SHARP SH-03B
製造元
発売元
今は亡き(をぃ)SHARP
NTT Docomo inc.
諸元 3G/symbianOSガラケー
   /w 45keys + ATフィールド型パッド スライドキーボード
Junk Point 熟成の六年モノ
以前から何度も述べていることだが、筆者は節操もなく手当たり次第珍品(新品であることは少ない)を逝きまくるダボハゼ的志向を有する一方、たまたま選んだアイテムがフィットすると、何年間にもわたってそこに居座ってしまうという側面も併せ持つ(これとか)。

しかし特定の電子デバイスに耽溺するユーザーの世界と、それを取り巻く外の環境とは、時間進行の異なる異空間、いわば現世と竜宮城のようなものである。
ましてやここは現実世界だ。如何にゾッコンであっても、乙ちゃんは早晩オバヤンになりガタが来る。
もはやコレまでと、泣く泣く愛しいカノジョ(?)の代替を求めて周囲を見回すと....自らの全くあずかり知らぬ新技術の氾濫を目の当たりにして右往左往するということになるのだ。

スライドKB開くと点灯するLED
初号機を意識したデザイン(嘘)
2015年8月、溶けるような暑さの大須で、筆者は珍しく中古スマホショップを巡回していた。
発売と同時に即買いし、以来6年間使い続けたSharp SH-04Aに、ついにおかしな兆候が現れ始めたのだ(頻繁にリセットを繰り返す、気がつくと電源が落ちている)。

一般人的に考えれば、ここはスマホへの機種変一択であろう。
しかし筆者はスライドキーボード付にこだわっていた。外付けも含めて考えると...あ、あの爆発するスマホか。いやないなその選択は。
そんなこんなで、SH-04Aの中古を探すことに相成ったのである。
ちなみにここにも書いているとおり筆者はiPhone4sも所有し、スライドBTキーボードを装着し使用しているのだが....筆者はかなりのオサイフケータイヘビーユーザーだ。というわけで、そちらの側からもモデルが搾られてしまうのだ。

しかし発売からすでに6年、もはやヤフオクでも程度の良いモノを見かけることが稀になった機種だ。
お店にあるはずが.....あ、あった(火暴)。
ショーケースにはSH-04A本体のみと、それに並んでこのSH-03B箱・クレードル付。
....で、後者を持ち帰った。しめて4980円。...嗚呼なぜだ。

それはともかく、すぐに移行すべきところだったが....どういうわけかIYH直後から、瀕死状態と思われたSH-04Aが息を吹き返し、「まあいいか」とそこから放置すること3ヵ月が経過した。

10月に入り「さて、そろそろ機種変だ」と操作に取りかかった筆者。早速Edyアプリを...「SSL/TLS通信が無効です」あれ?
何度やってもうまくいかない。そもそもアプリサイトに入れないのである。
.....NTT Docomoから、「サーバー証明書の切替による影響について」なるステートメントが発せられてから、3ヵ月が経過していた。
以来、息も絶え絶えの乙BBA..いや姫・SH-04Aは老骨に鞭打っての現役続行を余儀なくされ、この輝ける文鎮は筆者PC卓上に無造作に放置されることとなった。

(左上)当時でも「酷い」と定評だった5.2Mカメラ/(右)KB比較
(左下)微妙にキー位置が違う。慣れなんだろうなぁ...
そして時は流れ。

ついにSH-04Aにもその時がやってきた。ていうかトドメを刺してしまった。
先日、通算何十何回めかの落下試験を行った後、数字キーパッドの4〜6の列がほぼ反応しなくなってしまったのだ。着信に出ることは出来ても、かけることが出来ない。

Edy以外はほぼ仕事と家族との連絡にしか使ってないので、即座に機種変が必要になった。とすればXperia Compactぐらいしか選択肢がないか。...ああ、こんなに萌えない電子機器散財はいつ以来だろう。

やや黄昏れながら近隣のドコモショップに在庫を確認する筆者。とそこへ、事情を知っていた同僚が休憩から戻り、PCを叩きながら言った。
「もこっちさん、朗報です!」
彼が指差す先の画面では、iPhone7の画面上で見慣れたペンギンが鎮座ましましていた。

iPhoneのFelica対応。

ほとんどのメディアで「驚きがない」「ビミョー」などと報じられた7の発表だったが、その一点のみで筆者の物欲はMAXに達した(アタマに葉っぱは生えていないが)。予約開始は明日金曜日の16:01。筆者職場において超多忙の、週末夕方営業開始30分前だ。さあ、どうする。...

「息子、お前が並べ」「今のところはEdyダメか...でもまあそのうちアップデートで対応も変わるかも」「ちょっと出てくるので、忙しいと思うけどヨロシク」「待てよ、TouchID操作しながらのタッチかよ、ダメじゃん」「んじゃ、今日の内に残高使い切るか。あと12000円...おい、このコンビニで好きなモノ買っていいぞ」
....あっちこっちに迷惑と馬鹿騒ぎを振りまきつつ、初めてマタドールの前に引きずり出された闘牛のように思考のコロセウムをウロウロし続け....そうして迎えた当日の朝。

とりあえず、回線だけでも使用できないと困るので、と久しぶりに文鎮に火を入れてみた。
当然のことながら使用できる。...一応Edyも試してみるかな。どうせダメだろうけど。

「入るやん」

一応オンラインからの残金移動はできた。ていうか、あんときのSHA-2問題はどうなった。
あとはクレジットカードからのチャージができれば、何の問題もない。(→当日午後談:何の問題もなかった)
財政逼迫の折、今まで使ってきたSH-04Aの操作性ほぼそのままのマシンに、出費もなく環境移行できそうだ。よかったよかった。

.....だけど何だろう、このモヤッとした感じは。

手元に残ったのは、この6年前発売のガラケーと、OSを9.3にアップデートし、LINE起動に20秒余りを要する柔銀行の林檎電話4s。

だがまあいいだろう。しばらくはこの乙ちゃんの妹と、鬆が入り始めた林檎と共に、竜宮城での生活を継続することになりそうである。筆者が現世の喧騒に帰還するのはいつの日であろうか。




全く入らなかったEdyアプリが一発
ガラケーユーザーから苦情が殺到したのだろうか



(2016/09/11記)

Junk Junky