変な話Indexへ戻る

短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その364


木下隆雄「雨月物語の中で快庵禅師が『江月照らし松風吹く、永夜清宵何の所為ぞ』と問うて邪鬼を解脱に導いておられましたが」
小椋良二「突然訪れた秋に物思いに取り憑かれたのですか貴方は....それはさておくとしても、その証道歌が示すところの仏法は記号論と一部重なるところがありますな」
木下「そこまで飛躍するのはどうかと思いますが、存在の本質は詰まるところは『ただそこにある』ことなのであって、見る人間の心持ちが美しくも醜くも見せている、ということでしょう。管理者さんの自室に堆く積み上げられているガラクタの山も、管理者さんのみの目には宝の山に映ると言うことですか、まさに餅腐れですが」
小椋「な、なるほど....自演乙☆氏が『コスプレは見られるのではない。見せつけるのだ!』と述べておられる様なものですか、美醜は見る人の心の内にあり、行為自体は年齢/性別を問わないと」
木下「え、えと....」

冠山峠付近

分断国道417号
木下「では、参りますか」
小椋「さっきまでの前フリは何だったのですか」
木下「蓼食う虫も好き好きと申しますか、英訳すると"There's no accounting for tastes"」
小椋「何で一部分斜体なんですか、完全英文法みたく」
木下「え、えと....一般の方は普通向かおうとしない分断400番台国道、そこにも見方によっては味わいがあると」
小椋「さきほどの仏法とは余り接点を見いだせませんが、つまりあれですか、行き止まり人生の地獄車と」
木下「さ、さぁ行くぞ〜」

伝説の塚クランク
木下「さて、塚白椿トンネルを抜けると例のクランクが」
小椋「いきなりバリケード出現ですな....ていうかここ、いちおう基本的には一般車立ち入り規制区間なのでは、ヨコに転回所もありますし」

一難去ってまた一難
木下「さて、次のゲートです」
小椋「をいこら」
木下「は、はったらくおぢさんっ、ありがとお〜っ♪」
小椋「思いっくそ工事現場じゃないですか」
木下「しかも突貫工事中です。おぢさんによれば峠南北の両自治体から『紅葉までに早く通せ』とせっつかれてるそうで」
小椋「い、いいのか、法面工事がそんなことで」
木下「何、どうせ春になれば雪崩で元の木阿弥」
小椋「おっとろしぃ〜」

昼メシ封鎖中

木下「・・・・」
小椋「さ、戻りますか」
木下「計測してみたところ、ギリギリ行けそうです」
小椋「ま、まてっ」
(ごりっ)

ガレ場多数

木下「さて、いよいよ林道区間に突入しました。このガレ方といい、路上でひなたぼっこ中の長細い生物たちといい、先ほど越えてきた国見峠と互角の勝負といえそうです」
小椋「さっきの異音はいいのですか、しかもこの先不通ならまた戻るんでしょうに」
木下「だ、ダァトに衝撃音は付きものです。おぢさんも『向こうまで通ってるて』と言ってましたし」
小椋「退路を断ったな....」

全線全域R157状態

小椋「そういえばさきほどから私、微妙な異和感が」
木下「とおっしゃいますと」
小椋「ほらあの、よく酷道で見かけるでしょう、『落ちたら○○!』というあれですけど」
木下「あぁそれですか、それなら問題有りません。林道区間は全線全域路側外は落差百数十メートル&ノーガードレール、つまり」
小椋「つ、つまり...?」
木下「それ、『でほ』だから敢えて『表示する必要なし』
小椋「お、おぢいちゃ〜〜ん」
木下「ざっぽ〜ん」
小椋「をを、ふぃっしゅぼーん」

鉄壁の峠遮断機?

木下「おまいがっ、閉じてるやんけぇ」
小椋「さっきのとはワケが違いますな、どうするんです...弁当拡げてる測量おぢさん曰く『引き返しても工事終了の夜まで通してもらえんでぇ』だそうですが」
木下「ていうか、通ってるんでなかったんかい」
小椋「.....あのもし」
木下「な、イ可か?」
小椋「車の場所、おかしいのではありませんか」
木下「ど、どのように」
小椋「何をボケかましてるんですか、すでに池田町側ですよ、これ」
木下「あ、ばりた?」
小椋「やり...」



小椋「めっさ強引やん、このV字転回」
木下「ま、まぁ先ほどの障害物よりはまだ広かったし、またちょっとゴマメりましたが....鉄壁の割には脇が甘かったようです。ちなみにバイクは素通し状態」
小椋「その割には誰も通過してませんでしたよ、現に峠まで誰も対向しなかったじゃないですか」
木下「と、とりあえず件の測量おぢさん&社員ズ、出前一丁煮てたご夫婦、山登りの小学生たち、皆さん見て見ぬふりしてくれてありがとを〜」
小椋「しかしもう秋の行楽シーズン始まってるし、早く開通しないと貴方の様な方が続出で路肩が崩壊しますよ」
木下「ひ、人聞きの悪い....しかしこの林道、測量おぢさんによれば夏終盤の豪雨までは開通してたみたいです」
小椋「あ、やっぱりね」
木下「そういえば峠の岐阜県側は雪崩が多くて、そちらからの除雪隊はよく立ち往生するという話も聞きました。やっとこさ峠まで除雪して、さあ帰ろうと思ったら背後が完全封鎖状態という事がしょっちゅうだそうで」
小椋「まさに雪隠詰め」
木下「をいをい」

分断国道476号

木下「さて、里へ下りてきたところでもう一発、476号です」
小椋「まだ行くんですか、もう日が傾いてますよ」
木下「何、行けるところまで行ってみるだけです。どうやらこちらも険道で分断区間がつながってるみたいですし」
小椋「そ、そうですか」

行き止まり看板

木下「早速来ました。でほでほ〜」
小椋「ていうか、こっちはマジっぽですよ。第一今のところR8で十分用が足りてるし、さきほど仰ってた険道もやたらと崩れる場所みたいですし」
木下「な、なんとかなるでしょう」

ドンツキ広場

木下「.....」
小椋「.....先ほどのR417とだいぶ風情が違いますね。とりあえず本道(予定)は@のようですが」
木下「ま、まぁそれぞれつぶしていきましょう。多分通じているでしょうし」

ここら辺は全然マシな方

小椋「....ていうか、マヂやばいっす。藪こぎ状態になってきました」
木下「季節がまずかったのでしょうか、とりあえず撤収〜」
小椋「まぁ成績としては1勝1敗、まずまずといえるのでは」
木下「しかし管理者さん、なんだか浮かないご様子で」
小椋「奥さんに『大冒険だったね〜(はぁと)』と言われて、己の児戯的行動に気付いてガックシきているのではないでしょうか」
木下「あははは」
小椋「あははは」
木下「あはは....シクシク
小椋「よちよち」

....その365へ続く(この物語は、フィクションです。いやまぢで)