変な話Indexへ戻る

短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである(?)−


その41

木下隆雄「こないだ行きつけのショップを覗いたら『Cx486SLCアクセラレータ 一山¥300』というのがありました。486だから当然ともいえますが、世の無常を感じますね」
小椋良二「それは酷いですねぇ....CPUアクセラレータは一応あっちこっちのメーカーカタログを見るとまだ載ってはいるようですが」
木下「ほほぉ....Pentium-V800MHzが43,500円ですか」
小椋「マザーボードとセットどころか、同クロックのVIA-C3なら本体ごと逝っておツリがきちゃう値段ですよ。誰が買うんでしょ?こんなの」
木下「そんなショボい石と並べられても困るんですが....考えられるとしたら事業所なんかで減価償却済んでないマシンがノロくて使えん....というニーズでしょうか」
小椋「しかしこんなもの入れようという外道な経営者がどのくらいいますか」
木下「あとは『手になじんだ道具じゃなきゃヤダ!』という偏愛的ジャンク主義者」
小椋「そんな金持ち、ジャンカーとは呼びません」
木下「そういう貴方、秋葉で定価\150,000もするABMのPC-9800シリーズ用286→486アクセラレータを、ラジデパのオヤジに食い下がって\84,000まで値切ったといって喜んでたではありませんか」
小椋「うっ」
木下「しかも翌週には後継モデルが\30,000台で売り出される始末、大体秋葉のショップで値切りが効くわけないんだから、その時点でオカシイと思わなければいけません」
小椋「げははは」
木下「ど、どうしました?」
小椋「いえ、いつもここで泣きが入るので、たまには笑ってみようかと」
木下「・・・・」

小椋「しかしIBM PC-AT文化が日本に根づく前は、ちょこっとCPUだけ....って結構あったと思うんですが、今やABMを始めとして会社そのものがジャンクと化してる所ばっかしですね」
木下「大体、最近のSocket478と同じくらいの大きさしかない286の小さなCPUソケットだけで10cm四方の重厚長大なCPU基盤を支えろという設計思想自体がすでに誤りだと思いますが....でもサポートとかは真摯で丁寧だったみたいですね」
小椋「そうそう、『あのぉ...すみません動かないんですけど....』と恐る恐る電話を入れたら、『もっ、申し訳ありませんっ!ただちに調整いたしますので本体と一緒に着払いでお送りくださいっ!』と平身低頭されてしまいました」
木下「それで、ちゃんと動いたのですか?」
小椋「うち←(3往復)→ABMでも動かなくて、最後にちゃんと動くようになって帰ってきたときはCPUがCyrixからTIに変わってしまっていたのも今では懐かしい思い出です」
木下「や、やれやれ」
小椋「想像するに、きっとパーツ屋かPCショップに毛がはえたようなところで図面だけ引いて、台湾かそこいらの工場に依頼して作ってたんでしょうね。カネと技術はないけどなんか家内制手工業的温かみがありました」
木下「日本経済発展の原点ですな、われわれも見習わなければ」
小椋「そうそう、このメーカーだってその後あれほど発展したのにこんな社屋で頑張ってるんです、初心忘るべからずですな」



木下「なんかちげうぞ....」

....その42へ続く(Cx486.EXEでHDD飛んだ)