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短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである(?)−


その219

木下隆雄「早いものですね、いつのまにかもう年の暮れになってしまいました」
小椋良二「こうして小春日和の公園でノターリとしてると、過ぎし日の速さを感じますなぁ....って千房老人ですか我々は...まだ今日はクリスマスではありませんか」
木下「そうはいってもね....先立つモノが」
小椋「何やら貴方、今年は小動物に随分と吸い取られたようですね。子供は甘やかすとロクな人間に育ちませんよ」
木下「まあそうなんですが....約束破るとムクれて朝飯は食わないわ、保育園に行かないとゴネるわで大変なんですよ」
小椋「それで『インテグラーレなんてどこにでもあるよ』なんて安請け合いした挙句に都内を駆けずり回って遂に見つけられず、高価なエレピを買わされるハメになったわけですね」
木下「うっ」
小椋「しかもカミサンの家族と『囲炉裏を囲んでクリスマス』なんてやってるから、夜中に全員炭団アタリで吐きまくり、もう少しのところで『一家全員一酸化炭素中毒で変死』の三面記事ヒーローズの好機を惜しくも逃してしまうわけです」
木下「自殺サイトをご覧の皆さん、『炭火でポン』だけは止めましょうね。ゲロの始末で周りが迷惑しますから」
小椋「やれやれ」

木下「毎年のことながら、ホントにイベントに踊らされて散財してるのは何とかしないといけませんね」
小椋「ちまちまと沢山のモノを買ってるから家がガラクタ置き場と化してしまうんですよ」
木下「今時のPortatoneだって、"馬場ボクにも弾けた"に比べるとかなりデカイですよ。一昔前のDX7ぐらいはありますから」
小椋「家の中に入るようじゃまだまだ小さいですな。思い切ってこのぐらいにしないと」

木下「....そういえば子供の頃、ダンボール箱で乗り物ごっこをしたのを思い出します」
小椋「これこれ人聞きの悪い、これでもれっきとした『新車』ですよ、そんな失礼なことをいってはホーネッカー氏に国家反逆罪で銃殺されます。材料不足の末に考案された世紀の発明、『有機ハニカム外装板』とでも言っておきましょう」
木下「『とでも』...?」
小椋「それにどうです、このデラックスな室内。スバル360も真っ青の大人4人が楽々....乗車できます...多分
木下「排気量半分の車と競ってどうするんです...?」
小椋「でもほら、パワーが大体同じ(26PS)だから」
木下「キャビアとトンブリを比較するような真似は止めましょう」
小椋「とにかく、これは27年の歴史を誇るこの名車の中でもほぼ最終形、しかも601S Deluxeですから、いわばしゅぽるともでるというわけで」
木下「このガラ○タのどこを押せばそのような大胆な単語が...」
小椋「そのヒミツはにあり」
木下「どれどれ...」
小椋「どうです?」
木下「どうって....千里浜を走った後に下回りのスチーム洗車をしなかったとか...?」
小椋「これだから車オ○チは...リアを固めるのはあのS54B以来伝統的にスカイラインの走りを支えつづけたトレーリングアーム式独立懸架、それにオリジナルでは5.30-13バイアスだったタイヤが、なんと145/70SR-13のラジアルに換装されています。これを見て熱き血が騒がないのですか嗚呼貴方という人は」
木下「今どきどこの世界にバイアスタイヤの乗用車がありますか....それに私が気になるのはフロントですよフロント」
小椋「フロントって....こっちはさらに凄い、F1並みのウィッシュボーンですよ」
木下「横置きリーフのね。それになんですかこの地を這うようなロードクリアランスは....」
小椋「ああ気がつかれましたか。そうそこがこのマスゥイーンの最大の弱点なのです。でもキカイダーの良心回路みたくヒーローは常に何かしら脆い所があるわけで、いわばこれはロータスヨーロッパ並の特徴をもった峠の戦闘機と言えましょう。『しまった!スタビライザーを打ったかッ?!』の代わりに『しまった!ダイナモを打ったかッ?!』とか言って」
木下「バトル開始前にリタイアですな。第一これじゃ峠に行く前に段差の多い日本の街中なんて絶対ムリですよ」
小椋「その点は大丈夫。これをご覧ください」
なるほど、1馬力1万円か。
木下「....つまりナンバー取れないんですね」
小椋「安全基準と排ガス規制満たしてないかららしいですけどね」
木下「触媒つけたらベンチでも回らなかったりして」
小椋「というわけで書いてあるとおり、子供の玩具なんかにどうでしょう」
木下「いくらなんでも高すぎますよ」
小椋「こないだエンペックス気象計のハンディGPS内緒で衝動買いした方のお言葉とも...」
木下「わーーーーー!!!!
....とそれはともかく(ゴホゴホ)ここに『保証つき販売』かどうかが記載が無いんですが」
小椋「すでに倒産している会社のクルマをどう保証せよと?」
木下「えーと....現品交換とか」
小椋「この中古車屋ならありうる.....」
木下「....(ーー;(__;(ーー;(__;)」

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....その220へ続く(8万円の928とか偽ゲンバラの500SLとか展示中)