NEC PC-VP-KB09(KUF0552)
製造元 NEC Personal Products inc.
諸元
キー配列 OADG/109keys
メカニズム ゴム椀+メンブレン/一体型キートップ
指紋認証リーダー
備考 I/F:USB
Junk Point 横幅なげぇ
OA機器のコストは、ユーザーの使用形態と、メーカーのビジネスモデルのマッチングによって決定されるところが多い。

例えば、コピーの枚数によってサポート費用を決定するというビジネスモデルは、日本国内では富士ゼロックスが初めて導入したものだそうだ。
導入の際のコストが極めて高かった時代には、リーズナブルなソリューションだったのかも知れないが、機器のコストダウンが著しく進んだ今日では、ユーザーとしてはむしろ本体を壊れるまでノーサポートで使用した方が結果的に安くすむケースも増えてきているのではないだろうか。

一方、LenovoやDELLといったPCメーカーは、ドライバのダウンロードという一般的なサポートに加えて、部品の販売というハードウェアのサポートを行っている。
いわば保守の多くの部分を、ユーザーの自由な裁量と選択に任せているともいえる。

メーカーの手厚いサポートか、ユーザーの自由な選択か。

新規導入の際には、いずれも一長一短があり、一概にはどちらが良いとは決められないのだが(筆者の個人的趣味はさておき)、これが中古品、あるいはさらに進んでおぢゃんく品となると、勝敗既に決したり....ということになる。

以前筆者が使っていた(今も所有しているが基本的に放置)「パネリーナ」のまとめ板で、

”ガードラバーが無い状態のパネリーナを入手したので、NECに、メールで入手可能か問い合わせてみました。
すると、個人ではパーツは入手できないとのことでした。 がっかり。”


という書き込みに対し、

”当たり前だ…というか問い合わせるなよ…常識がないな… 困ったちゃんだ”

....というレスが付いていたことがある。
キー配列
NMBかSiltek製っぽい軸
指紋認証リーダーのドライバは?

ユーザーにまでこのような企業の営業施策や文化をすり込んでしまう元ガリバーNECだが、このPC-VP-KB09はNECの中でもさらにその傾向が強い事業者向け部門であるパーソナルプロダクツが提供していたPC用のキーボードである。
(ま、筆者も含めた前者のような方も、『部品を買って自分で直す』という『文化に毒されている』という意味においては同様なのだが)

当初この型番の鍵盤は全く検索に引っかかってこなかったのだが、NECの指紋認証デバイスのサイトを見ていたらこの辺りが引っかかってきた。 しかし、今改めて見返してみると、このサイトのキーボードとKUF0552はカーソルキーの配置が微妙に異なっている。

というわけで、またしても出自が言迷な鍵盤...というわけである。
背面のラベル
大須の路傍に落ちてあったのを300円で拾い上げたとき、鍵盤としての程度は上々....だったのだ。

多分リースアップ品なのだろうが、あまり使用感がなく、キートップもかなりキレイな状態だった。
ひょっとしたら放出された保守部品なのかもしれない。

実際打ってみると、やや押下圧が強めの、5576-B01に似たリニアなメンブレンキーボードだ。ただ、タイプ音は大きめで、ガチャガチャという感じの音質である。

キーボードとしての操作感は事ほど左様なのだが、この鍵盤にはもう一つ、指紋認証リーダという肝デバイスが付いている。

ここで(型番から推測して)兄弟機種であるLenovo KUF0452なら、サイトからドライバをダウンロードして....となるのだが、先ほども述べたようにNECパーソナルプロダクツでは「無料かつ自力で」などというおぢゃんくの常識が通用しない。....というか「ソフトウェアもハードウェアもサポートを経由」が常識なようである。かの企業では。

そのようなわけで、結局「横に無駄に長い鍵盤」として使用するしかないようである。当面のところは。


(2011/09/20記)

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