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思ったより多くのLEDライト ....だが空きホールが気になる |
尤も、東アジアの3大産業国いずれも、それぞれに問題点を抱えているといえる。
日本は、高く独創的な(特に微細な分野での)技術を持ちながら、ドイツのようにそれを世界基準として広げる戦略を欠いている。また現在の国内経済状態と不釣合いな通貨高も、新技術を開発する上で重要な国内生産拠点への投資を控える最大の要因となっているであろう。
韓国は現在のところ、投資と利益の回収がうまく循環しているように見える。だが国内産業の寡占化は一時的に対投資効果を高めるかもしれないが、長期的に見ればイノベーションを生み出しにくい構造へと向かう不安要因を内包しているのではないだろうか。その結果として、後に続く開発途上国の追い上げを受けやすい産業構造を有しているともいえる。
中国に関しては、1970年代の日本が抱えていた問題をそのまま写したような状況に見える。減速しているとはいえ8%を超えるGDPの伸びは、今日の世界の景気動向からすれば驚異的であるが、それはつまり、失業保険や健康保険、あるいは公害対策などの社会保障負担を留保しての結果である可能性が高いと感じる。
我が国日本が高度経済成長を経て、重い公害対策費用(設備投資および公害被害者への補償)というツケを逐わされた結果、長期的に見れば、そうした社会投資を先んじて行いながら緩やかな成長を続けていた北欧諸国の経済成長率とあまり変わらなかったという過去の事例に重なる。
さらに中国の場合、基本的人権の保証に関する法的整備がなされていないという根源的な問題があるため(プロレタリア独裁の国家で労働者の権利が保障されていないというパラドックス)、国家や企業といった巨大組織によって被害を被った国民が、法律に基づいて補償を求めることが困難な状況にあるといえよう。つまり何らかの「抜本的な社会改革」が行われない限り、日本が辿った「社会保障の充実した、高い技術力を支える『分厚い中産階級』を有する工業国家」という道筋をなぞるのは難しいかもしれないと思われる。
こうした状況の下、今しばらくは"Concept & Designed by Korea or Japan, Manufactured in China"....という図式が続くのではないだろうか。
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