VAIO PCVA-KB8/JA |
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製造元 | SONY(VAIO TypeH 2005-06年モデルに添付) | ||||||
諸元 |
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Junk Point | ドライバ....orz | ||||||
かつて柴田錬三郎は「太宰は誰しも人生に一度は通る道、麻疹のようなものだ」と述べたことがある。 (ちなみに筆者は通過していない) また彼はこうも言っている。「大人になっても太宰に傾倒している奴は、馬鹿だ」 ....先日、職場の同僚とソニー製品の魅力について話が盛り上がった。 筆者はオーディオ、しかも大昔のアナログ製品の方でしかソニー製品に関わったことがないのだが、「独自の道を切り開き、他社が追随すればさらに別の方向へと歩を進め、ついてこなくても別の方向を目指す」という孤高の姿勢がユーザーを惹き付けている点は、今も昔も変わらないのだなと改めて感じた。 別コーナーで紹介した筆者所有のSony製品にも、プロ用機/走召安物を問わず、その魅力があふれている。 しかしながら、筆者にとってVAIOは、未だに「PC界の新参者」という感が拭えないでいる。 秋葉の店員ですらPentium3を知らないという世代が出てきている今日、MMX-Pentiumの頃からPCを作り続けているSONYは、最早古参と言ってもいいメーカーであろう。 しかしモジュラリティをPC文化の根幹ととらえている筆者にとって、様々な機能を盛り込んでSonyという世界内で完結する閉じた製品を目指す、いわばインテグリティの権化であるVAIOは、いまひとつ受け容れ難い部分をもった製品なのだ。 このいくつもの特殊キーを持つキーボードにも、そのスタイルが顕れている...といってもいいのかもしれない。 AV系の機能を充実させたTypeHシリーズの添付キーボードとして用意されたゆえに、このキーボードはいろいろな工夫がなされている。 キーボード頂部にある特殊キー以外に、キーボードカバーとして使えるパームレストを閉じるとメディア系の特殊キーが底部に現れる。ちなみにこのカバーを閉じた状態では、底部右にあるスイッチをカバーが押して、このキーボードの通常キー部への通電がOFFになるようだ。 デザイン的にはとてもよくできていて、感心させられることの多いこのキーボードだが、その操作感はというと、これはあまり見るべきものがないように思う。 打鍵感は典型的なゴム椀の感触で、軽快なタッチだ。ただ、底突きの際に「ぐにっ」というあの軋むような感触がある。 分解してみると、内部に一枚鋼板が入っているので、本体の剛性自体は高いはずだ。だが、キーを押し込んだ時の辺りが妙に不安定というか、スコッと当たる気持ちよさがないのである。 構造的にはだいぶ違うのだが、見た目や打鍵感があのメビウスジャンボと似ている....って分かるヒト、いるでしょうか? 蛇足だが、PS/2接続というのも、筆者にとっては意外な感じがする。 専用のマウスを接続するPS/2ポートも備えていて、キーボードからのPC接続ケーブルはコネクタが二股になっているのだが、AV系のPCでキーボードを移動させる機会が多いとすれば、USBにした方が安全だったのではないかと思う。 ちなみに筆者は、このキーボードを秋葉でよく行くジャンク屋で保護した。 帰宅して接続してみると、ESC/漢字/TAB/Q/A/Zが死んでいたが、分解してメンブレンスイッチをすこしずらして再組み上げしたら動作するようになった。キーボード表側から見て右上、インジケータ付近でメンブレンスイッチの配線が折り返されているので、この辺か、基板とのコネクタ部分あたりが接触不良だったのかも知れない。 検索してみると、同様のトラブルでSonyに交換を依頼したら、修理扱いで2〜3万かかると言われた方がおられた。同じような現象の報告が何件か見られたので、VAIOのキーボードに多いトラブルなのだろうか。 VAIOブランドのPCは、その独自機能をウリにしている点もあってか、他社の製品と比べても決して安い感じはない。 それならいっそのこと、1〜2万上乗せしてももう少し打鍵感のよいキーボードにしても良いのではないかと思う。逆に言うと、そういうところにお金と手間暇をかける姿勢があまり見られないので、筆者はVAIOよりThinkPadを選択し続けている...とも言えるのだが。 |