APPLE Keyboard MB110J/A
製造元/発売元 APPLE Corp.
諸元
キー配列 112keys/JP
メカニズム membrane/rubber cups
備考 I/F:USB
Junk Point 意識高い系鍵盤


裏林檎
USBポートは左右に各1

さる一日、カミさんと筆者は、三国町のとあるレストランを訪れた。
いや、というよりアテのないドライブをしていて腹が空いたところで、カミさんがその天性たる勘により、この店を発見したという方が正確だろう。カミさんの食と宿に関する勘は概ね外れたことがない。

予想通り、「モーニングセットしか用意できない」という割には中々にボリュームと質を兼ねた朝食を頂いたその店内は、音楽スタジオも併設させた店主のこだわりが感じられる(過ぎる感も有るが)雰囲気だった。

で....食事を終えて会計に向かったその先に、この「Apple Keyboard M110J/A」があった。
アンティークな調度が並ぶ店内に、アルミ筐体の本鍵盤。
こだわりの店主はまた、電脳にも意識高い系のマカーだったのだ。

パンタグラフ構造
剛性は高く感じる

記憶の彼方(ていうか、放置→忘却)から筆者の脳裏によみがえる自宅所蔵の同機。
時は前後する。....

当初本原稿を書き始めた際「いつ逝ったかが分からない〜」....などと記していたのだが、思い返してみると、先日(2018/5/12)「今は亡き」となったばかりのPC-Net名古屋大須店で、1〜2年前に購入したのだった。確か価格は4野口程度で、入口左手の撒き餌鍵盤バコに大量に突っ込まれていた。

今日(2018/06)時点で調べた所では、ネット上の相場は7野口〜1諭吉ぐらいだろうか(中には3.579諭吉というイカレタ即決価格もあったが)。

今にして思えば、同型林檎鍵盤のテンキーレスモデルやBluetooth板もあったような気がするが、おそらくは経済的な理由から、筆者は本機を拾い上げたと考えられる。

AKB走らせてWindowsで使用中

MB110J/AとMB110J/Bの違いは、調べた限りでは配列に全く差異がない。
J/BはMac OS X v10.6.8以降対応[それ以前のバージョンでは英数がUS配列になってしまう]のだが、おそらくWindowsで使用する限りは問題がないのではないか。

以前、筆者宅で母が経営する店舗の管理PC(勿論Windows)にメンテが入ったとき、サービスマンからキーボードを貸して欲しいと頼まれた。
パートナーから電話を受けた筆者は、とっさに用意できるキーボードが思いつかなかった。
で、あろうことか数多ある鍵板の中から本機を使うようパートナーに指示を出した。

一日、メンテを終えたサービスマン曰く「これはちょっと....効かないキーもあったですしね」
....サービスマンならあらゆる状況に対応できるツールを常備していてしかるべきである、AppleKeyboardBridge(以下オフィシャル略称AKB)ぐらい持っときなさい...とは言えない筆者であった。

そんなこんなで、そのAppleKeyboardBridgeで「英数」と「かな」に各々「全角/半角」と「変換」を割り当てると、日本語の入力が平易になる。

Deleteキーがあるのが新林檎世代か

で、とにかく一度叩いてみよう。

超ショートストロークのパンタグラフ鍵板と、酸化皮膜alminiumの低プロファイル/高剛性筐体の組み合わせは、一種独特の叩き心地を醸成している。これは....パチもんや他の薄型キーボードでは中々味わえないモノのように思える。
いや、実は筆者がRapoo E6300に感じた使用感と似ている気がするのだが、このようなキータッチという「トレンド」の一連となった、最初期のキーボードが本機なのではないか、とも思えるのである。
筆者所有のマシンの中には、このようなものも存在するのだが、こちらはレビューにもあるように「地ベタをタップしている感じ」が強いのに対し、銀林檎製品群はキーボードの操作感も残しつつ、超ショートストローク独特のオペレーションを実現しているのである。
キートップがアイソレーションタイプの魁であることも加え、この辺がなんとも憎いところだ。結局の所、このキーボード辺りを発端として、無数の薄型ショートストロークタイプキーボードの追従者を生むことになったように思われる。

後日聞いたところでは、同系のApple製品のキーボードにストローク不良が発生しているらしい。
超ショートストローク+アイソレーションであることにより、隙間に侵入したホコリやゴミがストロークを妨害しているとのことだ。
幸い筆者の所有機ではそうした問題は今のところ起きていないが、ケーブルが直生えであるために、筆者のようにゾンザイに保存している環境では、断線などがおこるのではないかと心配が絶えないところなのである。尤もこれは筆者の整理能力のなさに帰するところであり、本キーボードには大凡責任はないと思われる。




(2018/01/03購入、2018/05/04記、2018/07/16脱稿)

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