ASB-KY1 Wireless keyboard
Across ASB-KY1(ASB-24JK) Wireless keyboard

製造元 言迷(国内販売元:アクロス)
諸元
キー配列 日本語/91keys+Fn(Winx2,Contextx1)
メカニズム メンブレンスイッチ/ゴム椀式
大型スティックポインタ
備考 I/F:2.4GHzRF無線
Junk Point 爆発的加速
備考 人間の動きは本来リニアなものではない。自身の感覚では等速運動をしているつもりであっても、実際には細かな加速と減速を繰り返して、機械の「ぎこちない」リニア運動とは違う「滑らか」なノンリニア運動をしている(その動きを可能にしている筋繊維が、構造的にリニアアクチュエータと類似しているというのが興味深い)。

したがって、そうした自身の動きに連動する感覚もまたノンリニアな存在である。ある地点から別の地点へと対象を動かす運動において、等速な直線運動を「不自然な動き」と捉えてしまう。自分の加えた力に応じて対象が加速・減速を行う不等速運動こそが、人間にとっての滑らかな動きと感じられるものなのだ。

筆者はこのコーナーで、ポインティングデバイスとしてのTrackPointの優秀性を繰り返し主張してきた(?)のだが、残念ながら機械運動を人間の感覚にシンクロさせるという一点においては、「動きを増幅する」というスライドパッドに比べ「力を動きに変換する」という構造上、一歩譲らざるを得ないというのが正直なところである。

だが、TrackPointII〜III〜IVと、各世代のTrackPointを使ってみると、確実に人間の感覚へ近づくようチューニングが施されてきているのがよく判る。
それは急激にポインタを動かしたときのカーソルの反応と、逆に手を離した瞬間に停止する動きに如実に現れていると思う。

人間の神経や筋肉ほどに急激に反応できない圧センサーに、加減速ロジックで加える補正の程度が年々進化してきているのである。「TrackPointで手書きは無理」という記事をどこかで読んだが、このライターはTrackPointIIあたりを使っているのではないかと思うほどである。電磁パッド+スタイラスならともかく、描線開始ポイントを特定しにくいスライドパッドよりよほど手書きに向いているというのは筆者だけだろうか。

....で、その秀逸なTrackPointが巨大キノコ化したような、このキーボードである。

スティックポインタがホームポジションから遠く島流しに遭っていることについては特に言うべき事はない。ていうかこんな物が「G」「H」間に突っ立ってたらどうするよ?って感じだ。

そもそも筆者がこのキーボードを購入したのは、ウチの怪獣ドモでも操作できるようにゲーム型(....にしては中途半端にチビんこだが)のスティックが装備されていて、しかもワイヤレスであるという点を評価したからだ。右手でスティック、左手でキー.....下チビが現在萌え萌えな「VirtuaFighter5」のコントローラにどことなく似ている(?)ではないか。

筆者のキライなEnterキー右へのキー回り込みがあるが、タッチは悪くなさそうである。筐体も割としっかりしているので、普通のノートPCと比べてまずまずの操作感であった。

だがそうしたプラス評価は、ポインタを操作して瞬時に崩壊した。

スティックポインタの加減速補正は本質的に操作の開始/終了時と、圧変化時に行うべきであって、等圧時に行うべきものではない。ましてやそれが、重力の呪縛を脱して宇宙の彼方まで吹っ飛んでいきそうなものであったとしたら....いくら筆者が過給機好きと言っても、それはクルマにおいてのことである。

今にして思うのだが、筆者は「た〜ぼ」が名につく物体に手を出して酷い目に遭った経緯がある。相変わらず自爆好きな筆者である。しかも同じ店に\1,000も安い他ブランド同機種がラインナップされてるし。

(2008/12/30追記) 購入当初、無線LANとの干渉やポインタの○○なことに気を取られて、キーボードとしての使用感をほとんど試していない事に今気が付いた。

本機の厚みからしてパンタグラフ式だとばかり思っていたのだが、キートップを外してみると何とゴム椀式であった。
ストロークの割にキートップのぐらつきが少ない。ゴム椀式としては結構良くできた構造かも知れない。

スペースセービングな日本語キーボードでありながら、右二列の文字キーが他の文字キーと同じ大きさである点もプラスである。だが、Enter/Backspaceの右に回りこんでいるキーがやはり筆者としてはとても気になる。特にBackspaceの横のHomeキーをよく叩いてしまう。Enterの横のPgDn、『」』の横のPgUp,『↑』の横のEndとともに、この辺はFnとのコンビで他のキーと共有にしてくれればよかったと思う。
横長のEnterキーと『」』を考えると、元々US配列で設計したものにキートップとアサインだけ変更を加えたモノなのかも知れない。

筆者のデスクトップ用コンソールは、狭いデスクとデカイ画面のコンビネーションとなっている。
そのため、有線キーボードだと筆者の目の位置が画面から遠くても50cmほどしか離れないことになってしまうのだ。

これは遠視+目眩持ちの筆者としては結構つらい。ワイヤレスで1mほど離れた位置から打つのは、実は筆者にとって非常に楽であることに今このキーボードを使ってみて気が付いた。
....やはりマジェスタッチのBluetoothを逝くべきか。迷えるところである。ってこのキーボードをどうするんだ?

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Junk Junky