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短期集中連載(笑)

−この物語は、フィクションである−


その3

山田鉱一(25)は、元々サウナが嫌いだった。

一度家族旅行で泊ったホテルにあったサウナに、半ば父親に拉致されるように連れて行かれ、そのまま熱射病でブチ壊れたことを今でもアタマと体が覚えているのだ。大体、疲れているのに汗をかこうとするその毛唐の神経が理解できない。

・・・なのに、なぜかそのサウナの仮眠室にグッタリと転がっているのである。行き暮れて宿無しとなったその街は、年に一度の祭りの真っ最中だった。飛び込みの客に空き室などあるわけがない。

ウトウトしながら時間を潰す山田のそばに、中年の男が寄り添うようにやってきた。はっきりとした記憶はないが、さっきも隣のベッドにいたような気がする。

なにやら話しかけてくるのに適当に生返事を返すうち、彼我の距離が徐々に、だが確実に詰まっていた。
気づいたときにはすでに遅かった。おやぢの熱い吐息が、耳元に囁きかけた。

「あんちゃん、

ウチに泊ってけや」



山田は、思わず肛門括約筋を収縮させた。

....その4へ続く(まだやるかい?)