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短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その380

木下隆雄「管理者さんがやふおく上でも既に絶滅危惧種となっている赤ポッチのニクイ奴をポチり損ねたり、管理者さんの体重増加に耐えかね破砕した業務用椅子の代替機がタイ洪水の影響で一向に入荷しなかったり、タトえ首さんとシンクロ攻撃をブチかますが如くTP600XのCMOS電池がお亡くなり&ばってらがソラマメ状態になったりと、様々なイベントを包含しつつ結局出撃も散財も叶わず晩秋に至りて物悲しいことよのぅ」
小椋良二「え、えと...その説明的台詞的前置きはなんとかなりませんか、管理者さんの無念とダウナァはいつものことだから置いとくとしても」

平たい虹

木下「別に私は暮れ行く季節を憂いているわけではないのです。如何に財政が危機的状況に陥ろうとも『敗国在山河』、ギリシャが破綻しようと聖火はオリンポス山で採取されるし、イタリア産業界が総コケしたらしたで、しぽぽさんは新型T-MAXを逝くでしょうし、スペインが債務の業火に沈もうとも、クロード"Torch"ウィーバーはバレンシアの火祭りを止めないでしょう」
小椋「日本製品が混じってますし、とーちは東南アジアの住人だったように記憶してますが」
木下「そんな話はさておき、枝雀さんの仰る通り、お天気はそうした社会や生物の進化や退化の流れにかかわらず、ずーっとお天気をやっているということです。ごらんの如く」
小椋「は、はぁ....あのぺたんこな虹の向こうには幸せが待っていると貴方は主張なさるとか」

直線で約52キロ

木下「いえ、本日のテーマはこちらです」
小椋「相変わらずのいみふめなマクラ、本当にどうもありがとうございます....って何故この時期になって」
木下「夏を乗り切ったと思ったらまた冬場も節電運動突入直前、これを機に我々と原発君達の距離感を測っておこうと思うのです。我らが仮の宿から直近の原子炉まで直線で51.2km、2つの山系を隔てているとはいえ、強烈な北西の季節風が吹き荒れるこれからの時期に屋根が抜けるような事態が発生すれば、直ちに管理者さんが職場に貯蔵している丸剤を近隣地域に出動させねばなりませんし」
小椋「なるほど、それはいいのですが当初の計画では、今回のテーマは『紅葉見物に出遅れまくりの管理者さんに成り代わり、晩秋の素寒貧な寂寥感を味わいに出かける【寂し狩り】』だったのでは」
木下「ボツ」
小椋「あ、そ」

敦賀原発マップ

木下「ではまずこちらのお釜から参りましょう」
小椋「これはまたいい仕事してます、かの大阪万博で『原子の光が届きました!』とブチかました、日本最古の商用原子炉のある敦賀発電所ですな」
木下「そいことです。関電は基本的に加圧水型軽水炉を採用しているのですが、この1号機だけは福島1号機と同じ沸騰水型を使用しているそうで」
小椋「ここの配管工事に入っている管理者さんのお知り合いによれば『あそこはヤヴァイ』とのことですが」
木下「それは配管のあちらこちらで亀裂が発生しているからではないでしょうか、延命工事中といってももう先はそれほど長くないそうですし」
小椋「なるほど、ではとりあえず行ってみましょう」

敦賀原発正門前

木下「位置的には敦賀半島北端近くの、南向きに開けた入り江の奥にありますな、ちょうどこの位置から一号炉が真正面に見えます」
小椋「北西の外洋側は標高60mほどの高台ですな」
木下「そいうことです、なので外洋からの高潮や津波に対しては防御性が高そうなのですが」
小椋「とはいえ実働40年級の老朽原子炉ですからねぇ、おまけにお隣に廃炉作業中の高速増殖炉『ふげん』もありますし」
木下「そんな緊迫した状況のゆえか、正門を守る警備員の皆様方も緊張感を漲らせて....」
小椋「ごるふの素振りをなさってます」
木下「どてっ」

晩秋の敦賀原発

木下「水辺から晩秋の敦賀原発」
小椋「風情がありますのを」

美浜原発マップ

木下「さて続いてはこちら」
小椋「こ、これは....いくら小さな半島に囲まれているとはいえ、外洋と施設を隔てる丘陵の最低地点が低すぎませんか」
木下「そこは確かに気になる所なのですが、むしろ対岸が非常に綺麗な砂浜の海水浴場というのがなんとも」
小椋「そっちかよ」

縄間交差点

木下「この美浜原発へは、R27で敦賀半島の西側に出て、半島西岸を北上するという手もあるのですが、敦賀原発から一つ峠を越えて敦賀市内寄りに戻った辺りから、半島を横断するTNで直接アクセスできます」
小椋「なんだか観光ガイドぽなセリフですな、そういえば以前某自然食れすとらんのナチュラリストな方が『福井の原発は事故が起こったらトンネルを封鎖して地域住民を出入り禁止にするのよ』と仰ってましたが」
木下「この長大なトンネルは、見る限りそのようなハードウェアは装備されていないようです。中をジョギングされてる方もおられるようですし、平時はふつーの生活道路に見えます」

荒波を越えて...?

木下「トンネルを抜けて少し下り、海岸沿いの道路にぶつかって右折すると、水晶浜の岩場の向こうに見えてきました」
小椋「ここから見る限りは大きな丘陵によって外海と隔てられているように見えるのですが」
木下「先ほどの航空写真にある、南西側の小高い丘ですね。最低部はここからは見えません、当たり前ですが」
小椋「周囲はそこそこ大きな集落があって『越前ガニ』の幟もそこかしこに立ってますな」
木下「そこはやはり若狭〜越前海岸ですから。しかし一度先日の震災のようなことがあれば、美浜原発から見て北東に位置する集落の住人は、峻厳な山を越えて北西へ逃げるか、被曝のリスクを冒して南へ強行突破を図るかの二者択一を迫られることになりそうです」
小椋「さらに北東のトンネルを抜けて東岸の集落へ逃げるという手は」
木下「そちらには『もんじゅ』のプルトニウムが待ちうけています」
小椋「そ、そきゃ.....それはそうと、冬の湘南辺りならまだしも、この北海で板きれにつかまって浮いておられるあの方は」
木下「だいぢぶなんでは、ここいら辺は冬場の高波が立つ日はすべてオンショアですから」
小椋「その風はサーハーに嫌われるんでは」
木下「問題ないでしょう、ぱどりんぐばかりの○○ン野郎には」
小椋「をいをい」

美浜原発連絡橋入口

木下「上の写真の右端、僅かに見えていた対岸との連絡橋入口がここです。一般車の進入は禁止で、見学用のバスが何台か待機してました」
小椋「こちらの警備員さんはなかなかガッチリした方で、この時雨模様の中、微動だにせずに門を守護なさってました。動画きゃぷは管理者さんがちき○だったということでしょう」
木下「さ、さぁ....」

晩秋の美浜

木下「水晶浜から晩秋の美浜原発」
小椋「もののあはれよのを」
木下「言迷」

もんじゅマップ

木下「さて、最後は先ほど名前の出た『もんじゅ』です」
小椋「落っことした部品を拾うのに17億5千万ですか、これは仕分されても仕方がない所なのでは」
木下「こちらは商用炉ではありませんから、対投資効果を量るのが難しい所です」
小椋「想像するより美浜原発に近い感じですな」
木下「小さな漁港に、得体の知れぬ先端物理学の研究施設が忽然と姿を現したというところでしょうか、では行ってみましょう」

白木TN美浜方

木下「一応山越えの道があるようなのですが、そちらはゲートで封鎖されていて施設のある白木地区へはこの白木TNが唯一の通行路となります。もちろんここも特に封鎖設備は無し」
小椋「半島のドン突きという立地は対テロリズムという観点からも検討されたのでしょうか」
木下「そうはいっても外洋側は港になってるわけですから、それほど侵入は難しくなさそうです」

正門前三景

木下「ま、当然とはいえ施設内は一般人立ち入り禁止です」
小椋「正門前に普通の食堂が有るのがなんとも一般企業ぽですな」

柵の向こうは大根畑

木下「『もんじゅ』出入りの業者の作業所が並ぶ白木集落への道を下っていくと見えてきました」
小椋「うみゅ....核研究施設と建設企業、作業員の飯場、そして高速増殖炉を望むこの柵の向こう側では、おばちゃんがタクアンを仕込むため大根堀りに勤しんでおられます」
木下「このような事を申し上げるのは誠に不適切かと思いますが、もし『もんじゅ』に重大事故が発生して放射性物質が拡散したら、この静かな小集落は壊滅的な被害を被ると思われます」
小椋「そもそも逃げ場がありませんしね、避難するとしたら海へ出るしかないのでしょうが....しかしそうした危機をも背負いつつ、日常を過ごしておられる住民の皆さんの心情はいかばかりのものなのでしょうか」
木下「実際の所は、そうした我々外部の人間の驚愕・危惧・無理解、あるいは憐憫といった薄っぺらな感情を超越した所におられるのかも知れません」
小椋「そうなんでしょうかね」

晩秋のもんじゅ

木下「というわけで、最後は晩秋の白木海岸ともんじゅ」
小椋「日本的な光景だ」



おまけ・・・辺塞寧日有り

....その381へ続く(大飯・若狭はまぁいいか)