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短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである−


その5


少し開けたままの窓から、木立の間を抜ける涼やかな風が流れてきて、シーツの波間に漂う2人の肌を醒ましていった。

万事に用意周到な玉沢美森(25)にとって、俊一と共に朝を迎えたのはまったく予定外のできごとだった。付き合いはじめてからもう半年が経つが、まだキスまでしか許していなかったのだ。そうして欲しいと思わないわけではなかった。だが、経験のないままこの年にまでなってしまったという妙な引け目と、だからこそその時はちゃんとした所で、ちゃんと盛り上った気分で迎えたいという、いかにも美森らしい気持ちが、彼におあずけをさせていたのだ。そう、昨日までは...。

ひとり目覚めた美森は、ぼーっとした頭で考えた。経験がない割には、うまく行ったほうかもしれない。谷間に顔を埋めようとする俊一にそっと乳房を開き、舌を這わせ合い、お互い自身に唇を寄せ、そして....
「う、まだなんか挟まってるみたい....あ〜あ、お泊りするのに何も持ってこなかったなァ...でもまいっか...」
ふと美森は、彼女自身の間に手をやった。「あ」

赤い彼女の滴りと、俊一の体液が交じりあった暖かい物が、美森の茂みと脱ぎ散らかした衣服を染めていることに気づき、彼女は慌てた。
「困ったなぁ、着替えがないわ..どうしよう....そうだ、彼に借りよっか」
美森は俊一のクローゼットを手当たりしだいに漁った。男物は全然わからない美森だったが、ちょうど彼女に合う短パンが見つかった。

「じゃ、あたしウチ寄って仕事に行くから、ちょっとこれ借りてくね」....耳元に弾けた美森の声とキスに目を覚まされた俊一は、閉まりかけたドアの間から、夏の煌く日差しの中を遠ざかっていく、美森のすらりと伸びた素晴らしい肢体を呆然と見送った。

美森....ソレ、俺の....ぱんつ...

俊一の呟きは、美森の背には届かなかった。

....その6へ続く(おーとわーらびー♪言迷)