ウリトス便器
製造元 杏林製薬
諸元 フェライト磁石付便器
Junk Point 水に流しておこう
備考 人類社会に文明が発生して以来、リテラシーを具現化する手法はほぼ変わっていないのではないかと思う。

今日でこそコンピュータをはじめとする情報機器がその一翼を担うに至ったが、それでもなお紙やそれに類する記録媒体に、ペンという記録デバイスで記入する方法が多く取られているといえよう。

以前に別のコーナーで工業製品について言及したのだが、革新的な技術が導入され難い分野では、ちょっとした工夫が勝敗を分けることになる。

「文具」業界は、こうしたプチイノベーションが最も発生しやすい場所であろう。

『アジア最大規模の展示/商談会』をうたう「文具・紙製品展」には、こうしたプチ技術を競う国内外のメーカーから、膨大な数の実売品/試作品が集結する。実用的/非実用的を問わず(....問わなくていいのか?)。

筆者が最近「これは実用的」と思った製品は「何枚挟んでも吸着力の落ちないアーム付きマグネット」と、ここで紹介されている「はみ出した修正テープを消す消しゴム」あたりであろうか。

いずれも大量の書類をクリップしては崩落を繰り返すズボラ者で、かつ作業が立て込むとパニクって作業精度が極端に落ちアンドゥ/リドゥを繰り返すアワテモノの筆者にぴったりのアイテムだ。

一方で目が点になったアイテムの代表が、こちらのトイレだ。

機能は至って単純、マグネットだ。

カミさんは「水が流れるの?光るの?ビームを発射するの?」と聞いてきたが、そういう機能は標準では一切装備していない。

そのかわり、ディテールには無駄に凝っている。

それこそ機能的には付属部分であるところが重すぎて、紙一枚でもマグネットで留めようとすると落下してしまうほどに。

便器の蓋とともに便座もちゃんと可動式だし、便器の中にはダミーの水も張ってある。

水タンクの上に乗せてあるハードカバーには名作のタイトルが入っている("Gone with the wind")...さすがにページはめくれないようだが。それに"Wind"ではなく"Water"の方が適切だったかも知れない。

このトイレを開発した会社名が記されている。どうやらここに紹介されているヤツの簡略版のようだ。音が出せるバージョンとは、これまたうらやましい....こともないか。

ガチャポンを見たら反射的におねだりするちっちゃいモノ倶楽部会員のような人にはいいかも知れないが、このオクスリの適応症である尿漏れで診察に訪れた方が診察室でコレを目にしたら、反射的に尿意を催すのではないだろうか。

(2010/02/27 記)

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