286用PLCC→PGA変換下駄 |
---|
![]() |
|
---|---|
製造元 | エー・ビー・エム |
諸元 | - |
Junk Point | うちはPGAなんすけど |
備考 | 当時まだ敷居の高かった秋葉ラジオデパートで、筆者はそれを見つけた。 「す、すみません....あの....これって...いくらですか?」 大胆にも筆者は尋ねた。それはそうであろう。\158,000とラベルの貼ってあるそのCPUアクセラレータ「ABM 486SLGT-MKⅡ」は、そう簡単に手を出せる代物ではなかった。 怖そうな(と当時の筆者には見えた)お店のおっちゃんは答えた。 「ああ、それね。\90,000でいいよ」 「・・・・?!」 今にして考えれば、海千山千のジャンク屋オヤジである。おかしいと思わなければいけないところなのだろうが、「半額近くまで値切った!」と筆者は舞い上がってしまっていた。 でも一応もう一声かけておいたほうがよいだろう。「あ、あ、あの....そうですね....うーん....\85,000ぐらいにはなりませんか?」 「ああ、いいよ。\84,000にしとこう」 なんて太っ腹な人なんだろう。筆者は夢見心地で大枚をオヤジに渡した。 ・・・・後継の小型アクセラレータ486GT-Rが\30,000で発売される1週間前のことである。 さて、このアクセラレータ「ボード」といってよい巨大な装置は、純粋なCPUだけのベンチで対286比1.3程度の高速化を図るために、多大なメンテと数知れないHDDクラッシュを要求した。電源電圧を微調整しないとまともに動かない。エービーエムに本体ごと送ること3回、結局当のチップがCyrixからTiに変わって帰ってくるという体たらくであった。 大体10cm四方もあるような基板を、68pinの286ソケットに補助具なしで装着しようというのが無理がある。ましてやこんな下駄を履かせたらどれほど不安定であったことだろうか。 この下駄をよく見ると、「386SX-GT」というこの製品の1つ前のモデルプリントが入っている。同じバスで動くCPUだったからこんな流用が利いたのだが、486でこの程度だったから、386SXではほとんどスピードは変わらず、単に386Enhモードが使えるというだけが売りだったという当時のインプレッションを読んだ記憶がある。ちなみにお値段は\98,000だった。 |