取説を捨ててしまったので、詳細(でもなかったが)資料が手元にないのが残念なのだが、設定や操作に小難しいところはほとんどない。
他のBTキーボードと同じように、充電して、ボンディングして、使う。ただそれだけだ。
類似の5林檎鍵盤(息子用)と
配列はほぼ別物で慣れに時間がかかるかも

タッチがスルメイカを押すかの如く固かったBSKBB07に比べ、これのキーはプチプチと快適だ。SH-04Aのキーにはかなわないのだが。
たまにREUDOのRBK-2100BTJNintendo NTR-034との併用で動作が怪しくなることがあるが、どちらかのキーボードのハードウェアSWをOFFにしておけば問題ない(RBK-BT2100Jには無いが)。

筆者にとって問題なのは、もしこのキーボードが成仏したら....ということなのだ。
元々「電池が減ってくると省電力モードに移行不可→そのまま完全放電」という女少な特性をもつ個体なのだが、最近少しLi-Polimerバッテリーの餅が悪くなってきた気がする。

市場から完全消滅する前にもう一枚確保しておくべきか。
それとも5に乗り換え→数字キーを諦め後継板に走るか。

あ、筆者はマカー魍ではないですよ。念のためもう一度言っときますけど。


(2014/05/25記)


(2015/10/12追記)
その後、ついに引導を渡される日がやってきた。

いや、そこそこ前に本機は充電不能になり、代替え機であるライト無しモデルに取って代わられていたのだ(その間にも大陸から箱付きの資源ゴミが有料で送られてきたり、米大陸への発注が勝手に取り消されといろいろあった)。しかし子供の送迎待ちの暗い車内では不便しながらも、そこそこ使えていた。言語切り替えごとにプチフリでいらいらすることはあったが。

しかし先日、iOS9へのアップデートを行った筆者は、いつもの日本語切り替え操作によって、「全く使ってない」spotlight検索画面が立ち上がり「をろ??」と思った。
何度やっても同じ結果。
たまりかねて検索をかけると.....言語切り替えキーが「ctrl+space」に変更になっているというではないか。

直ちに筆者はダウンデートの方法を調べ、やってみた....が、何度やってもエラーを吐いてできない。
時は10/5、8.4.1復元承認終了の5日後であった。

この致命的な改悪により、筆者所有のこのキーボードだけでなく、多くの「ctrlキー」を持たないBTキーボードが、iOS端末キーボードとしての命脈を絶たれたことになる。
Apple社の対応を待つという手もあるが、かの会社のことである、変更した仕様をサードパーティ機器対応の都合で復活させるということは......まぁ、ないでしょうね。

そんなわけで、筆者の林檎電話は再びエメラルダ・サンボーン姫と化しているのである。

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