Unicomp "EnduraPro"(UNI4G06/UB404G6)
発売元/製造元 Unicomp inc.
諸元
キー配列 104key
メカニズム Buckling spring
備考 I/F:PS/2(KB/TrackPointII)&PS/2-in
Junk Point やりの滝つぼ
このキーボードの経緯を語ると長くなる。インプレッションとは別のところで。

以下、入手を思い立ってから今日までを時系列に示す。
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・2012/12/16 管理者、ヤフオクで「OLD◆純正 IBM MODEL Mシリーズ PS/2キーボード」と称するEnduraProを落札
・2012/12/27 商品到着、TrackPointぐらつきの不具合「やらりた」
・怪しげな日本語の出品者と十数度に亘る交渉→「代替品なし」で送料を除き返金、品物が手元に残る
・2013/01/03 管理者、TrackPoint「修理」を試みる→自爆、赤ポッチ再起不能
・2013/01/04 ここのレビュー用に出品者の誠実な対応を賞賛する文章を書く
・2013/01/08 出品者の他の商品に「同じキーボード」を発見「やぱやらりた」
・2013/01/14 勢い余ってUniCompに新品を注文(商品$99+送料$89)
・2013/01/18 商品到着、TrackPointぐらつきが不具合でなく「仕様」であるらしいと判明
・2013/01/27 先のレビュー用文章で言及しようとした中国&秋葉通おやぢ経営ジャンク屋が昨年末で閉店と判明
・2013/01/29 しゅぽぽさんより「UniComp、Model-Mを日本で発売予定」の情報
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こうしてみると、これらのイベントどれ一つを取っても、普段なら極限まで膨らまして各個にネタにするようなものばかりで、それが綺羅星の如く並びつつ、一気に押し寄せた感がある。

そして....その全てが「やりつぼ」という太い糸でつながっているのだ。

そんなわけで、そうした水増し記事は今回悉くボツにしようと思う。残念といえば残念だが、全てについて言及していくとものすごく長くて辻褄の合わない文章になりそうな気がするので(つか、それが本来レビューというもんだろjk)。

キー配列
5576-C01(上)とUNI4G06(下)の内部比較
ケーブル取り回し/BIOS等若干の違いはあるが
基本的に同じ素材とレイアウト
筆者が初めてこのキーボードを見たのは今を去ること10年近く前、在りし日の「ネオテック」リアル店舗でであった。

おやぢに半可通ぶりを冷笑されたあの日、店内には筆者が連れ帰ることになる5576-C01がぢゃんく箱に放り込まれ、Enhanced101以前のIBMキーボードやApple初期のメカニカルキーボードなど、それこそ全部お持ち帰りできるなら...と思ってしまう「超ヴィンテージ」キーボードが大量かつ雑然とショーケースに陳列されていた。
錚錚たるモデル達が並ぶ、そのガラス戸の向こう側に、EnduraProは居た。

以来この店を訪れるたび、試用をお願いしようとして、ついに果たせなかった。
「実機を操作したい方は声を掛けて下さい」との張り紙はあったが、当時の筆者にはとても気軽にげしを頼めるような雰囲気に思えなかったのだ。
ただ、外見は「C01をUS配列にしただけ(もしくはその逆?)」なので、操作感は同じなのでは....と想像するにとどまっていた。

あれから長い時間が経ち、ようやく我が家に実機がやってきた。おぢゃんくだけど。

実際に開けてみると、このEnduraProはやはり筐体や内部のレイアウトが5576-C01とよく似ている。

Model-Mの流れを汲むキートップ分離型
(ただしポインタ周辺のキーは一体型)
だが、ポインタの固定方法が違う。こちらはCワッシャによる着脱可能な固定方法なのに対し、C01はプラリベット締めの永久固定だ。

3本あるCワッシャを外し、ガタツキがひどいスティックポインタを外してみると、スティックの底面にあるクラウンギアに似た円盤と、その下の感圧素子のあいだにけっこうすき間がある。
「他のTrackPointに比べてがたつきが多く、圧変化にダイレクトにポインタが反応しないのは、この隙間のせいに違いない。あるいは間に元々あった緩衝材か何かが脱落したのかも」→「なら密着させてしまえば問題ない」
....久々に筆者の思い込みつぼが炸裂した。隙間にスペーサを作って差し込む手間を惜しんだ筆者は、あろうことか瞬間接着剤でスティックと感圧素子を接着したのだ。

結果、残ったのは....全くといっていいほど意のままに動かなくなったポインタであった。

しかし筆者はめげない。「なら新品ならいいじゃないか」
UniCompのサイトでは、今日でもPS/2x2ポートのEnduraPro、しかも筆者垂涎のブラック筐体モデルも販売している。価格は99ドル。そんでもって日本までの送料が89ドル。.....「ぽちっ」

問題のガタつくTrackPoint
3個の着脱できるCワッシャで基板に固定されている
wktkして待つこと数日、やってきた黒コンプを早速叩いてみる。
「....」
程度の差こそあれ、ポインタのガタツキは一緒であった。

初期不良品という可能性もあるが、ソレを確かめる英語力は筆者にはなかった。
...ま、おそらくはこんなものなのであろう。今日のUniComp製品に、良質のTrackPointを期待するのは無理な話なのかも知れない。(負け?惜しみ)

もしかするとC01のTrackPointは、キーボード基板から生えているプラスチックの突起をカシメているのかも知れないので、C01を一枚ダメにする覚悟があれば、若干形状が違うとはいえフレキシブルケーブルの結線も基本的には同じなのではないかと思われるので、うまくすれば流用も可能かも知れない。....が、筆者にとって貴重なC01を潰す気にはとてもなれないのである。
そんなわけで今は、おぢゃんくで入手した方のEnduraProを、TrackPointのPS/2端子を外して単なるキーボードとして使用している。

ちうわけで海外通販(涙目)
現行型番はUB404G6(Black)/UNI0PG6(White)
構造がC01と同じなので、タイピングの感触も同じ....かというと、これが微妙に違う。こちらの方が、若干押下圧が大きいように感じられるのだ。
個体差なのかとも思ったが、どちらかというとModel-MとC01の中間ぐらいなので、元々このようなバネレート設定なのではないだろうか。

キートップも違う。C01は全キーが軸とキートップが一体型だが、こちらはTrackPoint周囲の特殊形状キー以外はキートップ分離型である。


タイプ音はIBM製のバックリングスプリングキーボードらしい音だ。しかしバネレートの違い故か、C01のようなカサカサした感じの高音ではなく、Model-Mに近い音である。
筆者は時折、疲労を感じて左半身の効きが悪くなる時に、Model-Mのキーが若干重く感じられることがある。そうした場合にこのキーボードはフィットするかも知れないと思った。

先にも書いたが、筆者にとってつぼ増しな事に、何とUniCompが日本国内代理店を通じて国内正規販売を間もなく再開するという。
とはいえ、タクタイルなキーボード自体が極少数派になっている今日、積極的にこのキーボードを選択する方がどのくらいおられるだろうか。電脳文化としては、是非とも後世に残していきたいものだと筆者などは思うのだが。

.....などといいつつ結局いつもの水増し文章になってしまった。自家発電レビューだから、まあいいか。



(2013/01/31記)

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