FKB66PU Folding keyboard "Papillon"
製造元 ダイアテック
諸元
キー配列 66keyUS Ascii
メカニズム membrane/rubber cup spring
備考 I/F:USB
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Junk Point 時代は無線だし
やたらと高級感漂う
ピーチスキン塗装
「流行に敏感」であることは、ステータスになるのだろうか。

そもそも流行は「大多数の支持を得た物」であるのだから、いわば「没個性」の見本といってもよいのではなかろうか。
それに、流行に敏感な人々が時を経てふと振り返った時、来し方にあるのは珍妙な存在に彩られた己の謎な姿の数々....ということになる。それも人間味のひとつともいえるだろうが。

筆者の場合、基本的には流行に疎い。

コンピュータ関連を趣味としている故か、知人には情報や流行に明るいように思われているのだが、筆者の場合、情報機器を用いて情報収集をしているというよりは「情報機器の情報を収集している」だけなのである。
某所でよく言われる所の「手段のために目的を忘れる」典型なのだ。

その上に、そうしたニッチな世界の中においても、常に「微妙に流行を外してまわっている」のである。
現在のホビーコンピューティングの流れはメディアとの融合であると思うのだが、筆者宅は未だに地デジ化が完了していないため、そっち方面の知識吸収はアナログキャプチャで止まったままだ。
また、今日のスマホの流れに乗る以前に「もどき」ガラケーを逝ってしまった。このマシンの出来がまた良すぎたために、嫉妬半ばに銀河や林檎を指をくわえてみている....という状況なのである。

そしてこのキーボードはというと、「かつては先端機器の補助デバイスだった」過去のとんがったキーボードだったのかも知れない。

ESCと「使わない御三家」が
右端ボタンに
筆者がW-ZERO3を購入した3年前、最も旬なPDAプラットフォームはWindowsMobileだったように思う。
PCとのシームレスで統合された操作性を、ポータブルデバイスで実現できる....逸般人の先進志向をくすぐるに十分な魅力を備えていたといえよう。多少のモサーリ感も「未来の可能性」というすぱいすとして.....
.....多くの例に漏れず、結局その可能性は現在の所可能性のままであるのだが。

ま、現在の評価はともかくとして、当時のWM5/6あたりのI/FとしてキーになっていたのがUSBである。

これが今日ならBluetoothということになるのだろうが、当時のBluetoothモジュールは無線LANモジュールと共に電力消費が多すぎて、Onにしたままでは数時間で電池を食い尽くしてしまうようなシロモノだった。

そんな中で、W-Zero3シリーズがWS007SHでUSBホスト機能を実装するに及んで、HIDとして注目を浴びたのが、このコンパクトなキーボード....ということではなかっただろうか。
小型だが
意外とタイト感のあるアクチュエータ
しばらく手にとっていると、この折り畳み式キーボードは、良くも悪くもFILCO製らしい不思議な雰囲気を持っているように思う。

キートップの大きさはフルピッチと言うには若干小さめで、かつてのB5サイズThinkPadぐらいの大きさである。
だが写真のようにシンプルなキーメカと薄型の構造にもかかわらず、意外にストロークが深くて打鍵感がハッキリとしている。

ただ、中央にI/Fを配置したために、キーは中央部に空白地帯を持つ左右分離型になっている。
ここに突っ立つように傾斜型I/Fを持つのは、多分PDAを直結するアタッチメントをつけるのが目的だったのではと思うのだが、「微妙にエルゴノミックぽ」なところが好みが分かれそうな感じだ。 以前にも書いたが、筆者もこうしたレイアウトはやや苦手で、ミスタイプが結構発生する。

上の写真にもあるように、筐体はなんとピーチスキン塗装だ。
現代の感覚からすると、携帯するためのデバイスとしては、無駄に高級な塗装だと思うのだがどうなのだろうか。
筆者の世代としては3桁ThinkPadの高級機を想い出させるなかなかの感触ではあるのだが、こうした「ユーザーの使い勝手の考慮よりも設計思想やこだわりを優先した」ようにみえるところがFILCOたるゆえんであるように感じるのだ。
中華パッドSL-7でも使えます...が(^^;)
......で今日に至って筆者が、HIDとしては「今さら」感の漂う携帯型USBコンパクトk/bを逝ったのは、言うまでもないことだが左の画像のような用途を想定してのことである。

サイズ的にはぴったりだし、タイプ感も筆者の好みとは微妙にズレていながらも悪い感触ではない。キーサイズもブラインドタッチには十分なサイズだ。

そんなわけで筆者の中華パッド弐号機SL-7に接続してみる....とりあえず動いた。
が.....ケーブルを引っこ抜くと、システムがフリーズして一切の操作を受け付けない。
USBモードを切り替えてから....これも切り替えと同時にアウトとなる。
つまり一度つなぐと、電源強制断→再起動しか外す術がなくなるのだ。これは....使えん。

そして現在、この蝶々は筆者自宅のデスクトップに接続されている。
本来の用途から思いっきし外れているが、それも対策が見つかるまでの一時しのぎだ。
....尤も、一時が常態化するのはよくあることだが。流行が一般化するが如く。

(2011/02/18記)

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