尾道
松永←山陽本線→三原
Previous←番号→Next 目次
私的# 422
駅名 尾道
線区 山陽本線
捕捉日 1986/03/15_14:15
種別 黒五角
タイトル 「なつかしい海が見える放浪記の駅」
他スタンプ  -
スタンプのタイトルは林芙美子の「放浪記」である。が、尾道というとここ何年かは「映画の町」の方が一部には通りがいいかもしれない。
先日フィルムコミッションを特集した番組に、大林宣彦監督がゲストでいらしていた。彼の語るところによると、「転校生」を始めとする尾道シリーズを撮影している当時、彼の地元でもある尾道市の市民は決して協力的ではなかったようだ。寂びれゆく港町の古びた情景を、地元の人は見せたがらなかったとのことだ。
現在ではそうした古き良き時代の町並をも「資産」として生かそうとする。映画というスクリーン越しに傍観する人間からすれば、それは本来大林氏が故郷を舞台に描こうとしたことと少し違うのかもしれないのかと思うが、元来「町」とは人が生きるための場所として造られた「セット」である、という、至極基本的なことに思い至れば、そうした動きはきわめて自然な動きであると理解できる。
今では本州四国連絡橋のひとつが頭上をまたぎ越していく。この町はどのように変わっていくのであろうか。