ブルーシール チョコドリンク
製造元 沖縄ポッカ(゚゚;)
諸元 牛乳、砂糖、全粉乳、ココアパウダー、植物油脂、食塩、セルロース、乳化剤、香料、安定剤(増粘多糖類)、カゼインNa、スクラロース(甘味料)
Junk Point 高栄養流動食並みの83kcal/100mL
備考 「日本一の長寿県は?」と問われて「沖縄!」と即答される方は多いのではないだろうか。実は筆者もそうだと思い込んでいた。
ところが、先日の八重山行でふと見かけた街角看板にこんなのがあった。

「日本一長寿県を取り戻せ!」

....ということは、日本一ではないということだ。
調べてみると、現在の「県民の平均余命日本一」、つまり今この瞬間に生まれた赤ちゃんがあと何年生きるかという年数で日本一なのは、かの(?)長野県であった(男性1位、女性3位)。

では、我らが沖縄はというと、女性は相変わらず1位なのだが、男性が大きく順位を下げて26位になっている(2003年)。
これには若干のカラクリがあり、65歳以上の男性、つまりおぢぃの平均余命はダントツの1位なのだが、35〜44歳の死亡率がなんと日本一なのだ。

死亡原因には経済的・社会的背景など様々な要因も考えられるだろうが、戦後の米軍統治による食生活の欧米化が大きな原因の一つであることは想像に難くない。

沖縄の観光地を歩くと、奇妙な感覚に陥ることがある。
元々が本州と微妙に感覚がズレた土産物が並んでいるのだが、そのズレ方のベクトルが、沖縄直下と、太平洋を挟んで対岸の大陸という両極端の方向を向いているのだ。
土産物屋の店頭には「長寿県・沖縄の伝統食!」の文字が並び、片や奥の棚を覗くとスパムやタコライスの素などが鎮座している。

このアンビバレンツ、というか混沌が今の沖縄の風土になっているのかもしれない。

軍需物資配給・払下げの戦後まもなくより、日本復帰後、肉だのスパムだの乳製品だのが民需品として生活に定着してしまった昭和40〜50年代に生まれた人々の健康が蝕まれているところが興味深い。

先の土産物の例ではないが、観光客向けに「伝統食」と謳っているものを、地元の方が常食している例は少ないものである(例外もあるけど)。エピキュリアンにストイックな生活を説くのは非常に困難だということなのだろう。
「タイムーを食え!ミミガーを齧れ!夏のゴーヤを残すな!!」というのは容易いが、それ以上にポテチは美味しくて、スパムは柔らかくて、アイスクリームは甘美なのだ。

そうした混沌渦巻く土産物屋で、変汁好きな筆者は当然の如くこの缶を手に取ってしまった。

その味を一言で表現するなら.....「甘さひかえめ」が主流の今日にあって、清々しいまでに

爆発的な甘さ

である。

普通の缶入り飲料なら「果糖ぶどう糖液糖」あたりが入っているのだろうが、この缶の表記を見るとストレートに「砂糖」。
しかも死ぬほどブチ込んでいると思われるのに、さらに甘味料としてスクラロースを入れているご丁寧さ。
分布容積の大きいあちらの方々ならいざ知らず、我々日本人がこれほどの高カロリー飲料を常飲していたら、カカオポリフェノールの恩恵に預かる遥か手前で、血糖コントロール不全に陥って命を縮めること請け合いだ。

これを買った石垣港離島ターミナルでなら、ノリで飲んでしまうことも出来たかもしれないが、ネタにしようと自宅に持ち帰ったのが筆者の不幸であった。
帰りに立ち寄った那覇空港には、オリジナル手提げ袋に入った6缶パックが売られていたが、手を出さなくて本当に良かったと思う。

なお、ブランド名はアイスで有名なブルーシールだが、製造元は創業者が趣味で缶コーヒーを開発した会社である。その事実を知ったとき、敗戦国で占領軍におもねって幅を利かせるお調子者....というイメージが頭に浮かんで、かの会社がチョットキライになった。だがまぁ「伝統汁」のさんぴん茶も大々的に販売していることに免じて、許してあげることにしよう。

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