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短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである(?)−


その245

小椋良二「先日久しぶりにF1をTVで見たのですが、トヨタのレヴカウンタを見てるとすごいですね。19,000回転まで回るなんて、やれ『ブースト2バールだ、最高出力1200PSだ』なんて言ってたころと隔世の感ありです」
木下隆雄「いつ時代の話をしてるんですか....確かに貴方のご同輩が『ワイのインプSTiはアクチュエータ故障で常時フルブーストや!!』なんて言ってたのは聞いてますが」
小椋「しかし首を固定しなければマトモにラップもできないなんて、もはや人間が乗ってる意味がありませんな」
木下「いっそのこと全部スロットレーサーにしてしまえば面白いのに、一般の参加を募って」
小椋「どっかのアフォが押し過ぎ、辺りは火の海です」
木下「すも〜くぉんざを〜た〜♪」

生き返ったと思ったんだけどなぁ...

小椋「というわけで、5576-A01の『L』キーがまた死にました
木下「あの前フリは何だったんだ...」
小椋「細かいことはさておいて、流石中古でも恐ろしい値段がついてるだけのことはあります。細部まで見事なまでに作り込んでますな」

キー基部のツメを押し込む
そのまま持ち上げると外れる
木下「この基部とキートップがユニット化されてるというのがミソですね」
小椋「そう、それにこうして膜スイッチ部から簡単に取り外しが可能なんです」
木下「なるほど、で接触不良のLキーを外してそこを掃除すると」
小椋「いえ、無理して接点を傷めるといけませんから全部外してください」
木下「は、はい....?」
小椋「くれぐれも気をつけてくださいね。超がつくほど貴重なキーボードの命運は貴方の双肩にかかっています」
木下「なで私が....」
(ちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちま......)

全部取り外しました

(....1時間経過) 木下「はい、終わりましたよ」
小椋「随分と時間がかかりましたね。もそっとちゃっちゃかできなかったのですか」

通常キーの底面

木下「貴方がそういう性格なのはわかってます....しかしこのフックのところがなかなかに微妙なプラスチック構造で、無理から引っ張ると折れてしまうかもしれませんよ」
小椋「『L』キーを外したときは無理からでしたけどね」
木下「勇次郎のスネにケリ入れる梢江みたいなもんです」

通常キーとスペースキーの比較

小椋「あちらこちらのサイトで言われてますが、このキーボードの凄い所は大きいキーも通常のも同じようなバックリングスプリングを内蔵した構造になってるところですよね」
木下「そうそう、でこれが独特のクリック感を生むと。それにキートップがキー本体に帽子のように被さってるから、ひとつメカが故障しても他のほとんど使わないキーと取りかえればおっけです」
小椋「しかしよくこれほどのモノを作っていたもんですね。まさに"Made in Japanの誇り"ですな」
木下「それをまたびじょんごときに添付するところが、採算度外視/歩留まり最悪のかの企業らしいというk...(ばきっ)」

ゴム皮膜を外す

小椋「さて、それでは掃除にかかるとしますか」
木下「『超がつくほど』と言った割には、かなり酷い使用状態のようですが」
小椋「い、いやそれは自然な埃の堆積で致し方の無い部分だと..」
木下「PageUP/Down付近にこーしーがこぼれてますよ」
小椋「げっ」
木下「ま、ごらんの通り内部へのハザードは無い様です」

MembraneSwitch上層を裏返したところ

小椋「上層を外すと、はい電極が現れました」
木下「なんだか単純な構造ですね....電極シート同士は接着もされてないし」
小椋「そう、美しいもの、偉大なものは全てシンプルなのです。未だにGT選手権で最新のハイテクマシンと伍するF40はその当時の制御メカ満載の北野武号に比して『何もついてない』といわれていましたしABS全盛のこの時代に敢えてABSキャンセルが東堂塾の掟なのも本当のぶれーきんぐをますたーしなければうんたらかんたら...
木下「さ、とっとと接触不良部分を拭いてしまいましょう」

絶縁フィルムはそのままに電極掃除

小椋「炭素膜電極でしょうか、これはあんまりゴシゴシすると危険です」
木下「透明な絶縁フィルムはそのままで、綿棒ぐらいで軽く擦っておきましょう....はいおっけ」
小椋「で、あとは元に戻す作業です。ではよろしく」
木下「ちょっと待って下さい。もうやり方は分かったでしょう、今度は貴方の番です」
小椋「しょうがないなぁ、やってあげるか」
木下「あ〜たのキカイでしょう....」

まず一方のツメをかける
他方のツメを押し込みながら装着

小椋「とりあえず、外したときと逆の手順で....」
木下「あーちょっと待った待った」
小椋「何です?」
木下「さっきも言ったでしょう、膜スイッチが『接着剤でも何でも固定されてない』って....しかもガイドも無いから、テキトーにはめてくとズレちゃいますよ」
小椋「はいはいわかりましたよっと。なるべく上から下へ、左から右へはめてった方が....」
木下「そ、そうかなぁ...?」
(....1時間経過)
小椋「さて、組みあがりました。通電てすと」
木下「....『↓』と『+』が反応しませんね」
小椋「あ、あれ....?」
木下「やっぱしズレてるんですよ。ほら、こうして膜スイッチを直接タップすると反応してますよ。膜スイッチが微妙にズレてキーのハンマーがそこを叩けてないんです」
小椋「ということは....」
木下「全バラ→組み直しですな」
小椋「しくしく....」
(ちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちま......)

(....1時間経過)

小椋「ふう、やっと終わりました」
木下「....今度は『Delete』です」
小椋「しくしくしく....」
(ちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちま......)
はぁ〜....(=o=;

(....さらに1時間経過)

小椋「や、やっと終わりました」
木下「....右『Alt』です」
小椋「しくしくしくしく....」
(ちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちま......)

(....またまた1時間経過)

小椋「終わりました、隊長....」
木下「....10キーの『Enter』があうと」
小椋「しくしくしくしくしく....」
(ちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちま......)

(....またまたまた1時間経過)

小椋「こ、これならどうだ〜〜」
木下「....『F11』が死んでます」
小椋「しくしくしくしくしくしく....」
(ちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちまちま......)

(....またまたまたまた1時間経過)

小椋「こ、こんどこそぉ〜〜」
木下「....『5』と『P』が....」
小椋「うがーっ!!ヽ(゚ロ゚;)丿」
木下「あ、爆発した...」

....その246へ続く(そして夜は更けて行く....)