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短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである−


その142


・・・・『博士ショップ』を訪れたのは、今時あまり見かけない腰までのロングヘアーの女性だった。ここよりも、お掘端の柳の下に立っていた方が似合うようないい雰囲気を持ったお嬢さんだ。

「失礼ですが、お店を間違えてるんじゃありませんか」
え....ですが....看板に....
彼女は生気のない細い指で看板を指した。

ミンナ皆みんな叶えてくれる・不思議なショップが叶えてくれる
博士ショップ

「・・・・博士....いつのまにこんなもんを...」
「ま、まあいいじゃろう。話しだけでもうかがうとするか」
はい....ありがとうございます....その....殺して欲しいというのは男の人で....
「みなまでいうな。その男はキャッチのホストで、散々あんたに貢がせ、闇金に手を出させ、返済のためにつるんだフーゾクを紹介し、挙げ句にヤク中で使い物にならなくなったあんたを捨てたということじゃな」
「博士、そんなどこにでも転がってるような与太話を勝手に....」
そのとおりです....
「・・・・」

「....じゃがのうお嬢さん、あんたの希望をかなえてやるわけにはいかんのじゃ。ここには人殺しの道具は売ってないんじゃよ」
(....っていうか、『人死にの出ないモノ』が売ってないんじゃ...?)木郷君は思った。
....だめですか....でも....彼に何とか復讐しないと....私....私のあんなところに....あんなことをさせて....
「んん?どんなところにぃ?どんなことをじゃ??」
「博士....しけべおやぢ入ってます」
「やかましい。こういうことはちゃんと確認しておかねば。なあお嬢さん、どんなことをされたんじゃ?」
あの....
「ん?どんなところじゃ?」
「.....あっちの...穴に...
「ふむふむ....じゃがそれは男と女としては当然...」
いえ....後ろの....
「な、なに?」
....こ、こうもん....
「....」
....今も....ばいぶつきのこうそくぐが....
「ゆ、ゆ....
許さぁぁぁんっ!
博士の突然の怒号に、向かいのガンショップでアーミーナイフを撫でていた青年が飛び上がった。拍子にうっかり刃に指を滑らせ、3本ほどが音もなく床に落ちた。

「博士(きーんきーん)....なんですかいきなり(きーんきーん)...」

これが怒らずにいられるか!!木郷君!!こうもんだぞ!!あなるだぞ!!乙女の菊じゃぞ!!!『民子さん、貴女は野菊のような人だ』それをよくも....!!!そうじゃろう!!民子さんっ!!
「わ、わかりました、わかりましたから落ち着いてください」
....私、幸子ですけど....
「....とにかくじゃ、そのような日本男児にもとる鬼畜な輩は成敗してくれるわっ!!民子さん、何とかしてやるからな」
あの....
「なに、心配せんでいい。悪いようにはせんから。そいつの行きつけの場所とかは知っとるか?」
....休みの日はよく近くのサンプラザ前でスケボーをやってますが...
「ふむふむ、スケボーじゃな....よしわかった、奴が次の休みにここへ来るように、なんとか仕向けてみてくれ、民子さん」
わかりました、あの....(私、幸子なんですけど).....
「そうと決まれば早速作業じゃ、木郷君、行くぞ」
もはや博士は、彼女の言葉を聞いていなかった。
その目は少年のように、キラキラと輝いていた。

「おーい、鵜野森くーん」
「はーい」
「ちょっと出てくる。また店番を頼んだぞ」
今度はまほろさん姿のあづさがやってきた。
「わかりましたー。影膳据えて待ってますね〜」
「....君はいったい幾つじゃ?」・・・・

....その143へ続く(すんません、まぢパクリばっかです)