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短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その412



木下隆雄「さて、それでは機材も揃ったことですし早速参りますか」
小椋良二「それは結構なのですが、タイトルは『温見、行こう禄』ではないのですか」
木下「峠通過自体は伍で済んでますからね、ネタ的にはボツでしたけど」
小椋「なるほど、それにしても昨秋から各方面で話題になっているとおり『まさかの全面開通』でした」
木下「猫峠林道をあそこまで整備して、もう殆どそちらがメインルートと化してましたからね...にもかかわらず、よりによって最酷道区間を復旧させたというのはやはりあれですか、世に数多存在するまにあのご期待に国家が呼応したと」
小椋「ない」
木下「あ、さいですか」



木下「とにかく管理者さんも『確か四半世紀前の学生時代にバイクで通ったような』と仰っているぐらいあやふやな記憶しか無いようですし、ガチな『落ちたら』区間がどの程度のモンなのか見てみようではありませんか」
小椋「奥さん泣かせるなよ」
木下「え、縁起でもな〜」
小椋「で、早速Nexus7+3Gルータ+b-mobile1GB定額SIMでナビ出動です。実際に使ってみたところ非常にレスポンスもいいし、今日は1時間使用で約6MBの通信量でした。これならあと160時間走っても大丈夫」
木下「どこまで行くつもりですか...」



小椋「区間に至る手前、道の駅入り口あたりに冬季通行止の看板がちらほらですな」
木下「所詮にぎやかしです。この季節に雪などと」
小椋「それもそうですね。で、さっそくやってきました最終転回点」



木下「をを、ホントに開いている....ってもちろん知ってますよんなこと」
小椋「きっとここに至った多くの方が、貴方のようなノリつっこみをされたことでしょう」
木下「ま、前の車もそおかなぁ?」



木下「....で、復旧区間に入っていきなりコレですか」
小椋「....これは冗談抜きで『落ちたら○○(以下FTD)』です。画像でははっきりとわかりませんが、仰角45度に生えた木々の間、目測で100m以上の奈落の底に渓流がかすかに見えますな」
木下「しかもガード『レール』ではなくロープですよ。通常ならワイヤーのところを本日は特別にタイガーロープでのご案内です。これではおそらく1tのクルマどころか0.1tの人間すら支え切れないでしょう」
小椋「これはつまり、某酷道DVDで元国土交通省政務次官が仰っていたように、離合の際を考慮した仕様なのでしょうか」
木下「おそらくそうだとは思いますが、こんなところで3ナンバー以上の車両に出会ったらとてもじゃないが恐ろしくて対向などできませんな、特に上り方向だとおもいっきし崖方向ですから」
小椋「さきほどから我々の前方をLS400が駆っとんでおられるのですけど」
木下「露払いですか、ありがたいことです」
小椋「崖の露と消えるかも」
木下「をいおい」



木下「で、やたらとコーナーに鎮座なされているお地蔵さんは我々を守ってくださっているのでしょうか」
小椋「でしょうなぁ、『我等が前世の際をなぞること無かれ』と仰っているようです」
木下「ここで前世を終えた方、大杉」



木下「で、すっかり忘れてたんですけどこの区間、実はまだ工事中なんですよね」
小椋「何をいまさら....でも計画通りの復旧工事でなく、何カ所か新しい崩落を土嚢で止めてますな」
木下「正に賽の河原の石積みですな」
小椋「どうしてそっちへ....ともかくもこんなところに道路を敷設して、それを維持しようという国家の強い意欲が感じられますな」
木下「やはりまにあの...」
小椋「だからないってば」



木下「というわけでなんとか無事黒川ゲート通過です。温見までの行程からすればまだ1/4ほどなのですが、ものすごく充実したどらいぶでした」
小椋「つか対向車少なくてよかったですね。しかも地元のおっちゃんらしき方の運転する軽トラばかし」
木下「まぁ、喉元すぎればなんとやらです」
小椋「や、やり....しかし私、若干気になる点があるのですが」
木下「この集落から先は我々経験済みなので、問題はないでしょう」
小椋「はぁ、さようで」
木下「さすがに山里も春、畑で野良仕事に疲れた腰を伸ばすおばちゃんの姿も見えます」
小椋「でんでん動きませんね」
木下「え?え?」



小椋「杉木立の中の河原道を進むと、猫峠林道終点です」
木下「をや、迂回看板が撤去されてますな」
小椋「当然ではありませんか、こないだの遭難ちゃりんか〜のような方が間違って迂回路を選択されたら」
木下「それはそうなのですが、あれはあれで文化遺産として」
小椋「さ、とっとと先いきましょう」
木下「しくしく」



小椋「道そのものは順調なのですが」
木下「そうですか?数は減っているにせよ画像のような洗い越しもまだ2〜3は残ってますよ」
小椋「いやそれはあくまで賑やかしとしても....先ほどから岐阜ナンバー車しか対向してないのではありませんか」
木下「まぁだいたいそうですが、それが何か」



小椋「向こうからの車が来ていないということは、『来れない事情』があるのではないでしょうか、特に物理的な事情が」
木下「ま、まさか我々に再度のたいとる変更を迫るような『事情』ですか」
小椋「峠が近づくに従って、そこかしこに雪渓が」
木下「まぢけー」



木下「キター」
小椋「つかあの巨大ブロックは今いずこ....あんなものここに置いておいた方が効率良さげですが」
木下「やはりこれはこの地を訪れる数多のまにあ(ryでそれはともかく、無事通過ということでいささかの寂寥感を覚えずにはいられません」
小椋「や、やり....」



木下「ましかしせっかく酷道区間をほぼ制覇したことですし、前々前回に倣ってメシにしましょうガクガクブルブル」
小椋「あの時はテーブルが横たわるぬりかべくんでメニューが鱒の寿司、今回は破壊看板にコンビニにぎりとはなんともショボげですガクガクブルブル」
木下「しょうがないですな、今回は岐阜側からだったのでガチガチブルブル」
小椋「ど、どうでもいいですけど5月ではあり得ないほど寒すぎませんか〜」
木下「そ、そですな撤収〜」



--おまけ--

ユノディエール温見ストレート



Hi-C(アンバサもあるでよ)



....その413へ続く(次は伊那警察署だだだ?)