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短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである−


その157

「・・・・というわけで店長さん、貴方がたがお困りの害獣駆除に関して我々がお役に立てると思うのじゃが、いかがですかな?」
「有り難いことですが、なにぶん急なお話なもので....」
博士(56)と木郷君(27)をバックヤードの接客室に迎え入れた店長の伊藤三好(35)は困惑した表情で応じた。
「....何しろ今年に入ってから何度も臨時に業者を入れて駆除を行っているのですが、全然数が減らないんです。しかもこのネズミがまた敏捷で....」
「....走るばかりでなく、跳躍もしますかな」
「よ、よくごぞんじですね....」
「ふむ!ふむ!そうじゃろうとも」何やら得心したように博士が呟いた。
「多分業者は殺鼠剤などを使って『待ち』の駆除を行っていたと思うのじゃが、ワシの考えではもっとアクティブに攻撃的にいこうと思っておるのですわ。何、費用のことは心配いりませんぞ。ワシらの実験もかねてやらせてもらうから、市価の標準の半額で結構です」
「....なんだかよくわかりませんけど、奴等をなんとかしていただけるのでしたら是非ともお願いしたい所です。もう藁にもすがりたいような心境でして」

(藁にすがって手をかけた船が泥船だったりするんだな、これが....)
「....木郷君、何をブツクサいっておるんじゃ?」
「い、いえ....」
「では店長さん、今日の閉店時刻は....」
「午前2時です」
「ではその時刻に早速お伺いさせてもらうとしますか」
「わかりました。宜しくお願いします」
「というわけで交渉成立じゃ。いくぞ木郷君」
煙に巻かれたような表情の店長を残して、2人は店を後にした。・・・・


....その158へ続く(ちうとはんぱに短くなった)