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短期集中連載(笑)

−この物語は、フイクションである(?)−


その358


小椋良二「大なり小なりの技術革新が発生するに伴って、社会そのもののあり方が変革を余儀なくされる事例がこれまでにも多く存在したといえるでしょう」
木下隆雄「は、はぁ?」
小椋「先日三菱自動車のEV開発者の記事を読んだのですが、エンジンという自動車創生以来のコアデバイスが不要になるEVでは、パッケージングにおいて恐るべきパラダイムシフトの可能性を秘めていると仰ってました」
木下「それはまあそうですが、たとえばどのような」
小椋「基本的にインホイールドライブが確立すればの話ですが、シャシーの基本設計は同じでボディー設計は自由という、かつてのコーチビルダー時代が再来するのではということです。極端なことを言えば、乗用車とトラックが共通設計ということもあり得るそうです」
木下「ほほぉ」
小椋「ついでにもっと言えば自宅に車輪をつけて移動、いや町とか、あとはいっそのこと地球に駆動装置をつけて転がすという手も」
木下「それが実現したとして、我々人類はどこへ行くというのでしょう」
小椋「え、えと....」

小椋「....それはともかく、重要なのはイノベーターが必ずしもその後の世界を支配するとは限らないと言うことです。王制崩壊後、反対派を虐殺し仏蘭西を支配したロベスピエールが断頭台の露と消えた如く」
木下「その例えはいかがかと思いますが、確かに最終的な業界標準を誰が取るかという点に関してはそうですね」
小椋「その通り、先のEVにしてもインドや中国と言った国の猛追(?)があるわけです。少数の『標準』支配者の足下には、無数の類似者の遺骸が積み上げられているのが常ですが、その中に先駆者が含まれていないとは誰も保証できないのです。ま、だからこそテクノロジィの世界は面白いと言えるのです。大体『革命だ!』と連呼している様な輩は、往々にして革命自体が目的化していて、それ以降の来るべき新たな世界に対しての現実的なビジョンを持ち合わせていないものでありましょう。そのような手合に未来を委ねるというのは己が首を絞める様なものでうんたらかんたら」
木下「.....大体わかりました。何を仰りたいかが」

iPad対抗本命・EKEN M001

木下「あぁ、やっぱりね」
小椋「なんですかそのやる気のなさげなリアクションは....革命は革命家によって為されるにあらず、変革を望む無数の無名一般庶民によって世界は動くのです」
木下「つまりこれは有象無象の1つということですな。かの板林檎がぎろちん好きの童貞オヤヂで、このドロイドくんがアラン・ド・ソワソンだと」
小椋「....それ、革命前に落馬して死んだ方では」
木下「知ってます」
小椋「どたっ」

お前の全てを、俺が見守ってやるぜっ

木下「しかし流石はアラン、ぺなぺな筐体にもかかわらず熱すぎます。触れると火傷しそうです」
小椋「スタンドアロンの時はそうでもないのですが、無線LANモジュールがかなり発熱するようですな」
木下「しかも情報によると、CPUはデータシートによると300MHz駆動なのに、カタログスペックでは600MHzになってるとか」
小椋「おかげで動作は評判通りのモサーリですな」
木下「ま、おぢゃんく様に慣れている貴方には問題ないと思いますが」
小椋「しかしタッチパネルで動作が遅いのはUIに関わりますから、さっそくFirmwareを更新してみましょう」

SDのルートに入れて起動するだけ

木下「なんかずいぶんとお手軽な更新ですな、ルートに入れて再起動するだけですか」
小椋「そのかわし更新してしまうと元の木阿弥、インスコしたアプリも全部消えてしまいますから一から入れ直しですけどね」
木下「まさにクリーンコンピュータ」
小椋「....それはちげうと思います。はい終わりました、あのモサーリ感がかなり改善」



木下「....私には画面回転しなくなったのと、日本語表示しなくなったのと、背景がエロくなったことぐらいしかわかりませんが」
小椋「ま、まぁECOTOX氏のカスタムROMですから...とりあえず今日はここまで、さて次は」
木下「root取ってオーバークロックですか、せめてカタログスペックまで」
小椋「いえ、『ゲシを捨てよ、町に出よ』」
木下「なるほど、で行く先はベルサール秋葉あたりというオチですね」
小椋「刮目して....」
木下「もうええっちゅうに」

...........つづく

....その359へ続く(タケノコは掘り尽くさなければ)