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短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その374

木下隆雄「先日、管理者さんの勤務先で自販機が開かなくなるというイベントが発生しまして」
小椋良二「・・・それは通常のことではないのですか」
木下「いえそうなんですが、開かなくなったのは管理会社の方が鍵を無くしてしまって、売上回収も商品補充もできなくなったということなんです」
小椋「は、はぁ・・・で、鍵屋さんをよんで合鍵を作ったと言うわけですか」
木下「いえ、メーカーさんが壊し屋を呼んで鍵を破壊しました」
小椋「なるほど、ヂョーさんですな」
木下「現代のヲな方には通用しないと思います」
小椋「え、えと・・・でどうなったんですか」
木下「それがその・・・やってきたくらっしゃ〜親父の宇宙一の技術を以てしても開錠に丸2日かかってしまい、静粛が第一の環境にメタルカッターや鏨の轟音が響きわたり、周囲にはパンクしたキャパシタのような異臭が立ち込めまくったというわけです」
小椋「や、やり」
木下「で、全く別の話しになるのですが、先日震災に遭った施設へ援助派遣された管理者さんの同僚の方によれば、その施設では震災当日直ちにスタッフと利用者の手で自販機が破壊され、飲料水を確保できたとのことです」
小椋「・・・そのおやぢ、本当にプロなのですか」
木下「まぁおっちゃんの腕を云々するよりも、非常時に発揮される人間の潜在能力の素晴らしさを評価するべきでしょう。それと重要なのはW治に於いて乱を忘れず、乱に於いて治を忘れずWの精神ではないかと思うのです」
小椋「はぁ、確かにそれは、西国にあって被災を逃れた我々も留意すべき点ですね。で、具体的にはどうされたのですか、災害発生時に無料配布できる自販機に入れ換えたとか」
木下「いえ、親父曰く『今後万が一のことがあったらアカンさかいに、簡単に壊せる鍵にしといたでとのことです」
小椋「え、えと・・・・いいの?」

木下「今回被災された、あるいは被災されつつある方々にはお見舞いの言葉もございませんが、直接支援に行けない我々に今必要なのは」
小椋「必要なのは」
木下「少額でも皆で義援金を送り続け」
小椋「そうですな」
木下「少量でも必要な支援物資を送り続け」
小椋「ごもっとも」
木下「あとは粛々と、変わらぬ日常を送り続けることではないかと」
小椋「まさにその通り、では日常へと出撃しましょう」
木下「しゅ、しゅつげき?」



木下「なるほどそうきたか、私はまたおじゃん区へと向かわれるとばかり」
小椋「何事も二番煎じでは、読者の皆様に飽きられるかと」
木下「ここんところ、ここの記事が定点観測の様相を呈していた件についてですが」
小椋「さ、災禍が訪れようとも時は春、『国敗れて山河あり』と申しましょうか」
木下「敗れてませんし、勝利に向かうのはこれからです」
小椋「そ、そのとおりですな。とりあえず先日



このとおり東側からアプローチをかけそこねた峠を、今度は西側から攻めてみましょう」
木下「今日はともかく、正気ですか。この積雪に携帯も通じない早春の峠に夜襲をかけるとは」
小椋「・・・すんません、山をナメてました。というわけで、気温が上昇した1週間をおいて、反対側から再度アタックです」



木下「それにしてもかなりガレてますな、これはやはり自然環境でしょうか、西側は山が入り組んでますし」
小椋「いえ、自治体の経済環境です。我々の町、向こう側と比べて走召貧乏ですし」
木下「どてっ」



木下「ああ、やっぱり」
小椋「想定内です」
木下「なのになにゆえここに来た」
小椋「その理由を問うか」
木下「いえ、いいです・・・」
小椋「さて、こちらともう一本峠がありますのでそちらも」
木下「ここよりも未整備ですけど」
小椋「なに、勝負は下駄をはくまでわかりません」



小椋「・・・・・」
木下「勝負以前でしたな。峠の入り口に至るための峠道で雪隠詰め、そういえば以前にも全く同じ場所で残雪に乗り上げ擱座した記憶が甦りますが、これも想定内と」
小椋「そ、そうです、横に映ってるクルマのおっちゃんによれば『ここは毎年こんな感じだわ』ということですし、こんなもの東日本の皆様のご苦労に比べれば」
木下「ていうか、無用のつぼを自ら求めているように思われますが、あ〜たのばやい」
小椋「が、がむばれ日本〜」


....その375へ続く(ハイネセンに一票)