短期集中連載(笑)![]()
−この物語は、フィクションである(?)−
その53
木下隆雄「実は私、普段は教育TVしか見ない人でして」
小椋良二「そういえばカラオケに行っても最新のヒットチャートに全然ついてきていないですね、たまに何やら歌ってると思えば、パラダイス山元の『タコ焼きマンボ』とか、三戸華之助の『クレヨンロケット』とか」
木下「それはそれでホットななんばあだと思いますが・・・まそれはともかく、久しぶりに民放を見たら、言語の速度についていけないんですね、これが」
小椋「てれびでそんなこと言ってたら、AMの深夜放送なんか人間がやってると思えないですよ、きっと。『さ、そういうわけでございましてですね』という全国共通意味無しマクラの後は、中高校生の会話よりも意味不明な単語の洪水ですから」
木下「あれも言語の進化のひとつなんですかね」
小椋「日本語は言語としてはかなり支離滅裂なだけに、逆に柔軟性にも富んでるんですよ。だからやたらと外来語を取り入れることになるわけです」
木下「なるほど」
小椋「古くは菩薩とか」
木下「あれもそうなんですか?」
小椋「そうです、新しいところではスペイン語のカステラとか、ポルトガル語のカルタとか」
木下「あ、あたらしい?」
小椋「もっと新しいところではオムスビとか」
木下「その言葉を使用するとジョブズ師によって処刑されるらしいですよ、あの宗教世界では」
小椋「外圧で発生した外来語という珍しいケースですな、しかも同じ外圧によって抹殺されるというオマケつき。革命が文化をも破壊するのは西側もイスラム世界も同じことのようです」
木下「確かに。しかし日本語以外だとどうなんでしょ?中国なんかは大国のプライドが外来語の氾濫を許さない様な気がするんですが。自分以外の国はすべて『胡』扱いですからね」
小椋「ところがどっこい、涅槃でしょ、巧克力でしょ、可口可楽でしょ、可楽OKでしょ・・・元々シルクロードの国ですから、諸外国の最新文化には敏感なワケです」
木下「最後のはなんですか」
小椋「まあ英語文化圏との緩衝地帯に発生した特異種ということで」
木下「どうでもいいですけど、何か意味があるんですかこの写真は」

小椋「いえ特に」
木下「・・・・」