アールボードforKEITAI(RBK-2100BTJ)
製造元 REUDO Co. Ltd.
諸元
キー配列 日本語/JIS配列
メカニズム メンブレン/パンタグラフ
備考 Bluetooth1.2
Junk Point Locked?
筆者のモバイル端末は14年前のThinkPad530に始まり、今日のSH-04A/W-ZERO3/X30に至る。

筆者がモバイルコンピューティングに価値を見出すのは、当たり前のことだが、その時、その場でダイレクトに空気を感じながら伝ようとする情報を組み上げられることだと思う。
「移動などの空き時間を有効活用」あるいは「ひまつぶし」するためのデバイスという位置づけは、実は筆者にとっては二次的なものに過ぎないのだ。多分。

そういう役割を端末に期待している筆者からすると、今日のモバイル機はいささか逆方向へ進んでいるような気がする。つまりインターフェイスを多少犠牲にしても(というか、ユーザーの慣れを前提にして)、可搬性やコンパクトさを追求する方向へベクトルがかかっているのではないかということなのだ。
SH-04AにしてもW-ZERO3にしても、何気に外出に連れて行くのには申し分ないのだが、出先で拾ったネタを即アップ....という段になって、さて文章を書き始めると、小さな画面、そして独自レイアウトのキーボードとにらめっこになってしまうのだ。
せっかくその場に居ながら、自身は機械の操作に埋没してしまう。何のためのタトげしか....ということになるのだ。(同じようなサイズであってもPalmTopPC110ではブラインドタッチが可能であった。如何にUIの設計が優れていたかということだろう)

奥はSH-04A
何となく折り畳み携帯のオバケみたい。
開くところ。
ペアリング済みの機と自動的にHIDで接続される。
ペアリングはFn+全角/半角
そんなこんなで、結局QWERTYキーボード付きということで選んだにも拘わらず、SH-04Aの入力環境としてこのBluetoothを導入する事になった。
筆者は同じBluetoothキーボードのFKBT108M/NBを所有していて、こちらも問題なく使えるのだが、コンパクトとはいえ流石にフルサイズ108キーボードを持ち歩くのは、一般人的に問題があるだろう。


このキーボードは折りたたみ携帯の親玉のような感じで、2つ折りのボディを開いて使う。
180°開いた時点で左上部のロックスライダを掛けると開いた状態が維持できる。
開いた状態でロックするスライダ
操作しにくい上に摺りが甘いので曲げて壊しそう
わりとしっかり食いつくゴム足
開いた状態で四隅に位置する

....のだが、擦り合わせが甘いのか、裏面にポチな脚が4つ付いているので、平らな所に置けば安定するのだが、膝上では中央が折れてややV字になってしまうのだ。

もっとも、 ラップトップで使うような状況はあまり想定されていないと思うのだが、例えば車内において、ナビをタッチパネルではなくキーボードで操作する筆者のようなユーザーにとっては、膝の上でキーボードを叩くことが多くなる。
そうした不安定な場所での使いやすさも考慮してほしかったところである。

モバイルデバイス用スタンド
左上下部から引き出すとスタンドが跳ね上がる
三段チルトだが、跳ね上げスプリングが結構強めで
軽い端末は傾けられるのか?
SH-04Aをセット
スタンドを離してみる
この方が見やすい
携帯に使用を限っていれば、接続は至って簡単だった。ペアリングはFn+半角/全角で、電源は特にON/OFFはないようだが、しばらくするとスタンバイに入るので、開いて使い、使い終われば畳む...という使い方で良いようだ。

キー配列はUS配列とJP配列の合いの子のようなオーソドックスなもので、PgUp/Down、Ins/DelあたりがFnとのコンビネーションになっていて、^,~が右最下段にある以外はPCのそれと大きな差がない。

ただ、筆者のようにBS/Del連打主義の打ち手にとっては、この辺のキーがコンビネーションになっているのは少々つらい。
特にSH-04Aで打つ場合、Delを叩いたつもりで"「"を入力してしまい、慌ててBSを押すと今度はそれ以前の入力箇所を消してしまい....というつぼパターンがすっかり身についてしまった。

ただしこれはこのキーボードの問題というよりは、むしろSH-04A側の「ケータイ書院」に負うところが大きい。

SymbianOS上で動くこのIMEは、入力確定箇所の最後部にカーソルが残る仕掛けになっているため、入力中のミスや誤変換をBSで消そうとすると、その前の入力確定場所を消してしまうのである。
ここでFn+"「"でDelを使えばよいのだが、そこがコンビネーションになっているのでついワンキーで操作しようとしてしまい、つぼってしまうのだ。

そういう意味でこれは、このなかなか良くできた携帯用無線キーボードの、数少ないケータイとの相性の悪い点と言えなくもない。

電池は右上
単四x2本で、Ni-MHも使用可能らしい
打鍵感は、普通のパンタグラフキーボードだ。

厚さの割にはストロークが適度にあり、またUS配列を元にキーを極力増やさずにJIS化してあるため、右端の寸詰まりキーがないので、その点は非常に打ちやすい。
できれば筆者としては大型Enterキーを装備して欲しかったが、上記と背反するのでこれは無理だろう。

携帯のキー割り当てで筆者が頻用するものは、
[Enter]→[決定]
[ESC]→[Fn]+[CLR]
[Del]または[BS]→メニューの途中での[CLR]
といったところだろうか。
ESCキーが左最上部にあるが、「ポチ。」な小型ボタンであるので少々操作しにくい。そのうえ、印刷が手抜きのような塗料印刷のため、ハンドクリームかポテチか、いずれにせよアブラの付いた手でちょこっと操作しただけでのっぺらぼうになってしまった。

全体的にチャチ感は否めないが、よく工夫された機構とインターフェイスで、携帯の高速入力が苦手な方にはオススメと思う。

しかしこれはBlueToothキーボード全体に言えることなのかも知れないが、価格レンジがかなり高い。
Majestouchシリーズと同額というのは、携帯のオプションとして気軽に手が出せる値段ではない。

オグキノ両氏の批評に首肯する訳ではないが、6諭吉も投資してキーボード付きのProシリーズを逝った筆者としては、フィレ・ミニヨンのコース(*1)を平らげて満腹のところへ、間違ってオーダーしたサーロインステーキ(*2)が眼前に置かれたような、なんとも釈然としない感じがあるのもまた事実である。

(2009/06/15記)

*1,2: 筆者はいずれも近い過去に食した記憶がない。単に「贅沢」の象徴として挙げただけである。
(筆者もセカンドインパクト世代ということか言迷)

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