変な話Indexへ戻る

短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その387

高熱/高周波うすうす板

小椋良二「このコーナーがその本質であるおぢゃんくネタから遠ざかって幾星霜、そろそろ本来の趣旨に戻る時期ではないかと思う今日この頃なのです」
木下隆雄「....たしか大型古物商でパチ萌え鍵盤を落っことしたのが2ヶ月ほど前だったように記憶していますが」
小椋「あれは単なるネタでしょう。私が申し上げているのはあらゆる困難に立ち向かい、今まさに立ち枯れんとしている古の巨樹に、その手によって新たなる生命をブチ込む作業の過程をここに描かんとする....ということです」
木下「その北方神話的表現はともかくとして、つまりはガラクタをなんとか稼働状態に持って行くべく奮闘し、結果として致命傷を喰らわせるか、修理に成功した瞬間から放置プレイ突入というあのいつものパターンということですね」
小椋「こ、このVersaPro VY11F/GL-Rはお仕事で使用中の板ですから失敗など元より考慮しておりませんが....BIOSバックアップ電池死亡→常時ACアダプタ接続状態→電源部過負荷+ばってら死屍累々→散財....という悪循環を断ち切るべく、早速作業に入ろうというわけです」
木下「なるほど、そういえばACコネクタ辺りなんか揚げたてのエビフリャーぐらいに熱々ですもんね....しかし貴方の趣味ならともかく、業務用と称してこのようなれとろすぺくちぶなマシンにタイ米と労力をつぎ込むのは、前線に届く前に全滅したスコット提督率いる補給艦隊の愚を犯すのではないかと、今時の林檎板や管理者さんお得意の中華パットではダメなんですか(キリッ)」
小椋「確かにそうしたい所ではあるのですが、お仕事では『自律型サブディスプレイ』の機能が必要なので....具体的にはSynergyがiOSでもAndroidでもまだマトモに動くモノがないために、このようなWindows系のスレートPCが必要なのです」
木下「なるほど、では早速バラすとしますか」



木下「増殖キタコレ」
小椋「さ、作業に保険はでふぉでしょう」
木下「そのようなちきんなご発言の裏には、『うっかり落札→どちらもCMOSばってら死亡→思いつき交換→どうせなら両方』という出たとこ勝負が仄見えるのです。逝っちゃった方はなんだか画面も回転できませんし、専用ユーティリティの類が全く入ってない怪しげな構成ですしね」
小椋「さ、さっさといきましょう。まずはHDD外しから」

噂の(?)1.8インチ

小椋「こちらはでほ構成の初号機のほうです」
木下「確か1.8"IDEだったですな、今となっては低速メディアの代表格」
小椋「それは管理者さんの偏見のような....まこの程度のマシンには、これでも十分かなと」
木下「サイズ的にもあまり山盛りにできないところが、かえってメモリ増設不能のましんにはよいですな」

60GBって...

小椋「ところで、今回おくで譲っていただいたましんは60GB換装済みでした」
木下「ほお....つかこれ、厚さがでんでん違うではありませんか、どうやって入ってたんですか」
小椋「そ、それがカバーを外すとき全く意識の外だったモンで」

もっこり

小椋「付けてみたらこのとおり」
木下「や、やり」
小椋「この状態でよかったんでしょうか>前オーナーさん」
木下「ヴィンテージタブレットですから桶なんですよね>前オーナーさん」
小椋「あっさり片付けるな〜」

嵌ってるだけ

小椋「それはともかくこんな感じで接続されてます」
木下「あ〜たの方がスルーしすぎ」
小椋「い、いずれにしろ使用するのは20GBの方ですから。60GBの方は素のXP Tablet Edition2005が入ってるだけだったので業務には使えそうに有りません」
木下「ちうことは、20GBが飛んでしまったらどうするんですか」
小椋「Vistaか7に万歳アタック」
木下「い、逝けんのか?」

流石はMade in JPNなネジ数

小椋「さて、HDDも外した所でさっそく下ろしましょう」
木下「しかしまた豪勢なネジ数ですな」
小椋「しかも種類が微妙に5種類、これあるがゆえにカッチリとした剛性感があるともいえるのですが」
木下「そのうえメチャメチャ固く締めてあります、大丈夫ですか」
小椋「な、なんのこれしき....(むりょっ)」
木下「あ”」

特に爪なし

小椋「....て、てなわけで全部外し終えるとアッサリ外れる...のは前面パネル、ひっかかりのツメが特にないのが助かります。ぬりかべ君のようにハモの小骨並だと、このサイズではバラすのが走召ヤバですから」
木下「ツメはともかく、あの...」
小椋「さ、ささとっとと次」

カドを囲んでるので外しにくい

木下「....と思ったら、微妙な所にコネクタが」
小椋「パネル上部のスイッチ/LED群と、側面のPower/Up/Downのコネクタのようです。しかしこれが固くて、しかもパネルを片手で保持しながらの作業になるので、外しにくいことこの上なし....結局マイクロドライバーでこじてなんとか外れました」
木下「ツメをちょっとやっちまいやがりましたな」
小椋「断線がなければ桶〜」

LCDからの配線は3カ所

小椋「ここまで外してしまえば、LCDパネルはただシスボの上に乗っかってるだけなので、簡単に外れます」
木下「なるほど、しかしシンプルな配置のわりに、組上げ精度が高いのは流石この時期(2004年前後)のましんという感じです」
小椋「そのかわし、今日のタブレットの5倍くらいのお値段ですが....で、接続されているのはインバータ部への電源ケーブルとフレキ、そしてシスボのビデオ出力へのフレキの3カ所、これを外せば」

3枚下ろし完了

小椋「LCDはアサーリ外れます」
木下「この3枚重ねの銀紙はVCCI対策シートでしょうか」
小椋「多分そうなんでしょう、これをめくるとオンボードのRAMチップがこちら側に4個実装されてます。『46V32M16TC-6TC』でデータシートをググると512Mbit DDRのMicronチップのようですので、裏側にある4枚と合わせて8枚構成の512MB-RAMということのようですな」
木下「これが増設できればねぇ」
小椋「検索にトップでかかってくるサイトの管理者さんは『1024Mbitチップに張り替えれば1GBになるかも』と仰ってますが」
木下「管理者さんの技術では、とてもとてもねぇ」
小椋「そそそーですね」
木下「あのもし」
小椋「で、では先を急ぎましょう、しすぼもまた大量のネジで固定されてるのですが、こちらはCPUファンを固定したままでその他のネジを全部外し、ACを固定している金具と、スタイラス固定用の金具を外せば、周囲の外部コネクタごと」

こ、この中か?

小椋「無事、4枚に下ろせました」
木下「WiFiアンテナへ接続されているコードをブッチ切りそうになったのはナイショです」
小椋「そ、そうそう、画像右下のスピーカーケーブル取り外しもお忘れ無く」
木下「さて、肝腎のCMOSバッテリーですが、どこですか」
小椋「バッテリーを買った業者さんによれば、このシスボの裏側にあると」
木下「しかし多寡がボタン電池1個換えるのに、なんで全バラせにゃならんのでしょう」
小椋「だが、事業者用みいそですから(キリッ)」
木下「や、やり...で、どれですか」



小椋「こ、これかな(パカッ)」
木下「....」
小椋「....(ポチン)さて、ど、どこかな」
木下「どう見ても交換するバッテリーと外径が同じ、中に入ってるわけがなかろうに...てか、今開けて致命傷を喰らわせたとか」
小椋「だ、大丈夫だ。問題ない」
木下「死語は慎みましょう」

し〜ろいソケット見えてるよ♪

小椋「こんなところに隠れてました」
木下「なるほど、コレですか、しかし20%充放電でサイクルカウント1000回というのは、このような一般人に取り外し極困難な場所に実装するにはちと少なすぎませんか」
小椋「このようなところに手を入れるのは、それ以外の人でしょうし」
木下「つまりあ〜た」
小椋「さ、さてばってら購入先の方によるとこのソケットの実装がめちゃめちゃモロいということで、慎重に作業せねばなのです」
木下「なるほど、それにしてはこのソケット、異常なまでに電池のホールドが固いですな」



小椋「そんなわけで、隙間にマイナスのマイクロを突っ込んで、ソケットを指で押さえながらこじる」
木下「それは正しいと思いますが、貴方の突っ込んでる所(右)って、マイナスの電極なのでは」
小椋「な、なにもう死んでるからだいぢぶっ(ぎょりっ)....は、はい換装終了」
木下「妙な音がしましたが」
小椋「あとは組上げ、動けばおけ〜」
木下「思いっきり端折りましたな。そういえばもう一つ問題があったのでは」
小椋「ど、どのような?」

(.......続く)

....その388へ続く(ところで再セットアップCDは?)