Logickeyboard Designed for Apple Final Cut
製造元/発売元 BSP Europe A/S / Apple corp.
諸元
キー配列 112keys/JP
メカニズム membrane/rubber cups
備考 I/F:USB
Junk Point 真・意識高い系マカー御用達
発売価格1.5諭吉ぐらい?

かつて、「ソフト」は高額商品だった。

コピーコントロールという発想と技術が未熟だったこともあるが、筆者がキュッパチをいじっていたころのソフト(といってもワープロ/表計算ぐらいだったが)は、いずれも10諭吉ぐらいが当たり前だったのだ(こちらにお越しのげしや〜さん達は当然ご存じだと思うが)。

時は移ろい、ダウンロードやアプリ内課金がデフォルトとなった現在は、ハードウェアのコモディティ化と相まって、様々なクリエイティブ環境が容易に入手できるようになっている。

そんな時代の流れに乗りながらも、相変わらずバカ高いアプリ使用料負担をユーザーに強いているメーカーも未だ存在する。
そう、動画編集とか画像編集とかドキュメント作成に特化した、あの〇カー御用達の「Aナントカ」というソフトハウスである。
その高機能さから、放送現場のメディアクリエイターから、歌舞伎町のお水従事者向け写真加工業者まで幅広く利用されているわけだが、一般ユーザーが容易と手を出せるような価格帯にはなかなかおりてきてくれていない。

ほぼ全文字キーに割り振られたショートカット
デンマーク製らしい

そんな中、数年前にPremireの開発者が生み出した動画編集ソフトが「FinalCut」ということらしい。
より軽量なコードで構成されたこのソフトは、お値段もかの重量級編集ソフトに比べれば、3.98諭吉とお値打ち?になっている。

ただ.....「MacOS専用」である本ソフトに、なにやら香ばしい印象を受けてしまうのは筆者だけであろうか。

そんなわけで、マカーでない筆者には、縁のないプロダクトということになる。
....本キーボードを除いては。

届いた本製品を、以前から所有しているApple MB110/JAと比較してみると、形状も配列も、全く同じキーボードであることがわかる。このカラフルなショートカット表示以外は。

同じPCに2台を接続して叩いてみる。筆者所有機固有の違いかも知れないが、MB110/JAの方が押下げ圧がかるく、タクタイルもマイルドな感じで、それに比べて本機はやや重く、タクタイルがかなりはっきりした感じだ。キートップが少し黄ばんでいる感じなので、ほぼ新品のMB110/JAに比べ少し使用感がある為かも知れない。

MB110/JAと並べてみる
キートップ以外は全く見た目が同じ

さて、問題のショートカット表示だが、筆者にとって「眼の賑やかし」以外の何の用途もなさない。
それに、よしんば使用するとしても、果たして憶えられるモノだろうか....と思わずにはいられない。

筆者は普段、動画編集(といってもアニメのCMカットぐらいだが)にTMPEGEncVMW5を使用しているが、その際に用いるショートカットと言えば、CM検出プラグインを起動するCtrl+Dぐらいだろうか。

それに比してこのFinalCut用キーボードは....「Y」「@」「_」を除く全ての文字キーにショートカットが割り当てられている。
キートップをまじまじと見つめると「なるほど、この機能か」とある程度わかる表示がなされているのだが、もちろんショートカット使いとしては、こんな表示をいちいち見ながら操作するのでは、ショートカットの意味が無い。

とすると、畢竟この全てのキーを憶えることになるのだが....一通り憶えてしまえば、これらの表示は無用の長物と化す...という、根源的なパラドックスを本製品は内包しているのではなかろうか。


本機でFinal Cutのショートカットを憶える

キートップを見なくなる

MB110/JAに買い換える


....なるほど、これが職人の「守・破・離」というものか。

で、その職人領域に達することもなく、FinalCut入りのMacProをオンラインストアで買った○カーYoutuberの方などは、本キーボードを購入して「はい、これで4K編集のビデオエンコードがなんと、数分で...」なんて動画でPVを稼いだりするんだろうなぁ、きっと(←偏見です)。




(2019/10/03購入、2019/10/14記、2019/10/15脱稿)

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