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短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その415


木下孝雄「今年も暑い夏がやってきました」
小椋良二「なにを今頃仰っているのですか....すでに40℃超えの殺人的炎熱が観測されて居るではありませんか」
木下「そのような些末事、関西では無関係です。暑い夏という言葉には、関西では甲子園(とそれに付随する死のロード)という意味しかありません」
小椋「さ、些末事....つか『本日(8/12)も猛烈な暑さが予想されますので日中の屋外での運動は控えましょう』とかいいながら一日中高校野球中継する日本引き籠もり協会のダブルスタンダード」
木下「見ている方は屋内なので問題ありません」
小椋「や、やり」
木下「それに沖縄県など甲子園なくして夏はなしという所もあるわけです。地元校の試合時には通りから人が消え、仕事の電話でも入れようものなら0.02秒でブチ切られるということで」
小椋「そんな与太話はたまに耳にしますが」
木下「これは信頼できる一次ソースからの情報ですよ」
小椋「ほぉ、それは」
木下「はいたい七葉
小椋「おいこら」

木下「上記ネタとは微妙に関係ないようなあるようなのですが、ちょっと前に新宿から乗ったタクシーの運転手さんに聞いた話です。その運転手さん、とある夜にやはり新宿西口から営業とおぼしき腰の低い中年サラリーマンを乗せたそうで」
小椋「はぁ、そのような客は路傍の石の如く転がっておいでですが」
木下「そうなんです。でいつものごとく当たり障りのない世間話からプロ野球の話になり、何気に『いやぁ、今年はさすがに広島の優勝はないでしょうなぁ』と言ったところ、



と、突如菅原文太が憑依した達川がすいっちおん、○○ひゅんだったそうです」
小椋「な、なるほど...『ウチらはどこかの常勝球団とやらと違って負けるのが悔しいんじゃない。勝つのが嬉しいのさ(ふっ)』などと嘯くゲーム屋球団のファンとはだいぶ違いますな。現実から目を背けてる点では同じですが」
木下「ほ、ほぉらそんなこと言ってると」



木下「貴方のおうちも、こんな風になっちまいますよ」
小椋「ていうかこれ、ホントにドンキなんですか」
木下「地域住民のニーズってヤツですな。土産物売り場に見えて、その実全て日用品であると」
小椋「お、おっとろし〜」
木下「だが流石はおしい県・広島のドンキです。地元に欠くべからざるアイテムを忘れております」
小椋「へ?牡蠣・カープ・DQ○・モミ饅・広島焼...それ以外に何か有りましたっけ」
木下「何をおっしゃっておられるのですか、広島県といえばまず『うどん』でしょう」
小椋「....そんな与太をおっしゃると、対岸に高エネルギー反応@善通寺」
木下「何と言われようと論より証拠、煮込みすぎた麺がダシに溶け込むが如く街に息づくうどん県・広島の面目躍如たるを検証しにまいりましょう」
小椋「はははっ、さっぱりわからない」
木下「それは長崎」



木下「ほい着きました」
小椋「うどんのうの字どころか、人っ子一人いない休日の工場街じゃないですか」
木下「貴方の目は節穴ですか...まあ仕方ありません、隠れ家的人気店ですから」
小椋「わかりましたけど、あるといえば朽ち果てる寸前のタバコ屋さんがあるのみですよ」
木下「ほれ、もそっと寄って」



小椋「....もしかして貴方のおっしゃっているのは、あの『構内食堂といえばやる気ゼロどころかマイナスの日食れすとらんしかなかったかつての国鉄金沢駅』待合室にあった、あのウラブレタ雰囲気爆発のまっすぃーんのことですか。まさかとは思いますが」
木下「それ以外になにがありますか、すでに自販機業界ではレッドデータ、管理者さん宅近傍も含めて全国から急速に消滅しているあの貴重な富士電機謹製生麺自動販売機ですよ。それがこの広島にはまだ多々残存しているとの情報をもとに遥々450kmの彼方からやってきたのではありませんか」
小椋「そんなつもりは毛頭ありませんが、さきほどの地元に根付いた...」
木下「こうして眺めているわずか5分の間に、すでに2杯売れましたよ。夜勤明けと思われるヨレ気味のあんちゃんと、これまた深夜営業のタクシーの運ちゃんが三々五々すすってます。当然24時間営業ですからこのペースで出ると1日に576食という超人気店です」
小椋「うわぁ〜すごいなぁ〜....ってんなわけあるかっ」
木下「そ、それはともかくさっそく食するとしましょう」



木下「ボタンを押して僅か15秒の光速調理」
小椋「お湯を注ぐだけですからね」
木下「カップ麺だとそこから3分待つわけですから。それにポークスープを使ってないから、忙しいユダヤ系オイルマン、デイヴィッド・フェインシュタイン氏も大満足です」
小椋「痴恵袋的にも豚骨うどんはあうとです...つか誰ですか、それ」



小椋「見てくれはまさに『ぶっかけうどん』ですな。天ぷら...ちうか巨大天かす円盤以外は具なしですか」
木下「早とちりはなりませんぞ。次第に食い進むとほれこの通り、丼の底から基本を抑えた具が」



小椋「ほ、ほほぉ」
木下「最初は薄すぎと思ったツユも、底に向かうに従ってしっかりとした味が。これはかの石田三成の茶の湯の心を具現したおもてなし、まさに味のあるかんしぇるやぁぁぁっ」
小椋「それは単に混ぜが足りないだけです」



木下「お店の横に麺納入業者のものと思われるパレットがありますな、これを見ると先ほどの与太もあながち駄法螺とは言えないでしょう」
小椋「パンのも混じってそうですが....それによく見てください、『営業時間5:00〜23:00』って書いてあるじゃないですか。酒タバコ以外で24時間未満営業の自販機なんて初めて見ましたよ」
木下「それだけ手が掛かるというわけですよ」
小椋「そういえばこの販売機、資料によれば富士電機は機械販売とメンテだけで、食材の補充は全て設置主に任せているそうですね」
木下「そうなんです。だから命運も設置主しだいということで、市の住宅街に別機種があったのですが、管理者とともに天に召されたそうです」
小椋「アーメン」
木下「やり」



木下「微妙に満腹した後はお口直しにこちら」
小椋「く、口直し....むしろこちらの缶飲料のほうがお口汚しに」
木下「そこはそれ、戦災からの復興と平和を願う人々が集う都市としてはうってつけ」
小椋「は?」
木下「国破れてさんがりあ」
小椋「どてっ」

木下「さて、この貴重な自販機を保持し続ける広島、これを以てうどん県と呼ぶになんの不都合がございましょうや」
小椋「本当にそうならよいのですが....たしかこちらのサイトによれば、麺類自販機の名所として知られているのはいずれもお隣の山口県ですよ、こことかこことかこことか...日程の都合で訪問できなかったのは分かりますがネタづくりがちと強引かと」
木下「......おしいっ!」
小椋「さ、焼きうどんでも食いに行くか」



--おまけ--

だから焼きうどん県じゃけん(@麗ちゃん)



広島市におけるFT86調査



広島市内に於けるFT86の種別割合
トヨタ86 0台(  0%)
BR−Z 2台(100%)

....その416へ続く(あの征服の元ネタは...)