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製造元 |
Lenovo Corp. Fru:41A5269(他Fruアリ[IBM→89P9020etc.]) |
諸元 |
キー配列 |
109 OADG + ThinkVantage key/ UPEK TouchChip Fingerprint Comprocess |
メカニズム |
membrane/ゴム椀 |
備考 |
I/F:USB
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Junk Point |
300円鍵盤 |
「ソフトウェアの推奨環境」・・・考えてみると妙な言葉である。
通常、有形の工業製品はメーカーが喧伝するような基本的な機能を実現するのが当たり前であろう。
洗濯のできないランドリーや、生鮮食料品を1日入れておくと腐ってしまうような冷蔵庫はユーザーに受け入れられるはずもない(一部の○゚チもんを除くが)。
「乗り手を選ぶクルマ」などという文言があるが、それはあくまで消費者の選民意識をくすぐる煽り文句なのであって、もし本当に一般消費者が運転できない車などがあったとしても、そんなものは直ちにロードカーとしての存在を抹消されてしまうだろう。
ところが、特にPCソフトウェアの世界ではこの常識が通用しない。
パッケージを見ると「最低動作環境」と「推奨環境」が記載されているケースが多い。
この2者のうち前者は考慮するに値しないものであることを、筆者も含めたPCユーザーは常識として知っている。
そして、後者についても必ずしもアテにならないということも、経験上判っている。
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ThinkVantageボタン? (筆者宅デスクトップでは無反応) |
新しいOSが発表される際の両者は、おそらくOS単体、あるいは付属のチンケなアプリを走らせるにあたって....の条件なのではないかと思われる。
必然的に、プラットフォームに求められるのは土台としての役割だけなのだから、それにユーザーがアプリケーションを乗っければどうなるかは、素人でもわかろうというものだ。
それ故に、多少なりとも心得のあるPCユーザーは、少しでも快適にソフトが動作するハードウェア環境を整えようと散財を繰り返し、ようやくどうにか満足のいくシステムを組上げる頃には、また重さを増した新しいバージョンのソフトが発表され....という、ソフトとハードのインフレスパイラルが回り続け、タトえ首さん達の台所では火の車が高速回転することになるのだ。
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さて、ソフトの方はそんな塩梅なのだが、こちらのキーボードはハードメーカーの方の「推奨(=preferred)」キーボードだ。
この手の「メーカー推奨の純正付属品」については、正直な所どのメーカーを眺めてみても「コストダウンの成れの果て」の「安モン」で「使い捨て感全開」なシロモノが揃っているように思えるのだが、さて実物はどうなのだろうか。
Lenovoのサイトを見ると、ThinkCentreなどのデスクトップシリーズに付属する純正キーボードのようだ。
「プリファード・プロ」の名称を持つキーボードはIBM時代にも存在していて、当時は筆者所有のものとは違うFru#であった。
Lenovoの現行のデスクトップ向けフルキーボードは、TrackPointのないタイプがもう1種類「エンハンスド・パフォーマンス」キーボードがある。大仰な名前だが、こちらはマルチメディアキーがついているだけ....のようだ。
以前にも指摘したように、IBM/Lenovoの日本語直販サイトは周辺機器の画像がサムネイルサイズで詳細がわかりにくいのだが、デザインとしては一貫して変わっていないように見える。
オーソドックスなメンブレン/ゴム椀式の109keyOADGフルキーボードに広めのパームレストを持つため、専有面積は比較的大きい。
一応Lenovo機用にThinkVantage(IBM時代はAccessIBM?)ボタンがついているが、筆者はこの手の特殊キーをわざわざ利用するのが面倒くさいので、特にユーティリティなどは入れておらず、単なるお飾りになっている。
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裏面にはケーブルを伝わせる溝が3経路ある。
「プロ」の使用を考慮してか、チルトは2つのスタンドがついていて、大小いずれか好みの傾斜がつけられる。
もっとも筆者はLCDのスタンドをまたがせる必要があるので、どんなキーボードでもチルトスタンドを高く立てる事になる。
筐体はプラスチックで、手に持った重さからすると、多分剛性を上げるための鉄板を持っていないと思われる。しかしチルトに大きな荷重をかけない限り撓みはせず、割としっかりとした剛性感がある。
ただ底面もチルトもゴム脚をはいていないので、滑りやすい卓上では少し安定感を欠くかも知れない。
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肝腎の叩き心地は「可もなく不可もない」良くも悪くも標準的なゴム椀式のそれである。
SpaceSaverIIとストロークや押下げ圧などは似ているような気がするが、NMBの「ポクポク」という独特のクリック感よりもコンタクトの時の当りが弱い感じで、「ぐにっ」と押すような感覚が指に残って、クリック音やクリック感を頼りとする筆者などは、タイピングののリズムをやや作りにくく感じる。
高速で入力しようとすると、叩くより押す感じになるので、構造的な特徴も相まって静かな打鍵音となる。
ネット上ではこの辺を評価する声もあるので、そういう意味では「多人数のオペレータが黙々と叩き続ける」という環境のプロユースに向いていると言えるかも知れない。
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現行モデルのプリファード・プロは、指紋認証リーダの有り/無しだけでなんと1樋口の価格差がある。
確かに別になくても困らないというのが正直な所だが、あれば便利な機能だとも思えるし、微妙な所だ。
筆者のように大須のグッド○ィルで高額○炉ポン価格で購入したのであれば、指紋認証リーダーとしてだけ使用するのも有りだ。
.....そう、残念ながらというか、筆者宅の「普段使いのキーボード」群に、プリファード・プロは入っていない。
1年以上も前にげとしたのに、ここにレビューも書かずほったらかしだったのはそういう事情なのだ。
この鍵盤の、筆者宅での「普段使い」の姿は、LCDパネルの右側面に立てかけられた状態なのである。
何の目的で....というと、「LCDから見て右側面方向に筆者自室の光源があるため、大柄で平板な筐体を利用してその映り込みを防ぐため」というのが公式見解である。
別に横でくつろいでいる奥たんに、○○○鑑賞中、あるいは○○執筆中であることを悟らせない為ではない。決して。いや、ホントだってば。
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(2011/03/29記)
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