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短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである(?)−


その218

木下隆雄「先日何気に深夜TVをつけたら『猪木Jungle』をやってまして、見てたらどうもヴァーリ・トゥードルールのようなんですが」
小椋良二「ほほぉ。で、どうだったんですか」
木下「どうもなにも....肉塊のごとき男2人がリング上で熱く抱擁したまま動かないんですよ。あれが挌闘技といえますか」
小椋「そうはいっても、やはり徒手戦闘を突き詰めていくと結局はあそこに行き着くしか他はないんじゃないですか」
木下「それが美しくないというんですよ。今も昔も男の挌闘技の理想はたった一つ、いかに短時間に、いかに速く、いかにシンプルに相手に打撃を与え倒し得るかです」
小椋「また貴方の『一撃必殺至上主義』ですな....近代格闘戦においてそれは幻だと結論が出てるんじゃありませんか」
木下「肉に頼った近代戦術なんかクソ食らえです。かつて心意把やその発展形である心意六合拳の暗頚、そして八卦掌などにみられる浸透頚などはまさに一撃必殺の威力を持ったものであり、それが様々な形に発展して中国本土内のみならず亜細亜の各国へと伝承され....」
小椋「はいはい、それでその貴方の理想とする技の持ち主というと」
木下「サムワン海王」
小椋「火暴なぞ」

木下「ともかく、これほどまでに挌闘技が世に出てながら著しい内部空洞化、これは挌闘技を知る者としては由々しき事態なわけです」
小椋「メディアを使ってのグラップラーのアイドル化→商業化がここんとこのトレンドですからね....露出しまくるだけしまくって、テキトーな試合でお茶を濁し、次に期待を持たせると」
木下「もはや巨大メディアが伝えることに一一片の真実も存在しないのです。こうなったら中小の尖鋭メディアに頼るしかありませんな」
小椋「なるほど、ではさっそく出かけることにしましょう」
木下「しかしながらなかなか前出の店舗のような、正統派の気骨溢れる情報発信基地には出くわさないものです」
小椋「で、貴方の職場のビルにこんな看板が立ってるんですが」

木下「な、なんとっ?!いつのまに....『東大デモクラシー』とは将にこのことですな、これはさっそく行ってみましょう」

木下「なるほど、これはまた雰囲気がありますな」
小椋「若干気になる記述がありますが....」
木下「なに、挌闘の真実を追究するに性別は関係ありません。早速入ってみましょう」

小椋「ほほぉ、やはりここでも近接戦闘が流行ですか」
木下「いや、しかしハグやマウント状態になってるのはこっちだけですね。ここはサブミッションの解説のようです」
小椋「関節の1個や2個イワシただけでは人は戦闘不能になりませんよ。もっとこう、内部に浸透するようなダメージを与えなければ」
木下「こちらは会陰から正中にそって攻撃を加えているようですね、ただ暗器を使っているのが反則といえば反則です」
小椋「でもなんだか受けてる方もチモチ良さげですよ。『無数の半球状突起付円柱状凶器』の体内刺入なんて我々には想像がつきませんが」
木下「恐らくは括約筋で相手の動きを封じて反撃に転ずる、言わば『肉を切らせて骨を断つ戦法』なのでしょう。でなければここまで無防備な着衣の説明がつきません」
小椋「なるほど、体操服にブルマというのは可動性を追求したものかと思っていましたが、そういう深い意味があったとは」
木下「此の婦女子の方なんか、露出した巨大な胸部隆起が前方受け身にもってこいじゃないですか」
小椋「をう、それもそうですな....」
木下「.....いやしかし、なかなか充実した内容でした」
小椋「たしかにそうでしたが....私さきほどから気になっていることが」
木下「といいますと?」
小椋「あそこって、
  あだると店
だったのでは....」
木下「挌闘家は細かい事を気にしてはいけません」

....その219へ続く(踏付けビデオ\10,000也は売切れでした)