IBM WorkPad 31J
製造元 日本アイ・ビー・エム
諸元
Processor 言迷
Processor Speed 言迷
Chip Set 言迷
Maximum Onboard Memory 4MB
Video Chip Set 言迷
Cache 0/0KB
BIOS 多分Palm
Dimensions 120(H) x 82(W) x 18(D) mm
I/O Options IrDA, Hotsync
NPU Options N/A
Junk Point げしげし勝−負カリカリ
備考 コンピュータという情報端末が開発されて以来の命題である「最適な入力環境は何か」という問いに対しては、未だに明確な回答が示されていない。

確かにコンピュータ自体がタイプライターの延長線上に存在するものだから「まずキーボードありき」なのは当然なのだが、後にポインティングデバイスとしてマウスが考案されて以降、直接的に画面を操作しようとする試みはずっと行われている。それはまさに、数千年前に最強の記録/情報伝達媒体を、つまり「紙」を発明してしまった人間の性であるかのように。

しかし至極当然のことながら、人間が「書く」という操作は極めて触れ幅の大きい近似値的作業であり、スイッチのオンオフで動いている単純なコンピュータのもっとも苦手とするところなのだ。そしてそれらの擦り合わせには膨大な計算能力を要するのである。

したがって今日に至るも、決定版といえるような手書きの電子入力デバイスは登場していないと言えよう。筆者の手許にも、手書き認識装置を備えたPCのおじゃんく様がいくつかあるが、どれも一長一短で人間本来の持つ「書く」感覚と電子データ入力を完全にフィットさせているものはない。そんな筆者がより完成度の高いマンマシンインターフェースを求めて、ていうかただ単にPalmを試してみたくて露店で拾ったのがこのWorkPadなのである。

唯我独尊路線を突っ走る今日のCLIEと違って、この頃のWorkPadはよくも悪くもまんまPalmの金太郎飴状態なハード構成で、相違点といえば漆黒の炭団ボディーだけである。

まぁそこが筆者最大の購入動機だったのだがそれは置いておくとして、この31Jは30Jとまったく同じベースのハード構成を持ちながら、ごらんの通り筐体内部のストレージメモリ増設スロットにPHSモジュールを実装している。
メモリスロットに通信モジュールが刺さっているというのもなんか違和感がある。どういうバスインターフェースなのだろうか。PCMCIAのようなものなのかもしれないが筆者には良くわからない。

ともかくこのモジュールがあれば32k通信が可能なのだ。テキストベース通信が一般的だった当時としてはかなり速かったのだろう。
しかし残念なことにこのモジュールはオフィスモードに対応していないので、これ一台だけのために一回線を別途契約しなければならない。
そのうえ、キャリアがNTTとアステルに限定されていて、現在唯一国内に残っているPHS事業者のWILLCOMでは使用できない。現在では無用の長物的デバイス....つまりはおぢゃんく様なのである。(もっとも購入した時点ですでにそうだったが)

ではなぜ今ごろになってこのガジェッツをまた掘り起こしてきたのか....それはしみつである。

言うなれば超一流料亭の豪華懐石料理をTVで見ながら「いつかはああいう店でたらふく食ってみたいなぁ」などと呟きつつ、場末のラーメン屋でマズイラーメンをすする....といった、ある種の「代償行為」にも似たカンジであろうか。

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