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短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その496

木下隆雄「どうして人は年の瀬になると総括をしたくなるのでしょう。暦と関係なくそれ街なのに」
小椋良二「べちこ焼が食いたいのですか貴方は....そりゃ年という概念そのものが人工物の極致ですからね。明治5年12月3日が明治6年の元日な訳ですから」
木下「そうした小ネタを挟むのはともかくとして、まとめるのは構わないのですが、そうした総括は商業マスコミに乗っかってしまっていて、ほとんどの人が無関心であろうと思われるのに、今年の◯文字とか発表すると、大衆も『をを、なるほど〜』などと納得するフリや『いやそれ違うし』と批判してみたり、結局は世のコンセプター達に踊らされている気がしてならないのです。大衆も、あのボンさんも」
小椋「まあ、それはともかく今年は元号も変わったことだし順当なところでしょう」
木下「雪風は奴らに捕まるぐらいなら自爆する。一緒に....」
小椋「そりは零」

木下「それはそうと、かの人件費搾取教育企業が主催する方もありましたが」
小椋「何でしたっけ、それこそ印象がごく稀薄で記憶すらありませんが」
木下「わん....いや、何だったかはともかくとして、管理者さんもおっしゃっていたですけど、日本国民全体を震撼、驚愕、唖然、そして爆笑、失笑の坩堝に叩き込んだかの『万能迷言』がノミネートすらされないというのは、その大賞の根本的な存在意義が否定されても仕方のないところです」
小椋「なるほど、無茶振り上司ゴメンなさい彼女未満とか断れないクレーマーにブチかますアレですな」
木下「時は冬です。早速迷言を発したかの偉人の生誕地を訪ね、その偉業を称えることと致しましょう」
小椋「え、えと....それはどのような流れなのですか」



木下「そんなわけで、来ちゃった」
小椋「なるほど、何年か前の焼き直しネタですな」
木下「以前の場合は純粋にセキュリティの検討だったと記憶しております」
小椋「ネタ切れて晩秋という感じでしたけど」
木下「今回はそれに人間模様も加味しております。より深い掘り下げ」



小椋「そういえばやたらとトンネルがありますな。しかも関戸の瀬戸を橋で渡る必要が」
木下「それは横堀りですけど。しかしこちらも閉店した町田の自然食レストラン女将(環境活動家)のおっしゃるようなシャッターはありません」
小椋「そのかわり、大島半島最奥部の集落手前、一本道(実際は2本)を厳重にバリケード封鎖しております」
木下「な、なにょ」
小椋「これは見学を申し出て良さげな雰囲気は微塵もありませんな」
木下「仕方ありません、裏手に回って遠目に見学させていただくことにしましょう」
小椋「半島先端のオートキャンプ場まで来ましたが....こりは」



木下「なんと、付属施設がわずかに見えるだけですな。マップを見ると、おおい町の市街地のみならず、周辺や海側とも隔絶されている施設に見えます。接近できるのは、無慈悲な情報員だけかもしれません」
小椋「そりもかなり困難だと思われますが...しかしなぜか南側(市街地側)の中腹に、ドーム型の構造物が」
木下「なんでしょうねあれ、炉心棟にしては孤立していてかつ小さすぎるし、レーダードームだと設置位置が反対の気もしますし」
小椋「そうした謎を残しつつ、見学終了」
木下「刈羽原発みたく接近できないのではどうにもなりません。原子炉塔が見えない分、そちらよりも厳重な警戒ということは分かりましたので次に参りましょう」
小椋「そんなこと言いつつこちらは帰路途上に寄った件」
木下「ろ、録画でお送りしております」
小椋「静画やん」



木下「そんなこんなで、ぐるぐる地球」
小椋「最初からコレを見とけ」
木下「それを言っちゃあ、しかし美浜と比べて原子炉の海抜が20mを超えておりますな..などと述べつつ、初冬の奥おおい」



小椋「特にトロッコ列車は走っておりません。あしからず」
木下「知ってます」



木下「我々の蒙昧無知を露見することになったのですが」
小椋「なんでしょう」
木下「大飯郡にはおおい町と高浜町、それぞれに原発があったのですね」
小椋「何をいまさら....だいたい隣町の案件に町の収入役が口を出すわけがないでしょう」
木下「それはそうなんですが、なんだか人権教育講師として隣町の皆様にも『お説教』なさっていたのではないかと思いまして」
小椋「その辺の生臭い話は置いとくとして、『収入役の自宅特定?』とかイキってるまとめサイトさん、電ポンで一撃ですよってば」
木下「これが地方居住者の恐ろしいところですな。でろっくおん。巨大な町役場や□モノ施設群を横目に見ながら向かいます」
小椋「ま、まぢで行くのですか」
木下「なに、凸する気はありません」
小椋「貴方がちきんであることを失念しておりました」
木下「じ、人権というものがあってだなぁ〜」
小椋「をを、どこぞの職場に押しかけたヤンキー」



木下「.....こ、ここですよね」
小椋「.....そ、そうですよね。表札は合ってます」
木下「.....なんかこう、あの今イルミネーションやってる港町にある、その手の方の事務所のような」
小椋「.....こ、こりこり....でも町自体がコンパクトな漁村なので、敷地自体はそれほど大きくないのですが、なかなかに存在感のあるご自宅です」
木下「.....この中で、かの『大阪の街のでんき屋さん』が正座させられて、例の迷言をカマサレタ挙句に、重たい黄金餅を抱えて、重い足取りで帰社の途につかれたのでありましょうか」
小椋「.....おそらくは。で、玄関にアニキもヤってる某セキュリティ会社のまーくが」
木下「ど、どうみても不審者なので撤退〜〜」
小椋「お、おまいはやわらか戦車か〜〜」



木下「...などと言いながら、自宅前を往復して撮影しまくったのはナイショです」
小椋「フカシこくな」
木下「そ、それでやり過ごしたのちに偶然見つけた内浦半島先端への道の最奥部に、どうやらかのお宅の方が生涯かけて建設にこぎつけたTKHM原発がある模様です。これは行ってみねば」
小椋「また先ほどのおおい原発みたく、接近さえも叶わず...ということになるのでは」
木下「ナビによればそのようなことはありませんでした。数本の『シャッターなし』トンネルを抜けて現れる橋の下に、いきなり施設入り口が。どうやら取水口(排水口?)の上を跨ぎ越しているようです。しかもなんでしょう、まだ原子炉棟のような構造物を建設途上です。これは押さえておかねば」
小椋「し、写真撮るのはいいですけど、作業員のオッチャン接近中です」
木下「て、撤収〜〜」
小椋「またかよ〜〜」



木下「といいながら、半島最奥部の内浦港にやってきました。ここから、原電施設がほぼ全て一望できます」
小椋「なるほど、半島に円形に囲まれた湾の最奥部ですか。おそらく海抜は限りなく0mに近いと思われますが、これなら高波のリスクはかなり低いかもしれません。それに湾出口に港があるので、不審者が外洋から接近した場合に発見される可能性もある程度はあるかな」
木下「まあ例のオッチャンの活動の是非はともかくとして、建設地の選定としては悪くない印象です。いっぽうで湾付近には多数の漁船と、県外からの釣り客。原子炉棟の遠景と相まって、なんとものどかな初冬の一日です」
小椋「のどかなのはいいのですが、レジャー施設の中にダイビングショップがあったりして、原子炉排水溝位置の潜入捜査にも持ってこいです」
木下「んなもん流速はやいし、入っても原子炉が待ってるだけだから無意味」



小椋「実際、こちらのGGEをご覧いただくと、こちらの原子炉も20mほどの高台にあることがわかりますな」
木下「外洋から外洋への水路になっている点、冷却効率を考えたのかもしれませんが、それこそ高波がどちらから押し寄せても圧は逃がせると」
小椋「そりはわかりませんが」



木下「そんなわけで、初冬の埠頭を渡る風」
小椋「で、結局今年の『君ならできる!』流行語ナントカって、なにに決まったんでしたっけ」
木下「わ....ワンチャン?」
小椋「え....えんちーむ?」
木下「わ....わんとらむ?」
小椋「管理者さん、職業病です」

....その497へ続く(ブレーメンは梶田さん)