Justy SMK-8851
manufactured & distributed by Strong Man(SMK:ruiend) / Sanwa Supply Co.Ltd.
諸元
キー配列 JP/109keys
メカニズム "Psuedo-"Alps Switch(Cream Axis)
I/F AT(w/ PS/2 coversion cable)
備考 発売当時\9,800 + tax
Junk Point チャタり→分解→死亡→交換(予定は未定)

CoVID-19の感染拡大に伴う緊急事態宣言が延長され、筆者の彷徨く近隣のサードプレイスや駐車場などでも、まるで休日のオフィス街のような閑散とした状況が続いた2020年黄金週間が終わろうとしている(そうは言いながら、結局今年も例年の如く全アカ日出勤の筆者ではあったが)。

世の中は「うちで踊ろう過ごそう」が奨励され、何かにつけてオトモダチと出歩こうとするリア充な皆様の足止めとガス抜きを目的として、「おうちで出来る○○」といったコンテンツがあらゆるメディアに溢れている昨今である。

で、本来なら筆者をはじめとする、自宅にこもってモソモソモモソと作業に勤しむ人種には、このような社会状況(=「家にこもらず、外出して他者とのコミュニケーションを図るべし」という外圧がかかりにくい状況。「死に至る感染症が蔓延している状況」では断じてない。誤解の無いよう)はむしろ歓迎すべきはずなのである。日頃たまった未消化ネタに関する執筆を行なうにはうってつけであろう。

....のはずなのだが、なぜかこの貴重な日々に、筆者は家族向けに偶蹄目の筋肉におけるメイラード反応や膠原繊維の加熱分解実験をおこなったり(*注1)、地下茎を張り巡らせて黄色い雄性配偶子を飛散させながら筆者宅の露地占拠を目論む敵性外来生物を、原動機付鍬で徹底排除したり(*注2)と、全く自身の指向と相容れない活動に嬉々として取り組んでいたりしてしまったのである。世間の風潮が個々人に及ぼす影響力というのは、げに恐ろしいものだ。


キー配列
最下段の等幅キーはイマイチとの評判も
ATコネクタ+PS/2変換ケーブルが時代を感じさせる

そんなこんなで仕事に家事に祝祭日を浪費していた筆者の元に、端午の節句の(自家発電)プレゼント「SMK-8851」が届いた。

筆者はこのキーボードをかつての秋葉原で頻繁に目にしていた...はずなのだが、それがいつ頃だったのか、記憶が定かではない。
田舎に引っ込む2004年以前だと思われるが、現在筆者検索に基づくweb上で最も古い情報では、1998年となっている(ちなみにこちらに掲載されている怪獣キーボードはおそらく別物)。

もうかれこれ25年近く前のハードウェアということになる。

発売開始当初の価格は税別9,800円となかなかのお値段だった。

筆者が目にした本品は、イ意で5,000円。まあそれくらいならヴィンテージkbとしてはまずまずだろう。
スムーズに取引が成立し、しっかりした梱包で送られてきた割と◎"○い箱入りの本機。

筐体を外してみる
この時代の鉄板はでほ


早速、"quick brown fox... 「お、なかなかいいタッチだぞ。黒軸よりも軽くてタクタイルがはっきりしている(このやかましさを嫌う方もおられるようだが)」over the lazy og."。。。あれ?

何度か「d」を叩いてみると....チャタりながら少し反応した。
これはスイッチを換えねば..と、まず使わない「PAUSE」キーの引っこ抜きにかかった。
...ところで、脳裏に先人のサイトが浮かぶ。「確か、Alpsスイッチって分解掃除できたよな?」

で、こちらを参考に、分解してみた。
....あー、やっぱりね。

タクタイルを発生させる板バネが、全然違う。いわゆる「偽Alps」「簡易Alps」と呼ばれるモノらしい。

スイッチ構造は、隣接する2枚の金属板のうち、切り欠きのある側がスライダの下降によって外に押しやられ、外側の金属板に接触する仕組みになっているようだ。

....が、この金属板をティッシュを差し込んで掃除してみたり、開き具合や、接点の位置を何度も調整しては組み直したのだが、どうにもうまく動作しない(スライダと上部スイッチカバーを外した状態で金属板を押すと動作するので、導通そのものはするのだが)。
こちらの拡大写真を拝見すると、非常にチャチい中央部の接点が接触しているようだが、急速に進行中の筆者の老眼では、この構造に全く気づかなかったというテイタラクであった。

(左上)上部カバー引っこ抜き/(右上)スイッチとスライダスプリング、カバー内にスライダとタクタイルプレート
(左下)走召チャチ精密接点/(右下)カバー内部。このガイドは?


そして、筆者が頭に描いた復活対策は二つ。
@本稿作成時に得た詳細構造の情報を元に、再度スイッチ内部の分解修理にトライする。
A以前にスイッチをもいでしまったFKB-109Jのおぢゃんくからスイッチを一個拝借して交換する。

@の方法では、うまくいけば本機のタッチを損なうことなく復活させることができる。
...そう、うまくいけば、の話だ。
スイッチカバーをはめるだけでも、周囲がぼやけて見えて何度もやり直している有様の筆者には、なかなかにハードルが高いと言わざるを得ない。

Aの方法は、その点半田吸い取りさえうまくいけば、筆者にもなんとかなりそうな気がする。
しかし....FKB-109Jは黒軸で、本機のクリーム軸とは押し下げ圧などが微妙に違う。

どちらの方法をとるべきか。

試打した感触がなかなかに良好な偽Alpsクリーム軸の本機を余所に、思案しつつCherryMX赤軸キーボードで本稿を書きながら、黄金週間最後の夜は更けていくのである。



おまけ

背面



(注1)ローストビーフと牛丼

(注2)畑の耕し



(2020/05/04購入、2019/05/06記)

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