WP004-WH "KEYBOARD PC"
テックウィンド WP004-WH "KEYBOARD PC")
発売元/製造元 テックウィンド/言迷OEM
諸元
キー配列 76keys/JP(Fnx1/Shiftx1)/TouchPad
メカニズム Rubber dome/ membrane switch...だと思う
I/F -(HIDデバイスとしてのI/Fはなし)
備考
CPU Intel Atom Z3735F
RAM/Storage 2GB DDR3L/32GB eMMC
Size 287mm(w)x125mm(d)x26.5mm(h)x288g(weight)
I/O WLAN(IEEE802.11b/g/n), LAN(RJ-45)
HDMI(FullHD), VGA(1366x768)
USB2.0x2, Headphone, MIC, MicroSDXC(upto128GB)
Power 5V, 2A(AC-DC adaptor)
OS Windows10 Home 32bit
Junk Point キーボード」ではない

家電と情報機器との融合は、2つの方向に分かれている様に思う。

一つは「家電そのものを情報機器にしてしまおう」という発想。
もう一つは「家電を情報端末の出力先に使用する」という発想。
昨今のAtomを使用したスティックPCやこの「WP004 キーボードPC」などは後者に属する。

そして同じカテゴリーに属するこれら小型PCであっても、構成トポロジーは微妙に違っている。
着想として「あたかもTVがPCと化した」かのようにみえるスティックPCは、そのサイズ故に放熱の問題が指摘されているようだ。
そうした中、WP004はこのPCカテゴリーに一石を投じることになったのかもしれない。

....いや、とはいえ、この機器構成は世に言われている「PC黎明期を生きてきたオッサンの着想」と言われても仕方のないところかも知れない。
かくいう筆者も、結局の所「本体+入力デバイス→画面に出力」....という、二十世紀的情報端末構成から抜け出せていない気がする。だからこの機器をみると、妙に落ち着く....というのも、あながち嘘ではないのだ。

(左上)背面I/F(左下)脚?の左右側面に排熱スリット
(右)2000mAバッテリー駆動中。ほとんど熱くならない
(おそらくMZK-MF150かMZK-300N付属のUSB-DCケーブル)

....とはいいながら、本機を購入した動機の本質は、そこにあるわけではない。
筆者の場合、どうせ操作するにはキーボードが要るのだし、だったら一緒にくっついていた方がかえってコンパクトなのではないか....という極めてベタな発想からの選択だったのだ。いや、ネタ集めという要素は2割....いや3割8分ぐらいはあるかもしれないが。

それにスティックPCよりも図体が大きい分、I/Fが多くなる。これは設定の自由度にもつながるのである。なかなかに良い着想ではないか。

....で、ここはキーボードのコーナーだった。
PC性能云々の評価は他のサイトに任せて、筆者としては「MP4再生(FullHD)とYouTubeぐらいなら全然問題なし。熱暴走もせず」というに留めておこう。

ちなみに、付属品はAC-DCアダプタのみだ。
このアダプタが、なぜかこのコンパクトな本機とやや不釣り合いに大きい。

据え付けで使用するならそれもありなのだろうが、クライアントの事務所や出張の出先でHDMI機器につないで使用....ということになると、持ち運びが少々うっとうしい。
そうなるとバッテリー駆動ができればよいのだが、DC-INが5Vではあるのだが、惜しいことにコネクタはMicroUSBなどではなく、2極DCプラグだ。しかも外径/内径の組み合わせが、筆者のまわりに余り見当たらないサイズである(→ここによると、3.5mm径らしい)。

あれやこれやと探してみた結果、唯一使えたのが、以前に買って死蔵している「Planex MZK-MF300N(あるいはMF150のオプション?)」のUSB-DCケーブルだった。

ケーブルさえ見つかれば、あとはUSBジャックを持つモバイルバッテリーかセルフパワードHubにつなぐだけだ。5V2Aとなると、長時間使用には若干大きめのばってらが必要になるかも知れないが....まあ筆者は物書きぐらいにしか使わないし(除くビデヲ)、2000mAhのそこそこコンパクトなやつにした。

ねじ止めではなく、完全はめ殺し
....なのだがここに大陸的スキマが

他サイトのレビューにもあったように、このマシンのキーボード部分はiBuffalo BSKBB23と思われる。
元々がBluetoothキーボードで、Li-Polymerバッテリーを積んでいたので、裏面の内部空間はそこそこ有ると思われる。特に面積的に。

ということは、基板や筐体による伝導放熱を前提としているBay Trail-TのAtomとは、スティックPCなどよりも相性が良いはずだ。
実際、長時間稼働させていても、鍵盤面に熱が上がってくることは全くと言っていいほどなく、裏面を触ると、脚(というか出っ張っている部分)の中央だけがほんのり温かい程度だ。

そうなると内部を見てみたくなるのが人情というものだが、残念ながら固定ビスは一カ所も見当たらず、接着剤で嵌め殺しということのようである。
ただ、画像のように、微妙にスキマが空いているので、おそらくキーボード面が外れるようになっていると思われる。

これがベースモデルのBSKBB23なら、チャレンジする可能性も有ったかも知れない(御ヂャンクで出ていれば尚更)。

だが安価とは言え、2諭吉のWin10ましんをバラして、元に戻らなくなったら、ちょっと泣けてしまうのでやらないことにする。どなたかよろしくおねがいします>タトな方

タッチパッドボタンはFnコンビで
パットに圧迫された3つのキーを叩く際にミスるとカーソルが...
タイピングポジションとしては、巷に数多出ているBluetoothキーボードと同じように、固定傾斜でまあまあ角度としては適当なところだ。

このPCのキーボードとして最大の欠点はというと言うまでもなく、TouchPadに圧迫されて半分のサイズになった3つのキーなのだが、問題はそれのサイズというより、TouchPadの感度が良すぎる点だと思う。

これら3つのキーをミスヒットすると、パット面に触るか触らないか辺りでパットが反応して、文章作成中にカーソルがあらぬ所(最後にカーソルを留めた場所なのだが)に飛んで行ってしまう。

パットが付いていること自体は便利なので、この感度調整ができればいいのにな....と思っている次第だ。

配列は元々英語だったところを、キーの数と形を変えずに日本語にしている。
このうち配置的に問題が出るのは、右Shiftを廃して巨大な「¥(\)」キーにしたところだろう。筆者も何度か大文字を入力しようとして、正規表現になってしまっている。

ここはできれば「@(`ど)」を「2」あたりとコンビにして....あ、日本語配列のshift+2は「”」か。だめだな、これは。....とにかく、右Shiftをなんとか残して欲しかったというのは正直なところだ。

打鍵感はというと、まずは普通の「最近のスリムコンパクトキーボード」と思えるが、筆者所有の他のBTキーボードに比べると、やや押下が重めで、ストロークがしっとりとした感じに欠ける気がする。

そしてもうひとつ、キーボードとして致命的な問題があるとすれば。
....それは「PCが陳腐化したら、キーボードとしても終了」ということだ。
Bluetoothとまではいかないにしても、HIDのUSB端子を付けることはできなかったのかな...と考える人は少なくないかも知れない。

ただ....昨今のキーボード事情、そしてPCの使われ方を考えると、このマシンもスティックPCやタブレットと同じく、ディスポに近い存在なのかなと思うところだ。

後の世に同じような情報端末が出た際、今日の若者達が「ををなつい、21世紀初頭にこれと同じようなマシンがあったよなぁ...」と、今のオサーン達が漏らすような述懐をするのだろうか。

....まあナイだろうな、MSXなんかと違って、このマシンじゃないとぷれいできない走らないアプリがあるわけでもないし....おぢゃんかー以外は。




セルフパワードならUSB給電で動く
SDP2.2WのCPUなので100mA給電のバスパワードは止めた方がいいかも?


前出のUSB-DCケーブルが長目なので、もう少し短いケーブルを自作しようと大須アメ横をうろついてみた。
...が、同じ外径(と思われる)のものは見つかったが、内径が微妙に違う....ように見える。
千石通商辺りなら置いてあるのだろうか。もう少しネットで探してみよう。


(2016/02/28記)

 

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