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短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである(?)−


その52

木下隆雄「しばらく寒い日が続いたと思ったら、何でしょうねぇこの夏みたいな暑さは」
小椋良二「そこかしこで行われる予定だった桜祭りの実行委員会は大変ですね。町田みたいに潔く中止するところもあれば、相模原なんかは『青葉祭』だと悪あがきするみたいですし」
木下「そういえば、知人の女性のオバアちゃんが異常にハイになって、お見合いをねじ込まれて困ってるようですが」
小椋「ああ、春ですねぇ」
木下「よく名前をご存知ですね」
小椋「・・・幸せな方ですね」

小椋「昨年もこの時期になってふらりと旅に出たくなったのですが、今年もぼちぼちってところでしょうか」
木下「そうですねぇ、今年は思い切ってどこか遠いところでも」
小椋「こちらなんかどうでしょう」

木下「ほお、温泉ですか、冬の寒い時もありがたいものですが、新緑を見ながらの露天風呂というのもまたおつなものですな」
小椋「ここは長万部の近くでまさに原野の中の温泉、ちょっと遠いですが頑張れば東京から車で1日走りとおせばたどり着けない距離ではありません」
木下「それはさすがに管理者ぐらいしかやらない無謀な旅だと思いますが・・・でも函館までなら飛行機で3時間、そこから特急で1時間ほどですからね」
小椋「泉質はラジウム泉ですね、それとかなり凄い湯の華がでるみたいです。横浜や新宿のスパリゾートでも使ってるくらいですね、効能も見ての通り外科的領域から糖尿病なんかの内科的疾患まで、治ったという人が結構いるようです」
木下「なるほど、なかなかの温泉のようですね・・・・しかしこのコーナーにしては妙にまとまり過ぎていませんか?なにかオチがあるとか」
小椋「そ、そうですか」
木下「なになに、『二週間以上泊られて良化の兆候がない場合全額返金いたします(社長より)』・・・なかなかこの御時勢に豪気なもんですね。どんな社長ですか、ちょっと上を見せてください」
小椋「あ、こ、これは・・・」

木下「なるほど、こういうオチか」
小椋「な、なんです?」
木下「大体考えてみれば、普通の宿って帰る時に精算じゃないですか。それを『返金』っていうのが怪しいと思ったんです−

社長『・・・長らく御滞在、ありがとうございました。いかがですか、お体のほうは』
客『うーん・・いまいちだなぁ』
社長『そうですか、お力になれなくて残念です。ではお会計ですが特別地方税を合わせまして87万6800円になります』
客『・・・え?効果が無ければ宿代は要らなかったんだよね?』
社長『あ、そうですね。失礼しました。お代はお支払い頂けない、ということでよろしいのですね』
客『だって払わなくていいんでしょ?』
社長『ええ、けっこうですよ。そのかわりお帰り前に調子が悪いとおっしゃっていた
腎臓をお預かりいたしますので。いえ何、すぐに済みますから。おい、別棟にご案内しろ』
客『???え"???』
まっちょ1・まっちょ2『どうぞこちらへ。(がしっ)』

客『ちょ、ちょ、ちょっと、う、

−・・こんなカンジでしょうか」
小椋「こあすぎ」

....その53へ続く(ホントは明治以来の由緒ある秘湯です)