SAPAC T07-4
製造元 言迷(多分ここでは.....)
諸元
キー配列 80keyUS
メカニズム membrane/パンタグラフ/WaterProofらしい
備考 I/F:USB(miniBプラグ)/中華パッドは別売りです
Junk Point 落下試験注意
キーレイアウト
筆者が入手する製品の数々の中には、出自が謎なものが「いくつか」存在する。

とはいえ、検索型情報化社会がここまで発達した現代では、大抵のことに関しての情報は得ることが出来る。
というか、ネットで情報が得られるようになっていないと、販売施策上大きなマイナスとなるようになってきているのではないだろうか。

勿論以前に言及したこれこれのように、情報化社会の隙間に滑り落ちたような正体不明の製品も存在する。
だが、これらは一般に販売されていないか、あるいはネット社会が成熟する以前の工業製品と思われる。
そのうえ、諸元や製造年などは不明であっても、最低限「製造者」だけは判明していた。

そうした中、このケース付キーボード(....というかキーボード付ケースというべきか。ネットでの呼称は後者の方が多いようだ)は、何所の会社の製品なのかが現時点で全く検索に引っかかってこない、筆者が久々に遭遇した『正真正銘言迷』な製品である。

筆者はこのキーボードを、秋葉の中華パッド専門店が運営するWeb通販で購入した。
たしかパッド本体を買いに行ったときは、お店の方がこれ以外のキーボード無しのケースしか紹介してくれなかったので、実際に触れることの無いまま購入に至ったのだが....まぁそれは置くとして。

数少ない情報を当たっていくと、どうも「T07」シリーズは3〜4種類がラインナップされているようである。
件のWebショップには7/8/10インチ各サイズPad対応品が用意されているが、キーボードそのものは同じ構造に見える。
これが海外の通販サイトやオークションサイトになると、それぞれがごちゃまぜに同じ製品であるかのように掲載されている。なんとも大陸的....というか、まぎらわしいことだ。


スタンドの裏にコソーリVendorラベル
で、送られてきた包装はビニールの外装にプチプチ、本体にはメーカーのロゴも型番も何も記されていない。ビニールに「Vendor:SAPAC/Model No:T07-4」と印刷されたシールが貼ってあるだけ、まったくのバルク製品だ。
....いや、バルクでもほかの製品なら、きょうびメーカー名ぐらいは確認できそうなものだが、この「SAPAC」を検索すると中国・シンセンにあるプラスチック成形会社がヒットするだけである。しかもこの会社は自動車部品が主力製品で、このキーボードらしき製品の紹介はサイトのどこにも載っていない。



埋火のようだが意外に明るいインジケータと
問題のMiniUSBプラグ
タブレットを収納して疑似ノートPCとして使えるキーボード付ケースは最近いくつか出ているようだが、iPadやGalaxyTab対応の製品はBluetooth無線キーボードだ。それに対しこれは....今日的感覚でいえば若干がじぇっつトレンドに乗り遅れたような、何とも野暮ったいUSBケーブルの尻尾付きだ。
最新の機種ではなく、後発....有り体に言えば「○チキ」に属する製品群での使用を前提にしているというわけだ。

それはそれで筆者のようなユーザーにはありがたいのだが、Web上の写真を見る限り、他の8/10インチシリーズのコネクタは標準USBプラグなのだが、なぜかこの7インチ版だけはMiniUSBプラグだ。
7インチの中華パッドにはUSBポートがMiniであるものが多いのだろうか。
確かに筆者所有のSuli SL-7も同様なのだが、このマシンは標準/Mini2つのポートを持っていて、やりなことにこのうちホストモードで動作するのが標準コネクタの側だけであるようなのだ。
淡い期待を持ってMiniUSBポートに接続してみたが、結果は予想通りアウトだった。

「んなもの変換プラグを買ってくれば大丈夫だ。問題ない」

筆者は高をくくっていた。実際アマゾンでも販売しているぐらいである。通販で買わずとも近所の大型家電店ならすぐ入手できるだろう。....

.....できなかった。(汗

関西資本の家電店では「置いてません」とアサーリ言われ。
厚木在住の某タトえ首さんが以前おられたまーだまだでは、無償応援(*1)のエ○コム社員さんが滝のような脂汗を垂らしながら探してくれたが見つからず。
どんどんどりふの家電店では「あぁ、それは規格が違うんで元々接続は無理ですよ」と言われ。

...吊しで「普通」に大量在庫があった「標準->Mini」変換に比べ、その逆の「Mini->標準」は圧倒的に少ないのだということを今更ながら思い知らされた。
まぁ「秋葉の魔窟」CompuAce辺りを覗けば「ふつ〜」に置いてあるのだろうが.....蟲師に出てくる「阿」と「口云」のようであると思った次第である。

「外れにくさ」と「外しやすさ」
二律背反への解答
で、しばし上記のコネクタが届くのを待つ間、早速パッドを装着してまず思ったこと。
「こいつは.....危険だ」....つまりケースとして。

10インチ版のケースは、左右にパッド本体をホールドする爪があって、ケース上部から差し込むようになっている。
つまりケースを閉じている時はケース上部のマグネット付バンドと、左右の爪でホールドされるので、普通に持ち歩けば何の問題もない。
ところがこいつは、上1カ所/下2カ所の爪で支える構造になっているため、ケースを閉じても、左右はスカスカの「行ってこい」状態なのだ。

爪のサイズにピッタリのパッドならともかく、SL-7は若干スリム&コンパクトなために、爪がしっかりホールドしてくれない。
なので、閉じた状態で不用意に持ち上げると....パットはロープ無しのバンジージャンプよろしく大地へと飛翔することになるだろう。
先に筆者が購入した「GalaxyTab用ケース」は、ホールドこそ3方向だが、本体へのフィットがしっかりしていて、持ち歩いていてそうした不安を感じることはなかったのだが....

仕方なく筆者は一計を案じた。
といっても、いつもの杜撰な造作だが。

要はイケイケ(死語のほうではない)になっている左右を、なんらかの方法で支持してやればよい。
ただ一方で、パッド本体の着脱も横方向にスライドさせて行なうため、しっかりした材質のもので完全なバスタブにしてしまうと、今度は外すのが困難になる。
見ての通りこのケースは「フルオープンでピュアタブレット」状態の使用にはあまり向いていない形状だから、キーボードを使う必要の無いときは、できれば本体を外して使用したいのだ。

業務のさなか(←こらこら)辺りを見回した筆者の目に映ったのは、導電スポンジだった。

当初両側をソフトタイプのスポンジで作ってみた。
とりあえず着脱は出来るが、あまりに柔らかすぎて、USBコネクタや電源をつなぐときに頼りない。そこで一方だけややハードタイプに交換してみた。
成りはご覧の通り....いかにも安普請だが、とりあえずこれで"easy to pump out"な状態からは脱した。

そしてめでたく変換プラグが到着し、ようやく叩ける環境が整った。

が....なんだこの叩きにくさは。
割としっかりとした
パンタグラフ構造
まじまじとキーボードを見直してみてまず思ったのは、キーピッチの狭さだ。
キートップ自体はそこそこの大きさがあるのだが、筆者の普段使いのキーボードに比べてかなり相互に寄っている。
以前はPalmTopPC110でブラインドタッチをしていたこともある筆者だが、指の運動能力の低下した昨今では、このサイズに慣れるのはそこそこ時間を必要とした。

慣れてくると、キーそのものの叩き心地は中々に良いものだと判ってくる。
壊してしまいそうなのでキートップは外していないのだが、どうやらメカはパンタグラフ構造のようだ。ぐらつきも少なく、ストロークもそこそこだ。

だがそうしたことが判るのは、今筆者がPCに接続して、普通のUSキーボードとしていつものIMEで文章を入力しているからだ。

筆者がAndroidで外付キーボード入力を行なうのはSL-7が初めてなのだが、SH-04Aと比べてキーアサインがわかりにくい。

筆者個人の致命的な問題として、現段階で全角/半角入力を切り替える方法が判らない....というのが、叩きにくさを決定的なものにしている。

いずれにしても筆者としては、Androidとハードウェアキーボードとのマッチングは今後の開発を待つしかない。
ただ、コンパクトキーボードとしての素性はなかなかよさそうに感じるので、そのほかの保護ケースとしての使い勝手の悪さが残念な所である。

それにしても、中華な製品と言ってしまえばそれまでなのだが、電子デバイスとして製造元も判らないというのはなかなかにキている一品だ。
今度秋葉に行く機会があれば、是非スタッフの方に詳細を確認してみたい所である。

(2011/02/27記)


注1:筆者の憶測です。念のため


(2011/02/28追記)
購入元の他の頁に記載されていた通り、全角←→半角の切り替えは「Shift+space」で可能だった。
またタグの<>記号が入力できないことがあったが、同様に「alt+space」で記号入力/顔文字あたりの変換候補が現れる。
ただ、FlickWnnの変換画面が出ている状態でないと、切り替え操作に反応しないようだ。

あとは、
・画面を前に戻す
・Webサイト上のリンクをクリックする
....といったあたりがまだ不明だ。

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