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短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その479




木下孝雄「先週、とある組織の湖国県支部長が雪山で遭難されたとの報道がありましたが」
小椋良二「そうでしたな、一大プロジェクトの推進責任者で、いよいよこの春から本格稼働....というこの時期にでしたから、事務局はパニクってました」
木下「事故が現場に与えた衝撃もさることながら、喜寿になんなんとする方がお元気に2000m級の冬山でアクティビティを行なっておられたということが凄いことです。結局インアクティブな状態で無念のご帰還となってしまいましたけど」
小椋「そういえば管理者さんの元上司も、最大11m積雪の冬山に直行登山されてましたな」
木下「ご本人曰く『冬の方が道を気にせずに登れるので登りやすい』とのことですが....ってそうでなくて、山を熟知されている方だからこそ、無事帰還を第一に、慎重の上にも慎重を重ねた結果為せる技なのではないでしょうか」
小椋「そうですな、やはり『山をナメるな!』ということですね」



木下「そういうことです」
小椋「マクラ画像は何だったんですか....つか、先週に引き続きですか。ナメてるとしか思えませんが」
木下「なにをおっしゃいますか、先週、強引凸を進言する貴方に対し、ハラ具合悪天候を理由に私の冷静な判断でアタックを見送ったではありませんか。今回は装備も万全、天候にも恵まれております」
小椋「サボテンの横に少しだけ残っている雪を引用してのタイトルとか、羊頭狗肉にもほどがあります>管理者さん」
木下「い、行けるところまで、行くから心配しないでネ!」
小椋「をを、風船おぢさん(*1)」



木下「では早速参りましょう、本日のルートは確定しております。ネットでリサーチもしておりますし、長期アタックとなった場合の装備も途中のコンビニで購入して参りました」
小椋「は、はあ?」
木下「というわけで味の方はおおよそ予測が付いております。問題となるのは量ですな」
小椋「鍋スパ系は土鍋のサイズに大きな差がある可能性がありますからね。たしか管理者さんの愚息様が以前頼んだ小規模サイズならなんとかなるでしょうか」



木下「ちうわけで到着です。しかしここ以外の喫茶店で、目の前にコレが運ばれてきたら、まずパスタとは思わないでしょう」
小椋「だいたいストレートタイプのパスタに『煮込む』という発想がないでしょうからね...ってあれ?」
木下「どうしました」
小椋「見てくれは煮込みうどんそのものなのですが、これ、味噌味じゃなさそうですよ。なんかトマトとオレガノの匂いがしますけど」
木下「な、なんですと」



小椋「きました、アラビアータそのもののピリ辛いたりあんです。ビジュアルとのギャップが酷すぎますし、麺は『おまいは給食のソフト麺か』状態ですけど」
木下「こいつは参った。ダマされたぞ!」
小椋「グエン閣下、全滅です。急拵えの装備が全く役に立たないまま」
木下「い、いやまず内容確認を....」



木下「なるほど、具はほぼアラビアータですな。ソーセージの代わりに豚肉が入っていますけど、ネギを模した獅子唐芥子(?)とか、マッシュルームとか、チーズとか。卵は謎ですけどね。ということは」
小椋「はい」
木下「豚といえば生姜焼きです。装備出動....あーやっぱり。生生姜が割と合います」
小椋「を、本当ですね。この熱さとのマッチングがなかなか」
木下「ついでにこちらも」



小椋「ま、まぢですか」
木下「とりあえずスープと混ぜて....をを、こちらも良い。ていうか、辛味噌トマト美味ぇ。この豆板醤、少し入れてある山椒も上手く活きてます。豆板醤+卵+トマト最高w」
小椋「....もはやイタリアンと呼んでいいのでしょうか」
木下「伴省吾はNYでまかないに使ってましたよ」
小椋「なぞ」



木下「というわけで、完食。量は幸か不幸か、山本屋総本店の1.5倍盛りてとこでしょうか。全く危なっかしい所のないルートでした」
小椋「量の比較対象が間違っているような気もしますが....で器の横にある液体はまたアレですか」
木下「アレです。『妹のラムネ』」
小椋「.....なにやらネーミングに淫靡な響きがするのは」
木下「貴方がオサーンだから」
小椋「ごすっ」
木下「あうち」



小椋「でどうなんですか。こちらも見てくれとだいぶちげうとか」
木下「いえ、こちらは見てくれ通りです」
小椋「なるほど、つまり『洗剤系ドリンク』と」
木下「そうです。ていうか、同系の『ノーベル賞ドリンク』を薄めたような色ですが、結果として甘味が薄れ、そのケミカルな味わいがより強調されるという結果に」
小椋「なるほど、洗剤は少し水で薄めた方がよく落ちると言いますしね」
木下「....飲み物の話をしているのですが。しかし何でしょう、妙に違和感のないこのネーミングは」
小椋「あ、ありませんか」
木下「とある方の愚息様がこの系統の彩色がなされた虹美少女に入れ上げているという事実に鑑みて、これは妹萌えの亜型なのかも知れません」
小椋「いみふです....それはともかくこのドリンク、他の飲食物と相性があるように感じます。SSスパの後に頂くと、薬品臭が妙に爽やかなお口直しとなるのですが」
木下「それはアレですな、『生命体の最終プロダクツである、脂やコレステロール骨格を持つ物質の固体化したモノ』用の洗浄剤フレーバーだからでしょう。あのタンクの中に入ってる」
小椋「○ソミ●ですな。それに対してこの名古屋のマズイ水を一口イクと、これがなぜかゲロ不味」
木下「新幹線の蛇口に書いてある『Do not drink』てやつですな」
小椋「飲料水を根本から否定しています」

木下「というわけで雪山登頂成功。おかげで体がすっかり温まりました」
小椋「そういえばアルコール検知器たる貴方、微妙に反応されているようですが」
木下「燃料が入りました。これならリアル冬山も行けそうです。ちこっと寄っていきますか」
小椋「酒気帯びタイーホです」




-- おまけその1:リアル冬山(ちょっと450km寄り道) --




-- おまけその2:刀剣たち --





(*1)鈴木嘉和(1940-1992.11?)
ピアノ調律師、自称冒険家。
1992年11月23日、自ら用意したヘリウム気球型飛行船「ファンタジー号」に乗り、琵琶湖岸での試験飛行中に周囲の制止(?TV局は?)を振り切りアメリカへと太平洋横断の旅に出発する。
2日後、上記の言葉を残した後、携帯電話が途絶。今日に至るまで行方不明。
奇しくも今年、管理者さんは遭難当時のおぢさんに歳が並ぶ。

....その480へ続く(当初予定は巡回でした)