EPSON BFKBPS2
製造元/発売元 セイコーエプソン/東プレ
諸元
キー配列 82keys(Main) + 48keys (numeric)/JIS
メカニズム 静電容量無接点式
備考 I/F:PS/2 x 1(for PS/2mouse only)
キーピッチ : 19mm
ケーブル長 : 2.5m
サイズ : W485×D255×H36mm
重量 : 約2kg
Junk Point ゴツイわりにセセコマシイpart2

「業務用」というワードは、一般の方々にとっても魅力的に感じるものなのだろうか。

中堅都市に「業務用スーパー」が必ず一軒や二軒は存在するのも、それを証明しているのかもしれない。経済効率や、作業効率を求める「プロフェッショナル」向けのスペックが、一般向けとは差別化された商品との印象を与えるのであろう。

他方で、世の中には「オーバースペック」という言葉も存在する。10kgのブラジル産チキンブロックの肉塊を購入して食べきれず、冷凍庫を不必要に窮屈に使用していた今は亡き筆者の義父や、野菜の無人販売を始めるためにボックス式の無電源型自動販売機を購入したが有効利用せず、結果として野晒しにしていた今は亡き筆者の義父などはその好例であるかもしれない。
全く血を引いていないが、姻戚として彼と繋がっている筆者が法人向けおぢゃんくを大須やイ意でかき集めては家をゴミダメ保管庫にしているのも、その系譜と言えるかもしれない。うん、きっと引き継いだものだ。筆者の生まれついての性癖ではないだろう。

本体+10キーの連接型
それぞれにserial#がふってある

尤も筆者は、高額なプロ機に手を出したりすることはほとんどない。ていうか、手が出せるような経済力を有していない。入手するプロ機は、ほとんどが実戦を外れて、あとは廃棄を待つばかりのセカンドライフマッスィーンばかりである。

以前よくお世話になったキーボードなどのPC周辺機器販売サイト「VshopU」で、筆者は本機EPSON BFKBPS2 を知った。
エプソンの経理マシン用に開発された本キーボードは、Topreのキャパシティブスイッチを使用した重量2kgの大型鍵盤で、当時でも一般鍵盤と比べると常識外の価格がついていたことは記憶している。
当時筆者も何度か購入を検討し、その用途とあまりにも高額ゆえに、流石に思いとどまった。

そして10年以上の時が流れ、かのサイトからも多種扱いのあったキーボードがほぼ消え去った2018年の今日....筆者宅で本機が「職業用途」として就役している。いや、まあ本来の「経理業務」とは全く違うけど。

もっとガッチリと連接されているかと思ったが意外にヤワヤワ
しかし重量ゆえに動揺はない

筆者は発売当時の価格を「5万円」と記憶しており、そのような高価なキーボードを「わずか一万円」で入手したことを周囲(のごく限られた人々)に吹聴して回っていた。
....が資料を漁ると、正しくは68,000円+TAX=7諭吉という、筆者のあいまいな記憶を上回る額だったことが判明した。本機には全バージョンともいうべきモデルが存在する。EPSONの財務管理システム「InterKX」付属の「IterKX IKXFKB」であり、こちらは98,000円というさらに目玉の飛び出るような価格だったらしい。

最近になってやふおくを検索すると、なぜか本機がちょくちょく出品されていて、気にはなっていた。1点めの日焼けしてない出品にも入札したが競り負け(2諭吉以上になってしまった)、入札筆者のし、価格は新品1/7の1諭吉で落札したのである。上部筐体が操作説明プレートの型抜きで日焼けしているのは、日当たりのよいオフィスで使用されていたせいであろうか、あるいは夜間も作業のデスマーチ事務所にいた所以か。

PS/2ケーブルは直付け
途中からKB/mouseに分岐する

その大仰な筐体は、見ての通り文字入力部(以下本体)とNumeric Unit(以下10キー部)をステンレスブリッジでつないだ連結構造であり、重さ以上にその設置面積が用途を制約してしまう。
10キー部はPS/2接続で本体に接続されており、もちろんこれを本体左側に設置したり(左利きの方用とのことだが....そうか?)、外してテンキーレスキーボードとして使用もできる。ただ奥行きも25cmと大ぶりなので、結局ある程度デスク面積は必要となろう。

10キー部には「AltOn(Lock)」「ShiftOn(Lock)」「CtrlOn(Lock)」キーが装備されている。10キー部にも別途装備されているFn1〜12の左側に配置されていることを考えると、これらと組み合わせての使用が想像されるが、残念ながら(?)各キーのロックは排他である。

そして、別途資料を見るまで迂闊にも気が付かなかったが、BackSpace/Delキー群とカーソルキーは10キー部に載っかっている。
つまり、10キーを分離すると、これらのキーが使えなくなるのである。よって、10キーレスのキーボードとしては非常に使いにくいものとなる。
尤も分離したところで、省スペースになるわけではないので、このままフルキーボードとして使うのが基本なのだろう。

(左上)Alt/Shift/CtrlのLockキー(右上)LEDの仕込み方
(下)mouse接続専用PS/2ポート

「InterKX」付属のキーボード「IterKX IKXFKB」は荷重45gとなっている。本機もこれに準ずると思われるが、筆者の主観では(所有機が中古である影響を除外できないが)もう少し軽いように思われる。

打鍵音はやや大きく感じられるが不快ではない。ただ、筆者機固有の現象かもしれないが、スペースバーだけやや音質が違い、「ガタガタ」とややにぎやかな音がする。
筆者所有のRealForceと比較してもそうなのだが、購入と相前後して、最近主流となりつつある、Topreの第2世代静音キャパシティブ採用機を試打する機会が有った。 こちらとは音質/音量とも明らかに違う。もちろん経年劣化ゆえである可能性は否定できないが。

文章を入力していると、筆者の最近の癖と合わないのか、左手の領域が少し窮屈に感じる気がする。キーのガタつきなど動作に関しては、表面の汚れから想像される経年劣化などはなく、上述のごとく少し打鍵音が大きく感じられる以外はさすがキャパシティブと思わせるスムーズな打鍵感となっている。
筆者はしばらく十字配列のカーソルキーを使っていなかったので、慣れるのに少し時間がかかった(ていうか、まだならし途中)。
PageUP/DOWNおよびBackSpaceキーが、テンキーのグループに移動している。また、テンキーの「1」の下が「000」になっていて、うっかりたたいてしまいそうになることが何度かあった。

上記数点の問題点を除けば、本体の配列はWin2000/98が本流だった頃のWindows用キーボードそのものである。
筆者はここ数日、業務の記録を本機で書いているが、使うほどに入力のしやすさを再確認しているところである。
故に筆者のそうしたところが「業務用機を中古品販売店で購入し、経費節減に努める『健全経営の中小企業経営者』」らしいと自負するところである(...のか?)




(2018/09/25記)

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