SUNTORY BOSS TONIC
販売 SUNTORY Inc.
諸元 名称:炭酸飲料
原材料名:果糖ブドウ糖液糖、コーヒーエキスパウダー、カラメル色素、酸味料、保存料、安息香酸Na、香料、甘味料(アセスルファムK、アスパルテーム)、カフェイン
内容量:185mL、栄養成分表示(100mLあたり)エネルギー42Kcal、タンパク質0g、脂質0g、炭水化物10.4g、食塩相当量0.02g、カフェイン10mg

売り口上『トニックの爽やかな刺激。 コーヒー由来のカフェイン配合。 働く人の新しい相棒です!』
Junk Point 珈琲でないことを製造者が認めてるぽ

すっかり根付いた感のある「ファミレスのドリンクバー」である。

子供はもちろん大人まで、セットされているソフトドリンク(居酒屋には焼酎のドリンクバーもあるらしいが)をカクテル....ていうかちゃんぽんにして「さて、何が入ってるでしょう?」「よーしパパ、野菜コーラ作っちゃおうかな〜」などとはしゃいでいるわけだが、数年前より「トニックウォーター」が入っているマシンを一部の店(サイゼリアとか、サイゼリアとか)で見かけるようになった。
カクテルベースに頻用される同飲料だが、野菜ジュースやそのほかの炭酸飲料と混ぜてもこれはこれでいける。
というわけで、筆者もそこそこ利用している。

で、よくよく思い返してみると.....同じドリンクバーにある「アイスコーヒー」とトニックを混ぜたことがないことに気づいた。
ていうか、そのような発想に思い至らなかった。
そのような、一般人の発想の外側にある組み合わせをやってのけた...というよりやっちまったのが、かの炭酸コーヒー飲料で知られる(?)グローバルベバレッジ企業・サントリーである。

『目新しいシャンパンゴールド缶』は薄い珈琲のオマージュか
山盛り砂糖チーン

本製品は、昨年の2018年8月27日に発売されていたらしい。
どうもサントリーも恐る恐る販売しているのか、新発売当初のインプレッションを検索すると、
都内全域を走り回ってようやく自販機で見つけた(自販機専用品らしいが、そもそも入っていない)」
...というエントリーがあった。販売する気があるのかサントリー....と思えてくるが、無理もないであろう。

かつて発売された炭酸入りコーヒー飲料たちの末路を考えると、新製品を開発したからといって大々的に販売するという暴挙に出ることはおそらく大企業であっても躊躇するところであったろう。
ではそもそも何故開発したのか?ていうか、何故失敗するとわかっていて、断続的に新製品の発売を繰り返すのか。

サントリー二代目社長・佐治敬三がビール生産を始めてから黒字に転換するまで46年の歳月を要したそうだが、炭酸コーヒーが国民飲料として根付くまで「諦めまへんで」と粘り続けるつもりなのだろうか。いや、おそらくそんな日は永遠に来ないと思うけど。

発売を経ることおよそ半年以上、ようやく筆者が住むかの田舎町のサードプレイスの自販機にも導入されることになった....かつてあの「お嬢様」製品が入っていた自販機ブロックに、である。つまり.....そういう扱いですか→中日本高速道路会社


泡は細かすぎない普通の炭酸
これも珈琲成分(サポニン)の不足を示している

口に入れた最初は、他の方のレビューにもあったように「ロッテのコーヒーガム」のフレーバーのような風味と甘みが口の中に広がり、飲み終わった後後味として酸味とコーヒーの苦味が追いかけてくる感じである。

コーヒー風味のドリンクとしては比較的味に統合性が取れているような感じだが最後の金属的な酸味(悪く言えば鉄サビの味)がややうるさい。これはトニックの香りなのであろうか。

...とここまで書いてみて、ふと思い出した。これは一昨年ちょいと話題になった(?)コカコーラ・コーヒープラスに連なる味ではないのか。

ここまでに筆者が服用 ....じゃなかった、のんできた炭酸コーヒー飲料の系譜をたどると、以下のようになっている気がする。

第一世代:ただ単に、「コーヒーに炭酸ガスを吹き込んだだけ」のスパークリングコーヒー

第二世代:エナジードリンクにコーヒーのフレーバーないしエッセンスを加えたケミカル系コーヒーフレーバー飲料

第三世代:コーヒーフレーバーをベースに、苦みを抑えて別飲料の酸味を前に立たせるスパークリングカクテル系コーヒーフレーバー飲料

で、昨年のコカコーラ・コーヒープラスと、本製品「BOSS TONIC」は、最新の第三世代に分類されると思うのである。

ここまでアレンジが進んでくると、もはやコーヒーではない気もするが、それでも以前の「泡立つコーヒー」に比べれば、一般に受け入れてもらいやすい味に仕上がってきていると思われ、もう少し広い販路で扱ってもいけるのではないか....という期待を持たせる一缶である。

ただし「1本に砂糖10g」という点にはご注意が必要かと思うが。特にサトゥー氏のプロジェクトパートナーであるメタポ氏などには。


(2019/01/26記)

Junk Junky