focus FK-2000Plus
manufactured & distributed by Focus Electoronics Limited (that might be ruined)
諸元
キー配列 107keys /ANSI
メカニズム Simplified Alps SKCM compatible/White Axis
I/F AT(XT)
備考
Junk Point パチでもキモティー

この「Keyboard Junky」コーナーが親サイトである「Junk Junky」から分離独立して、今年の12月28日で満11年になる。
新生ソマリア連邦共和国が成立したのが2012年であるから、かの世界一アナーキー国家より4年も長い歴史を誇る由緒正しいサイトと言えるであろうか。知らんけど。

その間、筆者が漁ってきたキーボードのレポートを続けてきたのだが、分離独立以前から筆者は自身のサイトに対し、ある忸怩たる思いを持ち続けている。

それは....先達たるサイト管理者の皆様のような、「格調高い文章」も、「技術的に深く掘り下げた考察」も、「各分野における広汎かつ客観的な比較データ」も、何も持たない....つまりは、素人が「聞きかじった生半可な知識」を元に、「手元に届いた機種に限定された狭隘な主観データ」を、「比喩や揶揄をこねくり回しまくった駄文」としてダラダラ書き連ねただけのレビューモドキなのではないのか....ということなのだ。長らく読んで下さっている方が居られるとすれば、何をいまさら...と思われることと思うが。

キー配列
(上)開閉/取り外し可能なダストカバー
(左下)そのステーは筐体補強も兼ねているかも/(右下)脚は二段構成

それにしても、以前はもう少し状況がシンプルであったように思う。
すなわち、接触式物理スイッチとしては「メンブレン・Alpsスイッチ・Cherryスイッチ・東プレキャパシティブ」と理解しておけば、生半可程度のレビューであれば構成することができたのだ。

それが....ZFの特許が切れた現在においては無数の互換スイッチが存在し、とても筆者のトリアタマに詰め込めるような種類ではない。それこそ毎週末に遊舎工房に通い詰めて教えを乞いでもしなければ、全くフォロー不能なカオス状態に思われるのだ。

もっとも、筆者も多少努力をしようとしたことがないわけではない。
それは「客観的な比較データ」を出そうとしたことである。

「んなもん、どこにあった?」
「みせてもらおうか、そのデータとやらを...」

と仰った常連の貴方。

そう、貴方は正しい。
まだ、出来てません。そのデータとやらは(火暴)。
ていうか、もう無理かも知れません。正直しんどいです。

....で、それはなにかと言うと。
「筆者自身が叩きだした『キーボード別・タイピングハイスコア』」
である。

具体的には、このサイトを使用して、筆者が所有する全てのキーボードにおいて、「3回タイピングテスト」して、そのハイスコアを得点とし「タイピング速度が最も上げられるキーボード」ランキングを作成しようとしたのだ。

ウラのツメ3つ+手前のフックを外すだけで簡単開筐?

筆者自身、この企画は割とヒットだ...と思った。
実際やってみると、「速く打てる『感じ』と、実際の『速さ』は違う」のであったり、「リズムが作りづらい(=打ちにくい)」と感じるキーボードが意外に高速に打てていたり...などということが分ってきたのである。

しかしながらただひとつ、そしてクリティカルな問題があった。「筆者の経時劣化」である。

筆者自身は自分のタイプスキルにそこそこ自信があったし、今後もそうであり続けるであろうとおおよそ確信していた。
だが....数ヶ月のスパンで見ても、手の動きの速度や正確性が、微妙に損なわれていくのが分ってきたのだ。

結果として、本テストを以て「客観的な比較データ」を出す目論見は、頓挫を余儀なくされている。

そして2019年の本年、筆者の劣化が更に進行するのと共に、筆者が「打ちやすい」と感じるキーボードも、かつての「タクタイルでロングストロークのメカニカルSWまたはバックリングスプリングSW」から、「ショートストロークの軽荷重メンブレン」へと変貌しつつある。やれIBMだ、東プレだ...と騒いでいた筆者にとって、これは由々しき事態である。

(左上)恐怖の大王が来なかった翌月に誕生/(右上)keyboard BIOSと周辺
上部筐体ロゴ直下にXT/AT切替SWが配置されている。開筐しないと操作不能

そんな中、かつての「非メンブレンSW崇拝者」であった若かりし(?)頃を忘れられない筆者が購入したのが、この「FK-2000Plus」である。

....と書いたが、いやそんなに思い入れがあったわけではないです。

たまたまイ意で、ものすごく安い開始価格が提示され、開始から数日経っても入札がない為「これはよいメカニカル」とばかりに「まずここまでは上がらないだろう」と思われる価格で入札、必勝を期したのだ(同時期に競り負けたブツがあったこともあり)。
で....約1.4諭吉という「(^上記)までキッチリ上がりきった」価格で落ちてきた。

想定外の出費となった本品だが、筆者の感想としては「悪くない」...というか、結構よい感触のキーボードだ。

DESKTHORITY WIKI、およびその他の達人サイト様によれば、本機に搭載されているAlpsスイッチは、台湾のメーカーに製造委託されたかなりの簡素化品であり、経年劣化によってスムーズな動作が著しく低下する可能性が有る模様だ。

しかし本機については、タクタイル音がかなりやかましいが、動作の渋りやチャタリングなどは特になく、製造から20年を経過した今日の状態でも問題なく動作している。

(左)FCC取得が発売より3ヵ月ほど遅れたらしいw
"DESKTHORITY WIKI"によればSKCM互換の簡易白軸とのこと

本機は画像のごとく、カーソルキーが上下左右だけでなく「diagonal」方向も備えている。
...といっても、現在のWin10機につないでも、「一文字上(下)+一行上(下)」の動きにはならない。

一方、「Turbo」キーはF1〜F12とのコンビネーションで、2〜180キャラクタ/秒のリピート頻度調整が可能となっている。
...で、こちらもどうやらWin10では動作してくれていないようである。結局、この区画は筆者にとって特に役に立つものではなく、むしろカーソルの移動に手間取るありがた迷惑なキーセットとなっている。

筆者が落札した本品も、DESKTHORITY WIKIに掲載されていた外箱に入っていた(残念ながら説明書はロストしていたが)。

で、筆者の落札価格である1.399諭吉は、いったい妥当な価格だったといえるのだろうか。
ちなみに、海外のkeyboardBBSに上がっていたエントリーには「15$でオークションに出てたけど、買ったほうがいいんだろうか?」という問いに対し「即ポチだ!」とのレスがついていた。そのくらいしか情報がなかった、イニシエの鍵盤....といってもいいのではないだろうか。
まあ、筆者としては現在でも打ちやすいと思うので、とりあえず満足なのではある。



おまけ

文字キーレイアウト
「\」だけ微妙なANSIだがKEYBORD PC2と同じ位置と思えば...


(2019/09/22購入、2019/10/20記)

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